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【高校】代替大会までに見ておきたい⑦ 岡谷南・依田康太郎投手

身長186㌢、体重84㌔。マウンド映えする大型右腕が、最後の夏に間に合った。入学以来、右肘に不安を抱え、公式戦は短いイニングのみの登板だった依田康太郎。状態が上向き、強いボールと安定感のある投球で主戦の一人として大事な役割を担う。

↑ スリークオーターから安定感のある投球をする依田

 

スリークオーターの位置から重そうなボールを放る。球速は130㌔中盤だが、多彩な変化球を操り制球もいい。倉坪知之監督は「すごく安定している」と言うように、大型投手のイメージとは裏腹に器用さも兼ね備える。

塩尻中学3年時、軟式の全日本少年大会北信越予選で決勝に進んだ。今の星稜高の主力、荻原―内山バッテリー、知田らスーパー世代の星稜中に決勝で敗れたが、依田はエース武居侑汰(現都市大塩尻高)の2番手として後半3イニングを無失点に抑える好投を見せた。

↑ 186㌢の依田

ただ依田は高校入学時から右肘に違和感があり、「大学でも野球を続けたい希望があったので、長いイニングを投げさせなかった」と倉坪監督。さらに不運にも1年の夏前の練習試合(B戦)で打球が顔面を直撃し、しばらく投球を回避。その秋の南信予選決勝で3イニング(4失点)登板がデビューになった。

2年生になっても状態は好転せずノースローが長く続いた。依田は「ずっと走り込みやウエトレで下半身を鍛えた」。結局2年の夏も間に合わず、秋の大会でやはり短いイニングを数試合投げた程度で終わった。

3年になる春先は「だいぶよくなった」(依田)という矢先、コロナで休校。そこで依田は「肘が思っていたより下がっていた。それを理想のラインまで上げた」と自粛期間をうまく改善につなげた。

練習再開後は、これまで以上に長いイニングを投げられるようになった。「もともと肘が痛くて投げられなかったわけではないので怖さはない」。倉坪監督は内外に投げ分ける制球力を評価。さらにスライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップ、スプリットと多彩な変化球でカウントが取れるのも強みだ。依田は「しっかりコースにテンポよく放り、要所では強いボールで押す」と持ち味を自覚する。

ただ倉坪監督は継投を想定。初めての夏の大会となる依田は「これまでチームに全然貢献できていない。任されたところは0に抑えたい」と、自身の投球に集中する。

↓ 練習試合後、倉坪監督から打撃のアドバイスを受ける岡谷南ナイン

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