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【高校夏季】中信7・19 シード松商、難敵松本第一に快勝し3回戦へ

◇中信(7月19日・松本市四賀球場)

大会序盤の注目の一戦、松商学園(中信第1シード)-松本第一戦は、松商が9-1の7回コールド勝ちという一方的な展開で決着した。

▽2回戦
松商学園 3011121 9
松本第一 1000000 1

(7回コールド)
商)長野健大―依田基暉
一)塩原諒弥、花岡悠太―大澤結

↑ 先制3ランの二村(8)を迎える松商ベンチ

【コラム】
松商3番二村兼登の3ランで幕を開けた注目カード。長短10安打を放った松商がその後も得点を重ね、公式戦初先発・長野の好投もあり、快勝で初戦を突破した。

昨年秋の県大会準々決勝では、松本一が松商に12-10で打ち勝っている。そのときの松商のスタメンは投手を含め1年生(当時)が実に6人。今大会はチーム方針でオール3年生で臨むことになり、本来ならスタメン入りする力がある下級生が外れた分、戦力が落ちるのではないかという見方もされた。

また、ノーシードの松本一は、前日の初戦に快勝しエース塩原を温存しただけに、公式戦の雰囲気もつかんだ松本一が有利かとも思えた。

しかし、1回表、松商の先頭・田所徹主将のタイミング的にはアウトだった内野ゴロが、ワンバン送球で内野安打になったところから一気に松商ペースに。無死二、三塁から昨秋は控えだった二村が先制3ランでチームを勢いづけた。

公式戦初先発の長野は、入学時から右肘に故障を抱え、2年夏まで満足に投球できなかった。その秋もわずかなイニングを投げただけだったが、肘の不安がなくなり一気に本領発揮。最速139㌔のストレートと制球よく低めに放る変化球が安定。足立修監督は練習が再開した1カ月前には先発を決めていたというほど信頼していただけに、大一番でも先発させた。

さすがに最初は「緊張して体があまり動かなかった」というが、「点を取ってくれたので楽に投げられた」と長野。松本一の強力打線を相手に被安打4、2四死球、7奪三振の危なげない内容で7回を投げ切った。足立監督も「初回を乗り切ってくれたらと思っていたが、落ち着いて持ち味を発揮した」と評価した。

二村の本塁打、4番辻大輝の痛烈な2本の適時二塁打と言った大技があった一方、田所の初回の内野安打、さらに打点になる4回のセーフティー内野安打と小技も光った。その田所は守備でもヒット性の当たりを好捕し、長野を盛り立てた。

失策数は松商0、松本一1だが、松本一には記録に残らない守備のミスもあり、結果、ピンチを広げた。松本一の田中健太監督は「課題だった守備が最後まで克服できなかった」と振り返るように、守備力の違いもじわじわと点差につながった。

またエース塩原は直前の強豪私立との練習試合で好投していたが、「練習試合のような投球ができなかった」と公式戦の怖さを痛感していた。

力のある下級生をもしのぐ力を付けた松商の3年生。一方、1年秋に北信越を経験したメンバーが多くいた松本一の3年生。明暗が分かれた最後の夏となった。

 

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