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【社会人野球レポート】上田硬式野球倶楽部が創部 誰もが野球を楽しめるチームを目指して④

交流戦は2連敗 都市対抗予選へ仕切り直し

【レポート】ライター山﨑竣

県内で今季初となる社会人野球の公式戦・JABA県交流戦が8月9、10日、佐久総合運動公園野球場で行われた。この交流戦は新型コロナの影響で春先の大会中止などを受け開催。今年から連盟に加入の上田硬式野球倶楽部は、佐久コスモスターズ、長野好球倶楽部と対戦。それぞれ2-16、5-9と敗戦し、9月に控える都市対抗野球予選に向けて課題を持ち帰った。

↑ ベンチ前で円陣を組む上田倶楽部ナイン

県内では9月から都市対抗野球予選が開幕。9月5日、6日に行われる1次予選進出決定戦は、延期していた北信越クラブカップの予選も兼ねる。

今季は新型コロナの影響で全日本クラブ選手権、社会人野球日本選手権が中止となり、都市対抗野球が今季唯一の全国大会につながっている。今回の交流戦は主要大会を控える県内のクラブチームにとって大事な前哨戦となった。

上田倶楽部は1日目に佐久、2日目に長野好球と対戦。 2試合とも取れるアウトを取れなかったことから失点につながる場面が多々あった。「球際の弱さを感じた」と、登板機会のなかった投手の西内巧真(23・須坂東高松本大出)は、ベンチから佐久戦をこう見ていた。

登板した長野好球戦では6回を投げ4失点。「コースを突こうとして四球を出した。ストライク先行を心がけたかった」と西内。四球や失策が失点の要因となった。2試合ともに防げる失点は少なくなかった。

一方、攻撃面は、長野好球戦の終盤に集中打で一挙に4得点する粘りも見せたが、2試合とも序盤で主導権を握られ淡白な攻撃となった。

↑ 長野好球戦で登板した西内

チームには、津金謙信(17・地球環境高)、曽根原大輔(17・上田東高)、安原郁人(16・上田東高)などの高校生や、高校野球、大学野球未経験の選手も多くいる。

本田諒介(24・松本第一高長野大出)は高校野球未経験。中学生以来のガチンコ勝負に「頭が真っ白になった」と本田。緊張感のある試合に浮き足立つ選手も見られた。

↑ 緊張感のある中でプレーした本田

コロナ自粛から6月に練習を再開し、7月からは県内の高校や県外の大学、クラブチームとオープン戦を行い、実戦感覚を養ってきた。 ある程度戦える手応えをつかみつつあった中、あらためて公式戦で勝つことの難しさ、県内のチームとの力の差を痛感したナイン。

「これが今の県内での立ち位置。選手個々の目標設定が低く、こだわりも薄い」と選手兼任でチームの代表を務める中島健(24・篠ノ井高長野大出)。 試合後のミーティングではチームのコンセプトも再確認。中島は「指導者がいないからこそ選手それぞれが考えて、自分に真摯に向き合わなければいけない。自発的に取り組めなければレベルアップも望めない」と選手個々の奮起を促した。

今までにない新しいチームのスタイルを確立し周知していくために、県予選突破を目標にしている上田倶楽部。交流戦の結果を選手個々が受け止め、9月から始まる都市対抗予選に挑む。

↑ 指示を出す中島代表

 

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