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【コラム】不遇な中学3年生も一区切り

新型コロナで振り回されたシーズンも、間もなくオフへと入っていきます。

11月3日、信濃硬式野球大会という主に中学3年生が出場する大会が、諏訪市内でありました。彼らにとっては中学最後の大会になるのでしょう。

中学の部活動を引退した3年生を中心に、その仲間や地域の有志でチームを組み、高校野球をにらんで硬式球を使う大会です。今年は例年より多いという21チームが3日間の日程で戦いました。やはり中体連や全日本少年、旧Kボールといった主要大会がなくなり、地域単位で代替大会は行われたにせよ、不完全燃焼の思いは残ったのではないでしょうか。

そのため私も中学部活で3年生になってからのプレーはほとんど見ていません。

ですから、この大会で久しぶりに見ますと、体は大きくなっているし、投げるボールの勢いも1ランクも2ランクも上がっている印象でした。何より、軟式から硬式に変わったこともあり、打球がよく飛ぶこと!硬式の楽しさを軟式出身者は実感したことと思います。

夏頃から練習しているようですが、硬式のバウンドにもアジャストしていて、高校でのプレーが今から楽しみです。

優勝は塩尻選抜でした。塩尻市内5校の部活を引退した3年生が中心(シニアからも2人)になったチームです。

↑ 優勝した塩尻選抜

塩尻市内の中学といえば、丘クラブ(丘中が主体)が昨年、全日本春季少年(3月)と全国中学総体(中体連)にダブル出場。桔梗クラブ(塩尻西部中が主体)も、コロナで中止になりましたがこの3月の全日本春季少年への出場予定でした。

その2チームの主力も何人か参加していたわけですから、力はあります。

準決勝では一発を放ち、リリーフで登板した丘の清水みと君は、2年生ときに主力で全国出場に貢献。決して体は大きくないですが、脚力、肩と、当時2年生とは思えないポテンシャルでした。3年生になって久々にそのプレーを見ましたが、投手で投げるボールなどは別格でした。

↑ 塩尻選抜の清水みと君。打球が前になかなか飛ばない

そのボールを受けたのは、塩尻西部で主将だった小林康生君。彼も高い身体能力を持ち全国の舞台での活躍が期待されましたが、全日本春季、さらに中部日本(ナゴヤドーム)と出場予定の大きな大会が相次いで中止という憂き目に遭いました。ただこうして元気な姿をこの時期に見られてよかったです。

清水君と小林君は小学生のとき塩尻BBCでバッテリーを組み、学童県大会で準優勝したとのこと。再び組んだバッテリーで、頂点を取りました。

準優勝は飯田下伊那の部活を引退した3年生有志でつくる南信州クラブでした。

そういえば1日に行った、来年3月の全国を懸けた全日本少年春季県大会の決勝は、鼎中(飯田市)と桔梗クラブの対戦でした。こちらは鼎が優勝でしたが、同じエリアの1、2年生チームでも決勝まで進めたのは、何か育成面でうまく循環しているからではとも感じられました。

まだまだやり足りない思いが残る中3世代だと思いますが、「腹八分目」で高校で存分に打ち込んでください。

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