nines WEB

【トピックス】長野商15年秋V世代、母校で教育実習

長野商業高校が15年秋に県大会を制した世代の大学4年生4人が、20日まで母校で教育実習を行った。部活動でも恩師・池田剛幸監督の下、後輩たちを指導。現役生からパワーをもらったOB4人は、それぞれの道へと歩み出す。

↑ 母校で教育実習を行い原点に立ち返ったOBの左から太田さん、中野さん、小池さん、峰村さん

実習に訪れたのは、新潟大の小池巧己さん(22)、新潟医療福祉大の峰村大地さん(22)と中野太輔さん(22)、平成国際大の太田景将さん(22)。4人は高校2年の秋に、同校として初めて秋季県大会を制し、北信越大会でもベスト4に入ったときのメンバー。新型コロナの影響で、通常は夏前に行う教育実習が11月にずれ込み、2~3週間、教壇に立ち、研究授業をしたり、部活の指導をしたりした。

小池さん(中野平中=中野シニア)は、当時主将を務めた外野手。新潟大(関甲新2部)でもプレーを続けた。高校3年の進路を決めるころから教員に興味を持ち、商業科の免許取得を目指してきた。

教育実習を行い、「生徒の成長する姿にやりがいを感じ、教員になりたい思いがより強くなった」と小池さん。高校時代は主将の大役もあり、「池田先生から厳しく指導していただいたが、同じ立場で生徒に接して、その必要性を痛感した」という。来年、再度採用試験にチャレンジし、「野球で育ててもらった。その良さを伝えたい」。

内野手だった太田さん(信濃中野球部)は、3年夏の大会直前に死球で右手首を骨折。その後はプレーヤ―としては野球を離れたが、大学では打撃や投球などの動作や体の仕組みを研究してきた。

スポーツ関連の仕事に携わりたい思いを持っていた太田さんは教育実習を経て、「池田監督に言われてきた『人格形成』の場にあらためて立ち、教員になって恩返ししたくなった」と決意。「後輩たちと接し新鮮な気持ちになった。高校の指導者になり、大学で学んだことを生かしたい」。保健体育科の教員を目指す。

新潟医療福祉大の峰村さん(桜ケ岡中=南部球友クラブ)と中野さん(白馬中=大町シニア)は、ともに関東地方の別々の不動産会社から内定を得ているが、保健体育の教員免許取得のため教育実習をした。

峰村さんは高校時代、4番ファースト。実習をして「指導者の立場に立ち、先生方の大変さや情熱が分かり、ありがたみを感じた」という。異なる分野に進むが、「長商で一つの目標に向かって頑張ったことは、これからの自信になる」と、母校に戻って再認識した。

準優勝した1年夏から登板した中野さんは、「大学野球と違う、高校らしい元気をもらった。ここが自分の原点と思った」と教育実習を振り返った。高校時代、池田監督から「仲間や家族への愛情を大事にしようと言われたことが、すごく納得でき、力になっている」と、社会人へと踏み出す。

池田監督は「立派に授業もしてくれ、母校に恩返ししてくれたのは何よりうれしい。どの世界に進んでも、長商魂を忘れずに頑張ってほしい」とエールを送った。

〇・・・長野商は15年秋、県大会で上田、上田西、長野を下し決勝に進出。決勝では、元山飛優(ヤクルト4位指名)擁する佐久長聖を7-2で破り優勝した。北信越では1回戦で富山国際を8-0(7回コールド)、2回戦で福井商を7-4で下し、準決勝進出。準決勝では福井工大と対戦し、6点ビハインドを5回に一気に追いついたが、結局6-11で敗れ、センバツ出場を逃した。

3年次の春は県8強で、シード校で迎えた夏は初戦で都市大塩尻に敗れた。優勝は佐久長聖。

同学年には元山のほか、松本第一の牧秀悟(中大、DeNA2位指名)や上田西の草海光貴(セガサミー)らがいる。

 

↑ ベンチで手をつなぎ仲間を鼓舞する長商ナイン(県決勝)

↑ 秋の県大会で優勝を決め、喜びを爆発させる長商ナイン

↑ 優勝で校歌斉唱

↑ ↓ 優勝の表彰

↑ 北信越では準決勝で涙を飲んだ

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ