【コラム】2020年を振り返る(下) 小中世代、ドラフト
小中学生のカテゴリーは軒並みといっていいほど、新型コロナの影響で全国大会が中止になった。
このうちシニアリーグの中野とボーイズリーグの松本は、春と夏2つの主要全国大会への出場権を得ていたように、頭一つ抜き出た存在だった。全国の舞台でどのくらい戦えるか見てみたかった。
↑ 夏の信越大会を制した中野シニア
↑ 夏の県支部大会優勝の松本ボーイズ
中学軟式は、全日本少年と中体連の2大大会が予選からなくなり、中体連が地域単位に代替大会を行うのにとどまった。このうち桔梗クラブ(塩尻西部中)は昨秋の県大会を制し、3月の全日本少年春季大会への出場を決めていたが、こちらも中止。スタンドに放り込める打者が複数いる打線を全国で見たかった。
↑ 全日本少年、そして中部日本の出場権を得ていた桔梗クラブ
リトル最大の信越連盟春季大会は、松本南が制したが、こちらも全国大会は中止。学童も全国大会がなくなったが、県大会は9月に行われ、浅間スポーツ少年団が優勝した。
↑ 信越春季を制した松本南リトル
↑ 県大会を制した浅間スポーツ少年団
高校の軟式も全国大会がなくなり、代替の県大会となった。連覇を狙った松商学園を決勝で上田西が延長12回の末に破り優勝した。
↑ 代替大会を制した上田西
2020年もご愛読ありがとうございました。来年は通常に少しでも近い形で野球でできることを願っております。よいお年をお迎えください。
【特別編】
ドラフトは県関係者6人が指名され、明るい話題をもたらした。
横浜DeNA2位 牧秀悟(松本第一高―中央大)
ヤクルト4位 元山飛優(佐久長聖高―東北福祉大)
阪神7位 髙寺望夢(上田西高)
ヤクルト育成2位 赤羽由紘(ウェルネス筑北高―BC信濃)
ヤクルト育成3位 松井聖(東邦高―BC信濃)
西武育成5位 水上由伸(帝京第三高―四国学院大)
↑ 長野若穂シニアでの激励会には、牧のシニア時代のチームメートも駆けつけた
牧を初めて見たのは、彼が長野若穂シニア時代、中学2年生の新人戦東北信ブロック決勝戦だった。中学生と思えない痛烈なセンターオーバーの二塁打が、今も中学生世代の打撃レベルを図る基準になっている。
翌春、若穂シニアは全国大会に出場。その取材の際、滝沢栄監督は「こういう子がプロに行くんだろうね」と牧を指して話していたのを記憶しているが、それが現実となった。
12月30日に若穂シニアの室内練習場で牧の激励会が行われた。その際に、滝沢監督に当時の真意を訪ねた。滝沢監督は「足、肩、打撃、センスとトータルに優れていた。勝負強く、ものおじしなかった」と高く評価。さらに「牧を嫌い、という子を聞いたことがない。人間性もプレーに出ている」と、べた褒めする。
牧は、松本第一高では1年春からレギュラーで出続けた。その年の秋だったか、当時の櫻井正孝監督が「夏を過ぎても体重が落ちなかったんですよ」と、牧のタフさに驚いていた。
全国から好選手が集まった中大でも、無名の牧は1年春季リーグから出続けた。負担の大きい遊撃手(当時)で失策もあった中、指導陣がよくぞ使い続けた。また、その重圧に押しつぶされずに出続けた牧もすごいの一言。清水達也監督は「けがをしないから練習ができる。だからうまくなる」と〝無事これ名馬〟のことわざを挙げ、牧の頑強ぶりを称賛していた。
まずは開幕1軍を目標にする牧。プロはシーズン通して百数十試合と、アマチュア時代とは比較にならないハードな日程だけに、強靭な心身を持つ牧と言えでも、さらなる体力強化をし、そして入念に体をケアし不動のレギュラーをつかんでほしい。
【長野若穂シニアによる激励会】
【牧 ティーバッティング】
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