nines WEB

【高校】春季大会総評(上) 松商優勝 4強はいずれも躍進

松商学園の14年秋以来の優勝で閉幕した春季県大会。センバツ出場の上田西、昨秋の県1位・佐久長聖、同3位の都市大塩尻の北信越出場組が、Aシードは確保したとはいえいずれも準々決勝敗退した。一方で、岡谷南、高遠の公立勢、そして長野日大が4強以上に入る躍進を見せた。

↓ 優勝し、ダイヤモンドを一周する松商ナイン

1位・松商(昨秋県4強)
2位・岡谷南(昨秋出場辞退)
3位・長野日大(昨秋県8強)
4位・高遠(昨秋南信1回戦)

上位4校は、いずれも昨秋の戦績を上回ってきた。

松商は、中軸を担ってきたショートの熊谷、ライト今井が故障などで限られた出場だったが、し烈な争いの外野陣や、2年生内野手の台頭で穴を埋めてきた。大砲2人とは異なる、それぞれが持ち味を発揮し、打線として機能した。守備も堅かった。復帰組を考えると今後、戦力の上積みしかないことになる。

特に昨秋は投手の柱不在で苦しんだが、2年生左腕の栗原が1を付け、実力通りの投球。経験豊富な3年生の渡邉も力通りの投球をした。

ただ、豪腕と期待される「投手・今井」を見られなかったのは残念。今井を含め投手陣の新戦力の見極めは今後になりそうだ。

また、県大会4試合の相手はくしくもすべて公立勢だった。中信決勝で唯一、私立の都市大と対戦し3-4で敗れているが、個の能力が高い私立勢との戦いぶりも見たかった(都市大には昨秋から3連敗)。

昨秋、出場辞退のうっぷんを晴らすかのような躍進を見せたのが岡谷南だった。エースで4番の星野は誰もが知るところだが、初の公式大会を通じてチーム全体の打力の高さに驚かされた。小諸商、都市大、長野日大に打ち勝ったことでも証明した。

一方、星野、高橋のリレーとなった投手陣は、制球力に課題を残した。打ち勝ったことで目立たなくなるが、夏は1人の余計な走者が命取りになるので、投手力を再調整したい。

長野日大は、何よりも白根をエースに確立できたことが大きかった。昨秋は軸となる投手が不在でディフェンスに苦慮したことを思うと、試合内容的にも大きな差が出た。欲を言えば、夏に向けて白根に続く安定した投手をつくっていきたい。春はその芽は見られた。

また松橋新監督になり、とにかく走る姿勢を見せた。失敗してもまた走る。三塁も狙う。ノーサインでも行く。せっかくあれだけチャレンジしたので、夏も見たい。

8強、4強と歴史を塗り替えてきた高遠だが、その快進撃には驚かない。新チームになったときから力はあった。ただ、ちょっと歯車が狂ったことで秋は初戦大敗。その反省を生かし、秋の分も勝ち上がった。

もともと走攻守で能力の高い選手が複数いるが、組織的にそれぞれが役割を果たすことができた。2回戦で上田西に延長で勝利したのは紛れもない事実。しかし準決勝、3決で2連敗し、県大会は2勝2敗の勝率5割。ここを突き抜けるために、投手全般にもう1段上を目指す必要がありそうだ。

(総評「中」に続く)

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ