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【高校】コロナ警戒下、秋の大会へ向け各チーム苦悩

県内全域で新型コロナの感染警戒レベルが5に引き上がった中、1週間後に迫った秋季大会に向けて各校は限られた時間の中で練習している。

8月に入り、県内でも感染が急拡大。上旬は地域ごとに警戒レベルに差があり、レベルの低い地域のチーム同士では対外試合ができていた。しかし中旬以降、各地で警戒レベルが5に引き上げられたのを受け、高校の部活動は原則中止になった。

多くの高校は、公式戦を控えた特別措置として短時間での活動は認められているが、対外試合は禁止。そのため9月3日以降の地区予選には、数週間、対外試合から遠ざかった状態で本番を迎えることになりそうだ。

中野西は、この夏3回戦進出時の好左腕三ツ井奏人―伊東樹生のバッテリーを含めスタメンだけでも数人残った。お盆休み前までに7試合ほど対外試合ができ、「そこまでは順調だった」と木村徹監督も手応えを感じていた。

↓ マシン相手に一本バッティングする中野西ナイン

しかし8月後半に予定していた5試合が中止。練習は、平日がリモート授業の終わった放課後に2時間、休日も3時間程度で限られる。部員は19人いるが、紅白戦よりもケースバッティングなどで実戦感覚を養っている。

木村監督は「実戦は減ったが、夏の経験者がいることはプラスに考えようと生徒に話している」と言う。公式戦まで練習状況は変わらないだけに、「対戦相手を見るよりも、自分たちがやれるリズムをつくるためにも、作戦はシンプルになってくる」と割り切る。「どのチームも投手がきちっとストライクを取れるかが決め手になるのでは」と、試合展開を予想する。

↓ 中野西のエース三ツ井。中軸も打つ

上田東は、8月7日の練習試合が最後になった。それまでは「チームの形が見えるまでは練習試合ができていた」と中村成礼監督。しかし「そこから対外試合で詰めていく部分ができなかった」と言う。

3年生が少なかった分、下級生が夏までに経験できたとはいえ、1、2年生は10人。中村監督は「実戦的な練習は一本バッティングぐらい。開き直って強いボールを投げたり、ボールを遠くに飛ばしたりする基本に立ち返っている」と、小手先に走らずに準備する。

下諏訪向陽は、新チームになって行った練習試合は、ダブルヘッダーを含め10試合弱。お盆前からは対外試合が禁止となった。

1、2年生で25人いるため、実戦不足を補うため紅白戦はできるが、「2時間の練習時間内ではやっても5イニングぐらい。思うようにチームづくりは進まない」と、新井利尚監督は頭を抱える。

公式戦の開幕が1週間伸びたとはいえ、新井監督は「余計に感染対策に気を付けないといけない」と、対戦相手以外にも神経をとがらせる。

県内でも感染状況が深刻な松本市。私立の松本第一は公立同様に平日の練習時間は2時間で、対外試合も11日を最後に行っていない。

それまでに練習試合は10日間ほどできた。夏からの経験者も数人残っていたため、「少しはチームの形が見えていたところだった」と田中健太監督。しかし「例年のようにいっていないことばかり。試合勘が養えないのはどのチームも一緒。できることをやるしかない」と、開き直って初戦に合わせる。

高校によっては分散登校だったり、リモート授業だったり、部活動以前に学校生活そのものが特別体制になっている。甲子園出場の松商学園もようやく新チームがスタートし、県内全チームが横一線になった。戦力状況も気になるが、まずは全チームが公式戦に臨めることを願うばかりだ。

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