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【コラム】2021年を振り返る(上) 上田西、松商が甲子園出場

21年も新型コロナが収束することなく終わろうとしている。それでも今季は、運営方法を工夫するなどして、多くの大会が中止にならずに開催できた。今シーズンの信州野球界を振り返る。

高校野球は夏の選手権大会が2年ぶりに帰ってきた。組み合わせ抽選や、観客入場などコロナ対策に配慮しながらも予定していた春、夏、秋の公式戦を行えた。

6年ぶりに信州は春から沸いた。上田西が初めてセンバツ甲子園に出場。甲子園常連の広島新庄に延長12回、0-1でサヨナラ負けしたものの、左腕エース山口の162球の熱投は見事だった。

↓ 初のセンバツに出場した上田西ナイン

本格的なシーズンを迎えると、上田西から主役の座を奪ったのは松商学園だった。主力に故障者が相次ぐ中でも春の県大会を制すると、夏はその故障者が次々と復調し4年ぶりに県を制した。昨秋は二けた番号だったり、ベンチを外れたりしていた選手たちの台頭が大きかった。

↓ 4年ぶりに夏を制した松商。強かった

投打とも充実し、近年でも屈指と言える戦力だった。甲子園でもその期待通り、1回戦で高岡商(富山)を17―4で圧倒。17年得点は県勢として史上最多。さらに大正、昭和、平成、令和の4元号勝利一番乗りと話題をさらった。3番織茂の5安打6打点は神がかっていた。

2回戦は東北学院(宮城)の出場辞退で不戦勝。コロナ禍とは言え、複雑な思いが残る2勝目となった。

そして雨にもたたられ、3回戦の明徳義塾(高知)戦は中13日での試合となった。結果、3安打で0-2の完封負け。明徳エースはさすがに好投手だったが、松商・打撃陣には実戦のブランクが感じられ、完全にそれまでの好調さは消えていた。勝敗はどうなったか分からないにせよ、従来の日程で戦わせたかった。

長野大会では高遠が春に続いて初の4強と、底力を見せた。昨秋初戦敗退の悔しさ、課題を克服し、攻守に安定した高いぶりを見せた。

岡谷南も春は県準優勝、夏は4強と長打力を生かし競り合いで強さを発揮した。

長野日大は春県3位から、夏は12年ぶりに決勝に進出。昨秋課題になった投手力を、エース白根の成長で見事に克服した。

夏の8強にはシード校8校がそのまま残り、さらに4強は春と同じ顔ぶれと波乱が少なかったと言える。春の上位校が逃げ切り、追いかけるチームが状態を上げ切れなかったことになる。直前の6月ごろに新型コロナの拡大で思うように追い込みができなかったことも影響したか・・・。

新チームとなった秋もエース栗原が残った松商が県優勝。春、夏、秋の3季連続優勝を飾った。

松商、さらに準優勝の東京都市大塩尻、3位の東海大諏訪、4位の長野日大が地元開催の北信越大会に進んだが、準々決勝までに4校とも姿を消し来春のセンバツは絶望的となった。

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