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★無料記事【インタビュー】VOL.1「佐藤勇人~サッカーに正解はないんですけど、ピッチ上で賢くプレーしないといけない~」(2013/5/10)

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佐藤勇人選手に話を聞いたのは、福岡戦(4/21)と京都戦(4/28)の間でした。なかなか勝ちきれない試合が続いている現状について、葛藤があるようです。


――福岡戦は、相手がコンパクトに守っていてボランチにもしっかりマークがついていましたね。
佐藤「ある程度は前から来るだろうとは予想していました」

――途中でCBとSBの間に下がってパスを受けていましたね。右サイドで勇人選手が下がって、米倉選手を前に上げる。田中選手が中央に絞ってスペースを空けていました。これは予め用意していた工夫ですか?
佐藤「ボールが上手く回らないときは、『落ちてもいいよ』と監督には言われていましたが、用意していたというよりもその場の判断です。それまでベンチから試合を見ているときに、後ろで有効にパスが回っていないときがあったので打開策として考えていました。広島や浦和のイメージですね。オシムさんのときにも阿部(勇樹)が下がってくるやり方もしていましたし。ボランチ2枚もしっかりマークされていたので、その場所にいるよりも有効にボールを回せると思ったので。ただ、もう少し効果的にやりたかったですけどね」

――福岡戦ではCBはまったくフリーだったので、ある程度パスは回っていた。ただ、前半はなかなかシュートへ持っていけませんでした。試合後に選手に聞くと、問題ないという人と、上手くいっていないという人がいた。
佐藤「最後までやりきっていれば、あれでもいいとは思うんです。ボールの動かし方自体は悪くなかった。けれども、もっと切り替えを速くする必要があると思います。例えば、GKがキャッチしたときに、もっと速くサイドに開いていれば1本のフィードでハーフウェーラインまで運べそうな場面があると思うんです。相手に引かれてセットされからパスを回すから、苦労しているような気がします」

――相手に引かれた場合にどう崩すか。これが昨季から続く課題だと思うのですが、どう取り組んでいるのですか?
佐藤「1つは『間』につないで守備のバランスを崩すこと。もう1つ、今季やっているのはジャイールの足下につけて、そこで2、3人引きつけて攻撃のスイッチを入れる。けれども、それで機能しないとプレーが停滞してしまっています。ちばぎんカップのときのように、相手がスペースを与えてくれればいいのですが、なかなかJ2ではそうはいきません。個で1人を外しても、すぐに2人目が来る。なので、味方のためにオトリになるような動きが絶対に必要だなと感じています。足下ばかりでは難しい。足下、足下でも、トランジション(切り替え)が速ければ生きると思うのですが、それがまだ遅い。そういうところがシュートの少なさにつながっているのかなと」

――「間で受ける」のは、最近の流行ですね。受け手が動きすぎるとダメな一方で、止まっているがために囲まれてしまうこともある。
佐藤「出し手と受け手の関係だけでは難しいと思います。誰かがそこから抜けて、空けたところに別の選手が入ってきて『間』で受けられるといいのですが」

――選手の間、ゾーンの隙間につなげば崩しの起点になる。確かに理屈はそうなのですが、なかなか難しい。
佐藤「そうなんです。水戸との試合をベンチで見ていて思ったのですが、水戸はシンプルにFWへ長いボールを蹴って、落として、それでシュートまで持っていっていた。一方で、自分たちはパスをつないでいるけどシュートまでいけない。ポゼッションするためにサッカーをやっているわけではなく勝つためなのだから、もっと相手が嫌がることをする必要もあるんじゃないかと。サッカーに正解はないんですけど、ピッチ上で賢くプレーしないといけない」

――例えば、福岡みたいにハーフウェーラインからコンパクトに守っているチームに対して、狭いゾーンの隙間を狙うよりも、何回か裏へ蹴ってラインを下げさせるという手もあると思うんです。ただし、それはいったんチームとしてやろうとしているプレーを捨てることにつながるかもしれない。もう出来上がっているチームなら、臨機応変でオーケーなんですが、作っている最中のチームだと、そういうその場の対応に追われすぎると元に戻れないんじゃないかという不安もある。
佐藤「ずっとキレイなサッカーを貫いて勝てればいいですけど、それで負けてしまうのはどうなんだろうと。先日の大宮と浦和のダービーでは、大宮がマンツーマンで対応して浦和の良さを消しにかかった。それに対して、浦和は自分たちのスタイルを貫いたけれども結果的には負けてしまった。やっぱり、その試合を勝たないと強いとはいえない。とはいえ、おっしゃるとおりでそれがチームとしてオーケーなのかという部分はあります」

――ジェフはJ2では強者のサッカーをやっています。ただし結果がついてきていない。どうプレーするかは定まってきたけれども、どう勝つかが詰められていない?
佐藤「ホームで1-0でリードしていると、サポーターからは2点目を狙えという雰囲気を感じます。クラブの規模からして、J2では圧倒して勝ってほしいと思われているんです。1年目は僕もそう思っていたんですが、J2は甘くない。1-0のリードだったら、リスクを冒さずにバランスをとるのも重要だと思うんですよ。昇格しなければいけない使命がある以上、勝つサッカーを選択すべきなのですが、自分たちのプレーを作り上げて継続しながら、そういう選択ができるのか。そのあたりは自分としてもチームとしても葛藤がありますね」


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