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【西部謙司特別コラム】東アジア杯は日本代表総選挙!~柿谷曜一朗は文句なしの当確!さらに3人、招集されるのでは

万事ハッピーエンド
 優勝したことでいろいろな付加価値のついた東アジア杯ではないですかね。

 何人かの選手はすぐに次の代表戦から招集されるでしょうし、そうでない選手もザッケローニ監督にそれぞれ強い印象を残したことでしょう。新戦力の見極めというテーマを消化できただけでなく、韓国戦は非常に良い試合ができた。ほぼ押されっぱなしの展開は70~80年代の日韓戦のようでしたが、完全アウェイでの勝利は感動を呼んだはずです。今回で解散してしまいますが、チームとしてまとまりのあるプレーをしてくれましたね。

 全員が国内組、Jリーグの選手だったのも価値がありました。テレビで今大会を見ていた人の中には、日本代表は見るけどJは見ない人も結構いたと思うんです。柿谷曜一朗や豊田陽平はちょっと話題になったので知っていても、「工藤壮人って誰?」みたいな。そういう層にJリーグをアピールするのにとても良い機会になったのではないでしょうか。

 テストがうまくできた監督、優勝を経験できた選手、宣伝効果があがったJリーグ、東アジア杯初のタイトルで面子を保てた協会、新しいスターを見出したメディア、新たな楽しみが増えたファン…すべてにいい影響があった。プロは勝ってナンボですな。

次に招集されるのは?
 韓国戦2ゴールの柿谷はすぐに招集されるでしょうね。チャンス3つぐらいで2ゴール、決定力が素晴らしい。青山敏弘のロングパス一発で抜け出した1点目、追走する韓国選手をチラと振り返って見ていました。こぼれ球を左足でファーポストへ巻いて入れた2点目は、相手のDFとGKの動きを見て、次の瞬間に空くであろうコースに丁寧に蹴りました。

 決定力の高さはたんなるキックのうまさだけでなく、状況を把握して、その中でベストの選択をする能力が大きく関与します。いわゆるゴールセンスですけど、柿谷はスキルの高さとともに判断力とアイディアのレベルが非常に高い。どんな試合でも一つや二つの決定機はあるものです。もし、それを高い確率で決められる選手がいれば非常に大きな戦力になる。今回はあまり見せられませんでしたが、柿谷はチャンスメークの能力もあります。文句なしの当確でしょう。

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