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【エジリの定理】VOL.3 ボールの受け方「プロの選手でもみんなができているわけではないが、世界とやるには15歳で獲得しておくべきスキル」(2013/11/20)(1,755文字)

 江尻篤彦コーチにサッカーの「ツボ」を聞く新コーナー第3弾です。ジェフは練習で何をやっているのか、どういうところにポイントを置いて指導しているのかを聞き出していこうと思っています。

 次の対戦相手へ向けての準備とか、チーム戦術の確認などは主に監督の仕事ですが、料理を作るときのレシピが戦術なら、ダシをとるとか包丁を研ぐとか、そういうベースの部分もとても大事です。また、練習で何をやっているかは外から見てもわかりますが、技術的に何を意図しているかは見えにくいところがあります。江尻コーチはいつも選手に声をかけていますが、いったい何を話しているのか。

 スモール・チップスとかディテールと言います。うまくなるためのコツですね。プロのプレーヤーですからそこを言う必要のない人もいます。しかし、知っているけれどもときどきできていない選手もいますし、できているけど自覚していない人もいます。なので、プロの現場でもコーチは同じことを何度でも繰り返して言うわけです。

 第3弾はボールの受け方です。

 吉武監督の率いたU-17日本代表、いわゆる96ジャパンのプレーぶりが話題になっていました。このチームのU-15からU-16のときには江尻さんもコーチとしてチーム作りに関わっています。

 96ジャパンの面白さは「日本らしい」サッカーに特化した点でしょう。日本らしさの解釈もいろいろでしょうが、現時点でいかにも日本らしいという意味ではフル代表も含めても一番日本らしさが出ていたのかなと。日本らしさとは、技術的にはパスワークですね。パスワークという長所を発揮することで、弱点の体格の小ささやパワー不足をカバーする戦法といえばいいでしょうか。まあ、バルセロナと同種といえば簡単でしょう。

 96ジャパンのトレーニングで重視されていたのは当然パスワークです。2タッチでなるべく早くパスを繰り返すとか、5メートルぐらいの狭いところでのパスワークなど、この部分はかなりやり込んでいたそうです。今回はパスの受け方というテーマで聞いてみました。


――96ジャパンではどんなことにポイントを置いていたのでしょう。

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