【ユナパな話】VOL.15「大きな気持ち」(取材・構成:西部謙司)2016/4/8
セレッソ大阪戦の後、富澤清太郎が「大きな気持ちが必要」と話していた。
前半は0-2、C大阪の華麗なるパスワークに翻弄された前半だった。しかし、吉田眞紀人と富澤を投入した後半は盛り返して1点を返した。終わってみれば負けたとはいえ1点差、そうなると前半が何だか、もったいなかったような気がしてくるものだ。
前半のジェフユナイテッド市原・千葉の出来が悪すぎた。それとも、C大阪が良すぎたのか。まあ、どっちもだろう。ゲームは相対的なものだから、片方の出来が素晴らしければ、もう一方はリズムが出ない。前半のC大阪は攻守に千葉を圧倒していた。その時に、どう対処するかだった。
「サッカーはこういう試合もある。90分間あるのだから、我慢しなければならない時もある。それができるかどうか。こういうこともあるという大きな気持ちが必要」(富澤)
2点リードしたチームがトーンダウンすることは、よくある。また、45分間素晴らしくても、90分間では、そうでもないということも。それを経験的に分かっていれば、取りあえず我慢しておけば何とかなるかもしれないと思える。「大きな気持ち」で相手の勢いを受け止めることも、できるかもしれない。
ただ、それはなかなか難しい。少なくとも前半のうちに流れを変えるのは無理だったと思う。日本代表監督も務めた加茂周さんはこう言っていた。
「前半をフワッと入ってしまうと、ハーフタイムまでは変えられない。ハーフタイムで変えられなければ最後まで変えられない。そういう試合はまず負ける」
ゲームが進行している最中に、こころもちを変えるのはかなり難しいのだ。全くうまくいかない、そういう時にはまず不安、焦り、混乱が先に来る。試合はどんどん進んでいくから、悪い流れの最中に「ここは辛抱していればいい」とチーム全体で意思統一をはかるのは簡単ではないのだ。
その点、さすがだと感じたのがイタリアのユベントスである。
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