【ユナパな話】VOL.22「監督交代」(取材・構成:西部謙司)
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7月27日の水曜日、ユナパ(ユナイテッドパーク)では3回の記者会見が行われた。午前中に前田英之社長、午後の練習後に高橋悠太GM、そして長谷部茂利監督代行。24日(日)の清水エスパルス戦[3●4]後に関塚隆監督の解任が決まっていた。会見の詳細はいろいろ報道も出ているので、ここでは簡単にまとめておく。
●前田社長
・プレーオフ進出、昇格のために、ここでギアを上げていく。そのために体制を一新した。
・監督職は解任。契約上の整理があるので現時点では「交代」と発表。
・解任理由は一義的には結果。選手の士気など総合的に勘案して決めた。
・経営者としてクラブの一体化を図りたい。透明性をもって議論し、一枚岩としたい。
・長谷部監督「代行」はシーズンの残りの指揮を執ってもらうという意味。
・新監督のノルマはない。ノルマとは罰を伴うもの。評価は過程を含めて行う。
●高橋GM
・解任を伝えたのは清水戦後。目標達成のためにはギリギリのタイミングと判断した。
・清水戦の負け方は関係ない。それまでの戦績、チーム状況から総合的に判断した。
・新監督の最高目標はプレーオフ進出と昇格。最低目標は勝点27の上積み。
・新監督には連動性を高めてほしい。
・来季も長谷部監督で継続するかどうかは結果次第。交代の可能性もあり、本人にも伝えてある。今季中に「代行」がとれることはないと思う。
・フィジカルコーチなど、追加スタッフについては早急に検討する。
2人の話を聞いて疑問に思ったことが1つある。関塚監督をなぜ解任したのかではなく、なぜ今季継続させたのかだ。継続という判断の是非ではなく、意思決定が不自然なのだ。
解任理由は「成績不振」か「求心力低下」、およそ、そのどちらかである。成績不振なら求心力も低下するのが普通なので、たいがいは両方がそろう。関塚監督解任時の順位は9位。プレーオフ進出を達成するには微妙な順位だ。下位に低迷していたわけではないが、クラブの目標がJ1昇格である以上は「不振」と判断されても仕方ない。求心力の低下は取材していても感じられた。なので、解任という判断は、それほど大きな驚きではない。
むしろ不思議なのは、ここで解任ならば、2015年を9位で終えた時に、なぜ解任しなかったのかである。2016年の第25節時点で9位が「成績不振」なら、2015年シーズン終了時の9位は、それ以上に「成績不振」であるはずだ。また、2015年終了時の方が「求心力低下」も顕著だったと思う。この点を2人に聞いてみると、
「2015年の結果は9位ではあったが、チームは成長していると認識し、関塚監督に2016年を託した。強化とすり合わせながら複数の目でそう判断した」(前田社長)
「私がGMに就任した時点で継続は決定していて、引き継ぎ事項だった」(高橋GM)
ちなみに関塚監督続投の判断には前田社長も関与していない。その時点でまだ社長に就任していなかった。つまり前田社長のコメントはクラブとしての判断がこうだったという話である。
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