【戦術分析:千葉】課題考察③ 得点力
●目下、最大の課題
11試合を消化した時点での得点は12、失点は14です。4失点を喫した横浜FC戦、3失点の松本山雅FC戦があるので、確かに失点は多いのですが、そんなに深刻な事態とは思っていません。ハイラインのリスクは当然ありますしね。むしろボールポゼッションが高いわりには得点が伸びていないことが目下の課題でしょう。
スタッツを見てみると(参考:Football LAB)、クロスボールの本数でリーグ1位、パス本数、ボール支配率、30メートルライン侵入回数が2位、枠内シュート4位と、けっこう良い数字になっています。しかし肝心の得点は9位、見事にリーグ平均値なんですね。
数字だけだとシュートの問題のように思えます。フアンエスナイデル監督も「決定率」についてしばしば言及しています。しかし、本当にシュートだけの問題なのでしょうか。
●崩せていないのはなぜか
カマタマーレ讃岐戦(明治安田生命J2リーグ第11節/1△1)では、ラリベイと指宿洋史の2トップを初めて起用しました。クロスボールの回数は多いので、それを得点に結び付けるために長身FWを2人並べたのでしょう。クロスについては後述しますが、その前に讃岐戦は相手に引かれたこともあってあまり崩せていませんでした。引かれてスペースを消されると崩せないのは、この試合だけではありません。では、なぜ引かれると崩せないのでしょうか。
逆に、崩せていた場面を3つ、讃岐戦から取り上げてみます。
まず65分、得点以外では最大の決定機がこれでした。左サイドのスローインから指宿、ラリベイが相手を背負った状態でのポストプレーを行い、町田也真人から指宿へ縦パスが入ります。指宿は2人引き付けてから、右でフリーになっていた山本真希へパス。山本のシュートは懸命に戻ってきた讃岐DFによってクリアされましたが、完全に崩し切った場面です。
続いて71分、近藤が持ち上がってラリベイにクサビのパスを入れます。ラリベイがフリックして指宿へ。指宿から町田へパスが通って町田がシュートしますがDFにブロックされました。
最後に72分、右サイドで山本がキープ。町田と指宿が前方へ動きますが、山本はサポートについた熊谷アンドリューへいったんボールを預けます。熊谷から引いてきた町田の足下へパス、町田は少しドリブルでカットインしながら近藤へバックパス。近藤から指宿に浮き球のパスが飛び、指宿がヘディングしますが(たぶんパス狙い)GKがキャッチしました。
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