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【戦術分析:海外】世界サッカーの標準化について

●国や地域に関係ない形
まず、ブラジル代表とマンチェスター・シティの攻撃時のポジションを表した2枚の図を見比べていただきたい。

Football Tactics Webにて左上の番号を入力すると、戦術ボードを共有できます。

これ、ほとんど同じですよね。どのポジションの人がそこにいるかは異なりますが、配置の形が同じです。で、世界のトップクラスのチームはほぼこの形に収斂(しゅうれん)していっています。

相手のカウンターアタックに対抗するために2人のセンターバック(CB)のほかに、3人が中央寄りにポジションを取ります。ブラジルはボランチ3枚がここにいますが、シティはSB2人とアンカーの3人です。中央は通過させない、カウンターをされるとしてもサイドへ回らせる、その間に守備を立て直しながら戻るという意図です。ゴール直撃回避ですね。

前の方は両サイドに人を置きます。ブラジルはサイドバック(SB)が進出して幅を取っています。シティの方はFWがサイドにいます。そしてインサイドハーフに2人。ブラジルはウイングが絞ってここに入っています。シティはもともとインサイドハーフがいるのでそのまま。あとは1トップがいるよと。

無理やり、これをジェフ千葉に当てはめると、こうなります。

左は為田大貴がウイング、インサイドハーフには右から絞る町田也真人とトップから下りてくる船山貴之。ボランチは2枚いるのでプラスSB(比嘉祐介)です。もちろん無理やり当てはめただけです(笑)。

●ロークロス量産型
なんでこの形なのかの説明は今回省きますが、強いところはだいたい、これに近い形になっていくと思います。そしてフィニッシュへのアプローチはサイドからのロークロスになります。あえて大ざっぱに言ってしまうと、低くて速いクロスの本数が攻撃力のバロメーターになっています。ペップさんのシティは、ロークロスを大量生産して得点も大量に取っています。ロークロスを量産できるから強いと言ってしまっていいかと思います。

なぜ低いクロスなのか。その前になぜサイド攻撃なのか。

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