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【レビュー】J1昇格プレーオフ準決勝 名古屋4●2千葉「器は作れた」

J1昇格プレーオフ 準決勝
名古屋グランパス 4●2 ジェフユナイテッド市原・千葉
http://jefunited.co.jp/top/matches/2017/1126/result/


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●分岐点となった同点弾
「1-1のゴールが分岐点になった」(千葉、フアンエスナイデル監督)

前半終了寸前にラリベイが先制、名古屋の同点ゴールは61分でした。近藤直也がクリアしようとしたところに田口泰士が突っ込んできて、近藤の蹴ったボールが手に当たります。目の前にこぼれたボールをドリブルで運んだ田口は冷静に1人をかわしてゴール。

この試合、千葉は90分間で勝利しなければ決勝へ進めません。なので、この同点ゴールは1点のビハインドと同じです。まだ約30分残っていましたが、試合の流れを変える1点になりました。

判定については田口のファウルとするのは少し厳しいかなと思います。近藤のキックが至近距離でしたから。ただ、千葉の選手たちが副審に詰め寄っている時、なんとビジョンにリプレーが出て、手に当たっている場面が大写しに。そりゃ、千葉のサポーターも騒ぎます。主審もアレが出たら、逆にもう判定は変えられませんな。まあ不運としか言いようがない。主審も田口もリプレーも誰も間違っていません。

フアンエスナイデル監督は触れませんでしたが、試合を決めたのは名古屋の2点目です。GK武田洋平のロングキックがバウンドしたところで、千葉のGK佐藤優也がヘディングでクリアしようとしたのですが、バウンドが伸びて当てただけ。後方へこぼれたところをシモビッチが拾って決めました。

事故みたいな2点で逆転された後、千葉は指宿洋史とラリベイの2トップであと2点を狙いますが、かえってプレスが効かなくなって名古屋がダメ押しの3点目。ラリベイのPKで1点返しますが、名古屋もロスタイムにシモビッチのPKで2-4。

後半の途中までは一進一退、どちらのゲームとも言えませんでしたから、確かに田口の同点ゴールが分岐点でしたね。ポイントとしては名古屋の3バックとシモビッチ先発だと思います。

●3バックとシモビッチ
リーグ戦で千葉に連敗している名古屋は、この試合で3バックに変えてきました。珍しく練習も非公開でした。非公開は現場の要請ではなかったようですが、千葉対策としての3バックを用意したのでしょう。試合前のアップの時に3バックのラインコントロールの練習をやっていたので、「あ、3枚なんだ」と気付きました。3バックへの変更については、

「押し込んでサッカーをしたい。ハーフコートでやるため」(名古屋、風間八宏監督)

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