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最先端(?)ライプツィヒの“らしい”大敗について【戦術分析:海外】

●ホッフェンハイム圧勝(ライプツィヒ大敗)
ブンデスリーガ第14節の注目カード、ホッフェンハイム対RBライプツィヒは4-0でホッフェンハイムの勝利。DAZNで見たのですが、実況が下田恒幸さん、解説・戸田和幸さん、曺貴裁監督(湘南ベルマーレ)という豪華3トップでありました。

曺監督はライプツィヒのラングニックSDに会ったこともあるそうで、Jリーグの記者会見でも時々「ライプツィヒ」「ラングニック」または「ナーゲルスマン」といった、かなりマニアックな話もしていました。サッカーの指向性が湘南と似ているせいかもしれません。

ライプツィヒについて簡単に説明しておきますと、ちょっと変わったサッカーをするチームです。先進的なのかもしれませんし、単にヘンなのかもしれません。やり方としては大木武監督(FC岐阜)がヴァンフォーレ甲府時代に有名にした「クローズ」に似ています。ボールのある場所に多くの選手が固まってプレーします。

例えば左サイドから攻める時は、ほとんどの選手が左半分のエリアに入ってしまいます。そうすることでボールを失った時にもプレスがしやすい。攻め方も密集突破が基本で、ほとんどサイドチェンジを使いませんし、あまりボールを下げることもやりません。攻守シームレスなサッカーです。

プレー強度の高さが特徴です。そのためにライプツィヒは原則的に若い選手、走れる選手しか取りません。昨季の監督だったラルフ ラングニックSDはラングニック派みたいなのがあって、ユルゲン クロップ、トマス トゥヘルなどがそうみたいです。

一方のホッフェンハイムは、ブンデスリーガ最年少30歳のユリアン ナーゲルスマン監督が率いていることで話題のチーム。ナーゲルスマンはラングニック派というより、ペップ グァルディオラが好きみたいですが、こちらもかなりエッジの効いたチームです。

結果はホッフェンハイムの圧勝。ナーゲルスマン、してやったりの一戦でした。曺監督は「ライプツィヒはこういう結果もありうる」と言っていましたけど、まあそういうことです。ジェフ千葉にも「ありうる」試合と言えるでしょう。というわけで、ライプツィヒ大敗の要因から探ってみましょう。

●あからさまな弱点を突く難しさ
もうこれ、非常に簡単な話です。ライプツィヒはボールのあるエリアに人を集めるので、逆サイドとディフェンスラインの裏はもろに空いています。そこを突かれると、いくら足が速い人を集めているとはいえリカバリーできません。言ってしまえばそれだけです。極端な戦い方でアドバンテージを取ろうとしているので、弱点も非常にはっきりしている。ホッフェンハイムはそこをグサグサと容赦なく突いてきたので、こういう結果になったわけです。

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