ジェフの2017年を振り返る②…ビルドアップ、サイドアタック、そしてハイライン・ハイプレス【2017年総括】
●ビルドアップ(中盤)
前回の続きです。GKからではなく、もう1つ前のDFから中盤にかけてのビルドアップですね。
センターバック(CB)がボールを持った時は、そこから両サイドへロングボールという選択肢がありますが、近くへつなぐ時はサイドバック(SB)へ渡すことが多い。まあ、これはどのチームもそうでしょう。SBとCBでU字型にパスを回しながら縦パスのチャンスを伺います。あとはフォーメーションをズラすビルドアップがあります。
1つはインテリオール落ち。CBが持った時にSBは高い位置へ上がり、入れ替わりにインテリオールが引いてきます。インテリオールのいた位置にはウイングが引きます。これでインテリオールにはだいたいパスがつながりますし、SBへのコースも開きます。
ただ、町田也真人は「これ、あんまり効果的でないような気がします」とボソッと言っていたことがありました。インテリオールが落ちてしまうと、次の攻撃展開に絡みにくくなりますからね。でもまあ、これでうまく回っていたと思います。
もう1つはピボーテ落ち。熊谷アンドリューがCBの間へ下りて一時的に3バックにします。どちらもディフェンスラインで数的優位を作って、パスの起点をフリーにしようという意図です。この辺は完全にパターン化しています。
あとはCBからラリベイへの打ち込み。相手がプレスしてきたら中盤を飛ばしてラリベイへ当てて、競り落としのセカンドボールを拾います。ラリベイ、指宿洋史のトップに高さがあるのでシンプルですが、効果はあります。
●サイドへの攻め込み
中盤から先の攻め込みはサイドがメインです。中央を崩しに行くことは少なくて、特に引かれたら基本サイド。ポゼッションしていても、狙いはサイドなので空いてればロングボールでそこを突きます。ただ、相手のディフェンスラインが引いているとスペースは埋められています。そこでサイドチェンジを多用していました。
片側でつないで崩せなければ、そこを執拗に突くというよりも、下げてすぐサイドチェンジ。下げれば、ラインが少し上がってくるので多少は裏も空いてきますし、相手のスライドが間に合わなければ、そのままえぐれます。サイドチェンジ多用なので、ピボーテの選手はロングパスを正確に蹴れる能力が求められていました。
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