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ボールの奪い方を予定するとは?【戦術分析:海外】#ホッフェンハイム の守備について

●地下核実験ではございません
ちばぎんの2枚目の図に関しまして、「熊谷アンドリューの周辺スペース空きすぎだろ」「熊谷の下で地下核実験かよ(笑)」という巷(ちまた)の声にお応えしますと、ああいう図は全てものの例えです。だいたいフィールドの面積に比して人間がでかすぎでしょ? アンドレ・ザ・ジャイアントパンダだって、あんなにでかくないでしょ(あの、結局これが言いたかっただけです)。

弱点の修正と戦い方に変化を付けられるか【マッチレポート】#ちばぎんカップ 千葉 1●4 柏

それはともかく「あれは、どうしたらいいのかね」という疑問もあるでしょうから、間接的に回答したいと思います。というわけで、やや時間が経過しておりますが、ブンデスリーガ第20節、バイエルンミュンヘン対ホッフェンハイムです。

●誰ならビルドアップの起点にしてもいいのか
結果は5-2でバイエルンが勝っているのですが、ホッフェンハイムは3分、12分と得点して序盤は2-0と完全にペースをつかんでいました。その要因はホッフェンハイムの守備のやり方が良かったからだと思います。取りたいところでボールを取れていた、逆に言えばバイエルンはかなり窮屈な攻撃になっていた、ということです。

バイエルンは「4-3-3」、ホッフェンハイムは「3-5-2」でスタートしています。ただ、こういうキックオフのフォーメーションは現代のサッカーにおいては世を忍ぶ仮の姿と申しますか、状況によっていろいろ変わるのが普通でございます。バイエルンがセンターバック(CB)からビルドアップを開始する時、ホッフェンハイムのフォーメーションは「5-3-2」でセットされます。

ここで重要なのが、守備側は相手の誰をビルドアップの起点にするか、あるいは誰を起点にされたくないか。このマッチアップで普通に守っちゃうと、バイエルンのアンカーであるルディが起点になっちゃいます。それではバイエルンの思うつぼですから、ホッフェンハイムは当然ルディにはパスが入らないようにします。2トップの1人はルディをマークしていました。

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