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サッカーを「数字」で判断する愚は避けるべき【マッチレポート】J2第8節 #ツエーゲン金沢 3●1 #ジェフユナイテッド千葉

明治安田生命J2リーグ第8節
ツエーゲン金沢 3●1 ジェフユナイテッド市原・千葉
https://jefunited.co.jp/top/matches/2018/0408/result/

●惨敗で解任秒読み?
霰(あられ)が降ったり急に日が差したりと安定しない天気でしたが、千葉のプレーぶりも不安定なものでした。

90分間の中には良いプレーをした時間帯もありました。しかし、その時間はそれほど長くなく、後半途中からの崩壊ぶりからして勝てる見込みがほとんどない試合だったといえるでしょう。おりしも日本代表の監督が解任されるのではというニュースが飛び込んできたのですが、千葉にとっても人ごとではない感じになって参りました。

従来のフロントの考え方からすれば、フアンエスナイデル監督解任は秒読み状態に入っていて不思議ではないと思います。秒読みが大げさなら、分読みぐらいにはなるかと。「昇格」をマストと考えるなら、手遅れにならないうちに手を打つ、となりますから。

ただ、昇格のための監督解任はけっこうギャンブルです。というか、昇格するにはまず力を付けなければいけない。昨季の7連勝を過大評価することなく、J2の中位相当であるという冷静な認識があれば、普通は昇格を目標にはしません。いえ、アナウンスするのはいいんですよ。中位相当ならその可能性は十分あるわけですから。しかし、結果は後から付いてくるぐらいの認識は必要になります。

まずは実力を付けること。現時点では、いったん「昇格」という目標を忘れてしまった方がいいです。実際、ただでさえ読めないプレーオフがさらに厳しい条件になりますから、自動昇格以外は全くアテになりません。このままで自動昇格できると思っている人はいないでしょうから、どうやって力を付けるかという話になります。その上で監督を代えるかどうかというよりも、「どうすれば」あるいは「誰」に任せれば進化ができるかを考えなければなりません。

第一は「誰」ではなくて「どう」の方です。フアンエスナイデル監督のやり方が良いと考えてきたのであれば、やり方は変えないはずですから、監督を交代させる必然性はないはずです。現在のやり方でベターな監督がほかにいて、契約できるというなら話は別ですが。逆に「どう」の部分を考え直すというなら、監督解任は必然になります。サッカーを「数字」で判断するという愚は犯してはいけません。自らのビジョンに照らして、内容で判断すべきです。

●左サイドバック溝渕の苦難
左サイドバックに溝渕雄志を起用。ボランチを熊谷アンドリューと茶島雄介の2枚、セカンドトップに船山貴之という昨季7連勝時の“船山システム”に回帰しました。


アウェイですし、昨季好調時の形に戻すという判断は妥当な気がしますが、開幕からこれで良かったような……。ただ、メンバーは同じではありません。佐藤勇人より茶島は攻撃的な選手ですし、ディフェンスラインも人が変わっています。何より溝渕が不慣れな左というのがどう出るか。

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