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「自分たちのサッカー」って何だ?【イベント】「#フットボール批評」presentsサッカーロシアW杯大討論会

「フットボール批評」presentsサッカーロシアW杯大討論会
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/88469

●ワールドカップは「自分たちのサッカー」だらけ
フットボール批評のイベントが水曜日(5月23日)にありました。ゲストは私のほかに岩政大樹さん、河治良幸さん、長束恭行さん。テーマはワールドカップと日本代表でした。

その中で「自分たちのサッカー」って何?という問い掛けをしてみました。それの議論が盛り上がったわけでもなく、尻切れな感じで終わってしまったのですが、あらためてちょっと取り上げてみようと思います。

イベントでは、岩政さんが「(鹿島アントラーズでは)特に自分たちのサッカーなんて意識したことはなかった」と話されていたのが印象的でした。試合展開に応じて「こうしよう」というのはあっても、最初から鹿島はこういうサッカーをする、みたいなのはなかったと。選手の実感としては、たぶんそうなのだと思います。ただ、代表チームというのは、割と確固としたその国のスタイルがあります。たぶん、これもそんなに意識されていないのかもしれませんが、外からみればスペインとスウェーデンは全然違うわけで。

ブラジルW杯後、「自分たちのサッカー」は、うっかり口にしにくい言葉になっている気がします。日本代表選手が散々「自分たちのサッカー」と言った後にグループリーグ敗退ということもあって、自己満足のサッカーという解釈になってしまった。

しかし、W杯に出場するチームの多くは「自分たちのサッカー」です。むしろW杯は自分たちのサッカーの祭典と言ってもいいでしょう。さらに自分たちのサッカーをやっている合理的な理由がよく分からない状態だと思うんです。

●合理性がないスタイル
自分たちのサッカー=スタイルとすると、その国のスタイルは2つの要素から成立しています。1つは勝つための「合理性」。もう1つは、それを国民が求めているという「嗜好(しこう)性」です。以前から私はそう説明してきました。ただ、よく考えるとスタイルにあんまり合理性がないチームもあるんです。

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