整然とした機能美【#ロシアW杯】総本山・スウェーデン代表に見るゾーンディフェンスの効用と限界 #WorldCup #SWE #GER
●ゾーンディフェンスの効用と限界
ドイツ代表が土俵際で踏ん張りましたね。ロスタイムにトニ クロースの一発で逆転成功。スウェーデン代表は理想的な流れに持っていけていたのですけどね。
この試合の見どころはいろいろあると思いますが、今回はスウェーデンのゾーンディフェンスについて取り上げてみます。今大会は強豪国に対して、思いっきり引いて守るチームがいくつかあります。スペイン代表戦でのイラン代表、ブラジル代表戦のコスタリカ代表がそうでした。強豪でもどん引きされると、なかなか点は取れないものです。ただ、やはり90分間ゼロは難しい。カウンターに威力がないと引き分けも困難そうです。
そんな中、スウェーデンは「4-4-2」ゾーンの総本山みたいな存在で、この守備組織の運用については長年やってきた実績があります。ドイツ戦では先制点も取れていましたし、守備は理路整然として「自分たちのサッカー」はやりきった感はありました。ただ、スウェーデンのゾーンディフェンスは効果的である半面、限界も出ていたかなと。今回はそのあたりに注目してみます。
●ワイドへのパスコースカットからのライン参加
「4-4-2」でコンパクトに守るスウェーデン。ディフェンスラインの位置はペナルティエリアのすぐ外、背後は20メートル。その前に中盤の4、そして自陣ゴールから30メートルの位置に2トップです。基本的にここまで相手を引き込んでしまいます。全体に守るのはペナルティエリア幅で、まず中央を固めます。サイドからのハイクロスは、はじき返せる自信がありますからね。
どういう時に、各自がどういうポジションを取るか。それが非常によく整理されています。ある意味、マスゲーム的な規則性ですね。ですから、弱点も規則的に存在するわけですが、そこを突かれるよりも定石通りやるメリットの方がずっと大きいということを彼らは肌で知っているのでしょう。
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