監督交代なのに「継承」しなければいけない事情【#ジェフユナイテッド千葉】2019シーズン総括その4 #jefunited #ジェフ千葉
●監督交代なのに「継承」の意味
今回は監督について振り返ってみます。開幕してわずか4試合でフアン エスナイデル監督を解任しました。2分け2敗となったところで解任に踏み切り、J2第5節からは江尻篤彦監督が指揮を執っています。
エスナイデル監督の解任は早かったですね。こんなに早く解任するぐらいなら、2018年が終わった時点で監督を交代しておけば良かったと思わざるをえません。それまでの流れからすると、解任したのはむしろ遅かったということですね。
当初、江尻新監督にはエスナイデル前監督のスタイルの継承みたいなことが条件になっていました。ただ、その時も書きましたが無理筋なんですよ、こういうのは。日本代表のイビチャ オシム監督から急遽、岡田武史監督に交代した時も「継承」が条件になっていましたけど、違う監督がスタイルを継承するのはけっこう無理があります。ただ、江尻さんはエスナイデル監督のコーチングスタッフでしたから、オシムさんと岡田さんほどの違いはないとは思います。とはいえ、監督にはそれぞれの考え方、個性がありますから普通は同じにはなりません。
継承できるとすれば、クラブとしてプレースタイルが確立されている場合です。バルセロナなんか、誰が監督やってもそんなに変わりません。ただ、これはすっかり出来上がっているチームの場合に限ります。
ジェフ千葉としては、エスナイデルのスタイルを植え付けていきたかったのでしょう。そこに未練があったので2018年で更迭できなかったのでしょうし、次の監督にも継承できるところは引き継いでもらいたかった。江尻監督が良い結果を出してくれれば、「スタイルは継承された。結果も出た」というところに着地できたのでしょうが、そもそも結果が出ないから監督交代だったのですから、むしろ全部捨てて「一切受け継がせません」の方が理にかなっていたわけです。
ただ、それだけが「継承」の意味ではなかったかもしれません。というより、継承しなければいけない事情もあったかと思います。
●守備の文化がない
江尻監督は守備の改善から着手しました。改善というより5バックで取りあえず守った。ここからの5試合で喫したのはわずか2失点でした。エスナイデル前監督の4試合では10失点ですから、かなりの差です。しかし、その後は失点も増えてしまいました。
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