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大宮花伝

【★無料記事】正智深谷が全試合“ウノゼロ”勝利の快挙で初V。武南と好勝負を演じて8年ぶりに切符【全国高校総体サッカー大会埼玉県予選決勝レポート】

◼︎全国高校総体サッカー大会埼玉県予選決勝
6月23日(水)NACK5スタジアム大宮
正智深谷1-0武南

 


初優勝に喜ぶ森下巧(右端)ら正智深谷イレブン

 

元ボールボーイがヒーローに

全国高校総体サッカー大会埼玉県予選決勝が6月23日、NACK5スタジアム大宮で行われ、正智深谷が武南を1−0で退けて初優勝を飾った。

正智深谷は初戦の2回戦から5試合すべてを1−0の“ウノゼロ”勝利でしぶとく勝ち上がり、1点を取ってクリーンシートで勝つという「ドラマが完結して良かった。失点ゼロで埼玉県予選を抜けて立派」と喜んだ。強豪そろう激戦区を制した正智深谷は8年ぶり3度目の高校総体(8月14~22日・福井)に出場する。

正智深谷は好機を確実に仕留めた。

前半23分、武南のスローインをMF初雁龍が奪いにいき、そのこぼれ球をFW山口陽生が約40メートル先のゴールマウスへ蹴り込んだ。相手GKの頭上をきれいに越えるロングシュートに殊勲の山口は「ベンチから『打て、打て』と言われた。バックスピンを狙う形で打ちました。イメージ通り」と晴々とした笑顔。

エースの期待を背負う山口は今大会、ここまで無得点と役割を果たせずにいた。小島監督に「お前のステージができたんじゃないか」と送り出され、見事にヒーロに踊り出て「本当に入ったのかなってゴールを二度見しちゃいました」と初々しい。エースの大一番の活躍に沸くベンチへ走り、仲間と喜びを分かち合った。

 


決勝点を挙げた正智深谷の山口陽生(11)

 

正智深谷の渡辺友斗(9)がクロスを挙げる

 

代表ハットのオナイウに刺激

後半は守備陣が見せ場を作る。パスワークが巧みな武南はサイドチェンジを織り交ぜながら攻め込んできた。右、左、中と襲いかかるようにゴールを目指してくる相手に集中を切らさず目をこらす。キャプテンマークを着けたDF森下巧は「人と人の感覚を短くして対応した」とコンパクトで強固な守備網を築いた。

怒涛の反撃にさらされた終盤は強みの「チャレンジアンドカバー」(森下)をより徹底。GK小櫃政儀を中心に体を張って守った。一方、ゴールを渇望する武南はエースナンバーの14を着けるMF水野将人らが果敢にアタック。魂のこもった両校の攻防は見ている側の胸を熱くさせ、火花を散らし合い続けてタイムアップを迎えた。

正智深谷は前回の高校総体出場時、日本代表でブレイク中のオナイウ阿道(J1横浜M)を擁して4強入りした。そのオナイウは6月15日のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のキルギス代表戦で日本代表初ゴールを含むハットトリックを達成。代表初スタメンで日本を5−1の勝利に導いた。

「阿道がハットトリックして高校総体予選に入ると。つながりがあるのかな」と小島監督。輝かしい初優勝に、日本代表のエース候補へ名乗り出た教え子からの好影響もあったようだ。森下が「刺激的な存在」と言えば、オナイウと同じストライカーの山口は先輩のハットトリックが「とても刺激になった。憧れです」と口をそろえた。

そして、狙うのは高校総体での“先輩越え”。既に初優勝で越えてはいるものの、山口は「ベスト4を越えたい」と意気込む。1、2年時のボールボーイからエースへと“下克上”した山口は「年代ナンバー1ストライカーになりたい」と、さらなる高みに照準を合わす。「1−0というのは得点力がない。全国ではもっと取りたい」と目を輝かせた。

 


果敢にゴールを狙う武南の水野将人(14)

 


シュートに持ち込む武南の別所龍馬(中央)

 

怒涛の反撃 名門の底力

武南も負けはしたが優勝に匹敵する戦いぶりだった。内野慎一郎監督は「完全な負けゲーム」と受け入れるが見どころは多く、今後の飛躍に期待が高まる。今大会は準決勝の浦和東戦以降、4バックから3バックにして挑戦の姿勢を見せた。柔軟で流動的な戦術の選択は、さらに埼玉高校サッカー界を面白くしてくれそうだ。

水野は「チームの代表として出させてもらっている。全員の気持ちを背負って、どの試合でも勝ちたい」と気持ちを新たに。「チームとして今日は課題が出たと思う。それを克服したい」と成熟と誓う。全国高校選手権県予選まで、しっかりと研鑽を積み「埼玉をとって、全国に出たい」と目標を立てた。

Photo & Text by 松澤明美

 


初優勝した正智深谷

 

準優勝の武南

 

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