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無料記事:【コラム】フットサルの定義とは?

Fリーグ等ではもうあまりないかもしれないですが、地域リーグや都道府県リーグで時々聞く言葉があります。

「サッカー系」

あまりパスをつながないでドリブルだったり、強引なシュートだったり、個人のスキルを前面に出してくるプレースタイルという意味で使われますでしょうか。

同意義の言葉として

「フットサルをしてこない」

という言葉を聞く事もあります。こちらは同じくパスをつながないというのは共通で、キックインからからの落としをシュートするいわゆる”チョンドン”が多く、GKからでもとにかくロングボールを一気にゴール前へ入れて、こぼれ球を狙う、オウンゴールを期待するというスタイルの時に使っている事が多いと思います。

両方の言葉はどちらかというとネガティブな意味で使われる事が多い言葉だと感じています。でも上記のプレーはフットサルのルールでは認められているプレーで、決して反則ではありません。ではなぜ「サッカー系」「フットサルをしてこない」という言葉にネガティブな意味合いとなっているのでしょうか。この事について知人数人と話をしたのですが、おそらくこういった言葉を使う人は、フットサルで前述したプレーをあまり認めたくないのだろう、そしてフットサルはしっかりとパスをつないで相手を崩す、サッカーとは違うスポーツだという”フットサルの意義や誇り”を示す言葉なのでは?という意見がありました。そして

「自分の考える理想のフットサルのスタイルとは違い、サッカーからフットサルに転向してきて間もないチーム、選手を揶揄する言葉ではないか?」

という結論になりました。

 

さて一方でサッカーから転向したチームや選手側からよく聞く言葉として以下のものがあります。

「戦術に縛られると、個人の良い所を消してしまう」
「自分達はこの方法で強くなりたい」

これも知人と話した中では、もっと感覚を大切にしたい、既定のフットサルに染まりたくない、小賢しい戦術ばかりやるチームに負けたくないという意味があるのでは?という意見が。

凄く極論で乱暴な言葉で言うと「俺たちフットサル知っている」vs「高いプレー強度さえあれば勝てる」という構図に見えなくもない・・・。結局のところ、フットサルの定義は人それぞれで、その人が好きなフットサルのスタイル=フットサルの定義とそれぞれが考えている気がしてきて、あまり意味の無い議論になりそうな気がしてきました。

ただ思うのですが、いろんな戦術ができるようになって、時と場合によって使い分ければ良いのに!いろんな事ができるのであれば、いろんな対応ができます。相手をちゃんと見て、的確な方法を選択して攻撃、守備する方が勝利の確率が上がる事ができるのでは?自分達に合っているかどうかという事はもちろん必要ですが、どんなやり方にも完璧はなく、利点と欠点があると思います。だからこそ、いろんなやり方を試してみるのも必要だと思いますし、少なくともその利点と欠点は知っておいて損はないと思います。時間的な都合で新しい戦術も落とし込めないという物理的な理由もあるかもしれませんが、練習だけでなくて、ミーティングや動画の共有等で補っていく事もできますし、そういう意味で監督やコーチの役割はとても重要なのではと感じます。

 

なんでこんな話を持ち出したかと言いますと、ある都道府県の選抜チームの監督さんと少しお話する機会がありました。選抜チームは活動回数に制限があるので、どうしても普段の各チームの取り組みが必要となると。例えばセオリーとして考えられる事ができない事も多くて、大きなジレンマであると。例えば前プレしかやった事がないから、どんな場面でもやみくもにプレスをかけてしまうので、数的不利の守備ができないとか、逆もしかりで普段チームでやった事がないから、前プレに抵抗感があるとか・・・。守備に関してだけでなく、攻撃でもいろいろあったようで、チームの色が出てしまって大変だったとか・・・。どうやら選手が中心になって戦術を決めていたり、練習に監督がなかなか来られないというチームではこういった傾向があるようです。

これ代表でも同じ事が言えるかと思います。限られた代表の活動は教える場所である訳ではなく、戦術コンセプトの徹底やプレーモデルの落とし込みがが主な活動になるはずです。この戦術やった事ある、知っているというのは大きなアドバンテージになると思います。そういう意味でも普段のチーム活動や指導者の役割はとても大切であり、良い指導者が増えれば代表の強化にもつながるはずです。まもなくAFC女子フットサル選手権のメンバーが発表される事と思います。木暮監督体制で臨む初めての大会、どんなメンバーが選ばれて、どんな戦術をやって、どんな代表になっていくのかとても楽しみです!

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