【サッカー人気1位】ゲーム形式のトレーニングで見えたリカル…

フットボールフィリピン

インタビュー|自分にしか見れない景色を見てきた男のストーリー【後編】記事転載

元記事:https://equalizer11.com/2018/08/13/philippine-football/

掲載日:2018年8月13日

photo via jpv marikina fc

フィリピンリーグのJPVマリキナFCで、ゲームキャプテンを務める下野淳は、6シーズンに渡ってプレーしたSリーグの舞台で大きな飛躍を遂げる。学生選手の時は契約選手に、契約選手になってからはJリーグから来た選手に、そしてローカルチームに移籍した後は他の強豪チームに移籍した選手に負けていられない。強い気持ちで挑む、つまりは覚悟することでプロサッカー選手としての礎を築いたのだ。

 その後、ミャンマーとモルディブで直面した諸々の問題に、その覚悟で乗り切った日本人ボランチが辿り着いた、新たな舞台フィリピンでの戦いの様子まで、まさに七顛八起と言えるアジアならではのストーリーを惜しみなく語ってくれた。(フットボールライター・池田宣雄【マニラ】)

下野淳

1988年生まれ。神奈川県大和市出身。帝京大学を中退してJAPANサッカーカレッジに進学。2009年からシンガポールに渡り、アルビレックス新潟シンガポール、ウッドランド・ウェリントン、ホウガン・ユナイテッドなど、Sリーグの舞台を主戦場とした。ネピドーFC(ミャンマー)、ヴィクトリーSC(モルディブ)を経て、2017年からフィリピンのJPVマリキナFCでプレーしている。30歳となる今シーズンはゲームキャプテンを務める。マニラ在住。

photo via jpv marikina fc

◆突然のクラブ消滅でミャンマーへ

2015年シーズンは、もう既にSリーグの外国人枠がほとんど埋まってしまったので、代理人の方にお願いして次の場所を探しました。ミャンマーのネピドーFCのお話しがあったのでヤンゴンに向かい、他の可能性もないので移籍しましたが、日本とシンガポールで暮らしてきた僕にとって、ミャンマーの酷い生活環境は耐え難いレベルでした。もう本当に震えましたよ。

ヤンゴンにあるチームの寮で共同生活をして、試合の度にバスに6時間ゆられてネピドーに向かいました。WiFiの普及が遅れていて、あったとしても異常に遅い。衛生管理も酷くてハエの飛び交う食堂で食べていました。その上で給料の未払いまで始まったので、ハーフシーズンが終わったところで一旦日本に帰国しました。

帰国したのは、母親の闘病生活が始まっていたからです。それと、僕自身もミャンマーでの生活で原因不明の腰痛に苦しんでいたので、しっかり検査を受けたかったのもありました。母親の病気は結局治りませんでしたが、僕の腰の状態は元に戻りました。ミャンマーでの強烈なストレスが原因だったとしか考えられません。

その後、シンガポールのホウガン・ユナイテッドでプレーできる可能性が出てきたので、シンガポールに向かいました。ウッドランドの時の監督がホウガンにいたんです。色々あったけど最終的に外国人枠が空いて、シンガポールに復帰することができました。残りのハーフシーズンだけの契約でしたけど。

結局2015年は、ミャンマーとシンガポールでプレーしました。ミャンマーで経験したストレス、プロになって初めての給料未払い、また母親の心配ごとなどもあって、バタバタと落ち着かない1年でした。一時はサッカーを辞めることを真剣に考えたこともありましたし。

◆モルディブでの受難、8割超の給料未払い発生

全日程が終わってから、また一旦日本でリフレッシュして、サッカーを続けることにしました。少し視野を広げる意味で、2016年のプレシーズンは、シンガポールではなくタイのバンコクに滞在して、次のチームを探しました。バンコクで身体を動かしながら、周辺国の情報を収集していたのですが、なかなかチームが見つかりません。

タイの滞在ビザが切れるタイミングで、フランス人の選手仲間から、モルディブのヴィクトリーSCというチームのお話しがきました。トライアルなしの契約ということだったので、すぐにモルディブのマレに向かいました。かなりヤバい状況に追い込まれていましたが、サッカーが続けられるのであれば、の一心で喜んで行きました。

モルディブは海も空もきれいなところで、最初はストレスを感じることはなかったのですが、いざ生活を始めてみると次々と問題が発生しました。WiFi環境はミャンマーにも増して劣悪で、まともに連絡を取ることすらできず、またサッカーのレベルも、これまでプレーしてきた中で最低のレベルでした。

その上で、加入直後からいきなり給料の未払いが始まって、現地通貨で支払われる生活費しか貰えなかったんです。手持ちの現金も底をつくような状況に陥りましたが、チームメイトのフランス人選手と話し合って、自分たちからチームを去るような真似をすると、未払い分の請求ができなくなるから、プレーを続けようということになりました。

それでも、9月に一方的な契約解除を喰らったので、モルディブから離れました。未払いの総額が契約書の金額の8割超になっていたので、弁護士の方を介してFIFAに仲裁をお願いしました。そろそろ結審するらしいので少しは回収できると思います。

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