フットボールフィリピン

編集長コラム|未払い・契約不履行、旧フィリピンフットボールリーグからの負の遺産

この累積の未払いについては、今シーズンの開幕までに精算することをジャーヴィス氏は表明していますが、もしこれが履行されない場合はお話がFIFAまで及ぶでしょうし、下手すると今シーズンのリーグ戦への参加が拒まれることになるかもしれません。

(深読みすると、この未払い問題を抱えているユナイテッド・マカティが、リーグから除外された場合を見越しての奇数チームでの発表だった可能性がありますね。もしそうなれば6チームになりますね。いや、昨シーズンと変わらないじゃないですか。また5回戦総当りとかやるつもりですか。勘弁してください(涙目)。)

その次は、昨シーズン限りで消滅したJPVマリキナです。旧ユナイテッドフットボールリーグ時代から参加している日本人オーナー永見協氏のチームで、以前はマニラ・オール・ジャパンとかJPヴォルテスとして活動していました。

詳細は書けませんが、昨シーズンの開幕以前に活動資金が捻出できなくなる事態に陥り、ほぼすべての選手とスタッフへの未払いが昨シーズンを通じて発生しています。オーナー個人の手持ち資金だけで活動していたチームなので、上が転ぶとすべてひっくり返る典型的な例と言えるでしょう。

リーグでも1・2を争うほどの低予算チームでしたので、未払いの総額は旧グローバルの規模には及ばないと思いますが、日本人選手、日系人選手、そして多くのローカル選手たちとスタッフの懐を直撃した未払い騒動は、チーム自体が消滅してしまったため、補償がなされるか否かは誰もわからない状況を迎えているそうです。

photo by apfaurillo2018

先ほども書きましたが、未払いや契約の不履行は世界中で起こっていることですので、フィリピンだけがダメなんじゃないです。でも、この手の問題は起こしてはならないことに間違いはないので、諸々の事情を抱えているとは思いますが、フィリピンのフットボール業界の未来のために、1日も早く解決してもらいたいですね。

最後になりましたが、フットボールフィリピンはサブタイトルを変更しました。〜日本からいちばん近い仮想ヨーロッパ〜に変えましたが、いかがでしょうか?刺さりましたか?いや、わけがわからない?

(C) football philippines

これはヨーロッパ出身の指導者とフィリピンハーフの選手たちを主軸とする現在のフィリピン代表“アスカルス”のことを表現しています。

仮想ヨーロッパという括りで想像すると、中央アジア勢とか、オーストラリアやニュージーランドあたりが頭に浮かんでくると思いますが、フィリピン代表も結構なヨーロピアンテイストを醸しだしていますのでね。

因みに、フィリピン代表はアジアカップのグループリーグで、韓国、中国、キルギスに3連敗を喫して敗退しましたけど、試合中のデュエルの勝率では3連勝でした。

ですので、日本代表がヨーロッパ勢とのガチンコ試合を行なう前に、例のフレンドリーマッチに仮想ヨーロッパとしてフィリピン代表を招待する価値が充分にあると思っています(笑)。

ではまた次回に。

フットボールフィリピン編集長 池田宣雄

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