見えてきた?今年のJ2勢力地図(J論)

フットボールフィリピン

編集長コラム|新リーグを中断して旧リーグを復活させたフィリピンサッカー連盟は是か非か

ひとつの国のトップカテゴリーとなるプロフェッショナルリーグを、外国のリーグ運営事業者に丸投げしたり、リーグの名称を秩序なく変更したり、参加するクラブチーム数が毎シーズン違っていたり、下部に相当するアマチュアリーグすら存在しなかったり、現在のフィリピン国内のサッカー環境は、東南アジア諸国の中でもワーストレベルにあることを認めなければなりません。

今シーズンに至っては、外国から招聘したばかりのリーグ運営事業者(フィリピンプレミアリーグ)を開幕直後に見限って、昨シーズンでやめたはずのフィリピンフットボールリーグの名称をひっぱり出し、またイチからリーグ自体をやり直すというゴラッソ(苦笑)を決めたフィリピンサッカー連盟ですが、東南アジアのライバル国から失笑を買う状況を迎えています。

フィリピンサッカー連盟が、リーグの運営事業者を見限った理由はいくつかあるのですが、表向きにはリーグ側が参加するクラブチームの確保(数合わせ)のために、クラブライセンスを持たないチームを連盟側の承認を得ずに参加させ、開幕カードを強行したことに起因していることになっています。ですが実際の決め手は、フィリピン国内王者のセレス・ネグロスが、水面下でリーグからの脱退を連盟側に突きつけたことだと、マニラ界隈では噂されています。

セレス・ネグロスは新興勢力のひとつですが、マニラ首都圏ではないネグロス島の大きなバス会社によって運営されているクラブチームで、ここ数年はフィリピンを代表する強豪クラブとして、国内のみならずアジアの舞台でも結果を出し続けています。あくまでもポイント上でのお話ですが、今年のACLグループリーグで鹿島アントラーズを破った、マレーシアの強豪ジョホール・ダルル・タクジムと、AFCクラブランキングで東南アジア勢のトップを争うまでになっています。

日本の皆さんには、このジョホール・ダルル・タクジムよりも、タイのブリーラム・ユナイテッドやムアントン・ユナイテッド、またベトナムのハノイFCなどの方が知名度があると思いますが、現時点でのAFCクラブランキングでは、マレーシアとフィリピンの国内王者が、タイやベトナムの強豪クラブを上回っている状況を迎えていることを知っていただきたい。

当然のことながら、フィリピンサッカー連盟としても、多額の負債を抱えたグローバル・セブ(現マカティ)の衰退と、湘南ベルマーレと提携したダヴァオ・アギラス・ベルマーレの活動休止という危機的な状況の中で、セレス・ネグロスにまで外方を向かれると国内のリーグ戦が壊滅してしまい、場合によってはアジアサッカー連盟からの資格停止処分の対象となる可能性も出てきたことで、ようやく(21世紀の今になって)自国のトップカテゴリーの運営に重い腰を上げるに至った訳です。

結局、フィリピンサッカー連盟が、史上はじめて直接的に運営することになった新しいリーグは、東南アジア諸国では最も遅い5月25日に開幕を迎えました。インドネシアのリーグがその直前に開幕しましたが、彼らは1月まで昨シーズンを行なっていたためであって、今シーズンのフィリピンの開幕時期の遅れは異例中の異例となりました。そして、この開幕の遅れを取り戻すために、今シーズンはどうやら毎週末だけではなく、週の半ばにも試合が組まれているようです。

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