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フィリピンフットボールリーグ|リーグがカタール航空と冠スポンサー契約締結の動き

photo via fox sports asia

フォックススポーツアジアは18日、フィリピンフットボールリーグが「カタール航空」とのスポンサー契約締結に向けて最終段階に入っていると伝えた。リーグとカタール航空との契約期間は今後3年間と見られ、早ければ10月下旬に開幕する国内リーグカップ戦のコパパウリーノアルカンタラ2019から開始となる見込み。

2016年シーズン終了後に旧ユナイテッドフットボールリーグを発展的に解消し、2017年シーズンから現行のフィリピンフットボールリーグに名称変更した国内トップカテゴリーは、これまでリーグ運営を支える外部スポンサーを持たず、性急なプロリーグ化に伴なうチーム活動費の高騰などと相まって、参戦していたチームによるリーグからの脱退や活動休止が相次ぎ、参戦チームの減少が続いていた。

2019年シーズンに至っては、新たなリーグコミッショナーを外部から招き、フィリピンプレミアリーグとして一度は発足するものの、招聘したはずの新コミッショナーとフィリピンサッカー連盟(マリアーノ・アラネタ会長)との折り合いが悪化し、リーグ2連覇のセレス・ネグロスも脱退の姿勢を見せたことで、結果的にフィリピンフットボールリーグの名称で再出発した経緯がある。

フィリピンサッカー連盟のマリアーノ・アラネタ会長の談話によると、今回のカタール航空とのスポンサー契約による収益は、リーグ戦とリーグカップ戦だけではなく、国内のジュニアカテゴリーのトーナメント戦の開催にも充てられることを強調しているようだ。

フィリピン国内(特にマニラ界隈)ではあまり人気のないアラネタ会長は、11月28日に行なわれる会長選挙への立候補を既に表明しており、このタイミングでカタール航空というサッカー界で名を馳せる大企業とのスポンサー契約を、連盟の公式発表を前に会長自ら口外したことについて、マニラ界隈ではアラネタ会長による地域連盟からの得票集めのためだと囁かれている。

カタール航空からの援助が、フィリピン国内のサッカー界を潤すことには何ら問題はなく、むしろ歓迎すべきことではある。しかしこれが会長選挙の得票集めに使われているとなると、やはりアラネタ会長に納得していない関係者が多いという事実にも頷ける。

記事によると、国内32州のうち25州の連盟がアラネタ会長の支持にまわることが明らかになったとのこと。会長支持にまわった25の州連盟にとっては、これまでまともなジュニアトーナメント大会が開催されてこなかったことへの不満より、おそらく始まるであろう大会の資金を得たことの方が重要のようだ。

フィリピンのフル代表から男女各年代の代表チームの運営も、国内トップカテゴリーから普及・育成に至るまで、そのほとんどを他力に丸投げしてきたアラネタ会長が、今回のカタール航空とのスポンサー契約を機に、連盟の会長に居座ることに成功しそうな状況を迎えていることを、宜しく思っていないマニラ界隈のサッカー関係者が少なからずいるのは、紛れもない事実である。

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