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東南アジアライター通信|第5節「各国リーグの新型コロナの影響とリーグ再開状況」カンボジア編

2021年を迎えて楽観はできないが、決して悲観的でもないカンボジアサッカー。

世界的な流行の只中で大きな混乱なくシーズンを終えた

カンボジアの2020年シーズンは2020年2月にはじまり11月に終わりを迎えた。トップリーグであるメットフォンカンボジアリーグ(MCL)には13チームが参戦しチャンティアやナロンなど若手が台頭したボンケットFCが優勝、カンボジア人のみ参加可能なフンセンカップ(HSC)は新興クラブのヴィサカFCが優勝を果たした。新型コロナウイルスの世界的な流行で、AFCとAFF規格の国際試合のほとんどがキャンセルとなる異常事態の中で、カンボジアは一時全試合の無期限中断を余儀なくされたが日程の変更を経てシーズンを終え、2021年シーズンも開幕目前という状況である。なぜ世界中が大騒ぎの中で大きな混乱なくシーズンを終えることができたのか、まずカンボジアにおける新型コロナウイルスの概況から説明したい。

アンコールタイガーFCサポーター、2020年シーズンは通常通り開幕

新型コロナウイルスの封じ込めに成功しているカンボジア

日本の多くの方が抱いていると思われるカンボジアへのイメージではなかなか信じがたいことかもしれないが、カンボジアは現時点で新型コロナウイルスの封じ込めに成功している国の一つである。2021年1月24日時点の累計感染者数はわずかに458人であり、そのうち405人がすでに治癒し、死亡者数に至ってはいまだに0人を維持している。

カンボジア国内で新型コロナウイルスの陽性者が初めて確認されたのは2020年1月27日。感染者は中国人旅行者であった。カンボジア人への二次感染が確認されなかったため特に警戒されることはなかった。市民に強く警戒されるきっかけとなったのは、2月14日に本来の寄港地から入港を拒否され大海原を彷徨っていた豪華客船ウエステルダム号を受け入れた時である。ちょうどその頃日本でもダイヤモンドプリンセス号での集団感染問題が大きく報道されていたと思うが、日本は寄港後に一定期間の隔離を船内で行ったのに対して、カンボジアは乗客乗員全員の検査を行った後、速やかに国外へ出国させると言う全く相反する対応をとった。結果として、ウエステルダム号を原因とする国内の感染は発見されなかったが、カンボジアでも新型コロナウイルスへの関心が一気に高まった。

そして、3月に入ると外国人駐在員を感染源とするものや、イスラム教徒が巡礼から帰国後に発症するなど、いわゆる国外からの持ち込み感染が連続して確認されるようになり本格的なコロナ禍の様相を呈してきた。

感染原因不明の市中感染が初めて確認されたのは、2021年が迫った11月28日で、海外渡航歴の無い女性がPCR検査の結果新型コロナウイルス陽性と診断された。女性が検査直前にショッピングモールを訪れていたため、ショッピングモールは即日全館閉鎖され、接触した可能性のある職員には自宅隔離と合計四回の集団PCR検査受診が義務付けられた。カンボジア政府はこの女性に端を発する感染を11月28日事案を命名し、集中的に対応にあたった。その後一定期間を経て感染者が確認できなくなったことで収束宣言を出したが、その間合計で41人の感染を確認した。以降は現在に至るまで、再び小康状態となっている。

感染状況に反して厳しい対応をとるカンボジア政府

このように封じ込めを成功させるにあたってカンボジア政府は一貫して厳しい対応を貫いてきた。3月に海外での巡礼から帰国したイスラム教徒の中で数名の感染者が確認されると、教育省は市中感染が確認されていないにもかかわらず、全国の教育機関の無期限一斉閉鎖を通達し、博物館や映画館などの公共施設も閉鎖させた。カンボジアには4月にクメール正月と言われる大型連休があるが、感染対策が不十分な中での帰省などを避けるために正月連休を丸ごと別の時期に移すことも決定した。同時にWHOと連携し保健省が感染対策のガイドラインを策定、市町村に対して指導を行い、飲食店や商店の感染対策を徹底させた。同時に、啓発ポスターを街頭広告から町の掲示板に至るまで貼りめぐらせた。都市部では隔離センターを急ごしらえで建設させ、地方部では、教育施設が隔離センターとして準備された。加えて、市民にはマスクを着用するよう求め、低所得家庭へは不織布マスクやアルコール消毒薬など感染対策品を配布して歩いた。‘

3月になると注意を喚起する啓蒙ポスターが目立ち始める

啓蒙活動でマスクの着用を求める担当者とそれに応じる市民

無期限の中断。前例がない中で最善を模索したCNCC

2020年シーズンの開始は2月15日だった。先述した通り、2月14日にウエステルダム号を受け入れたが、この時点ではリーグ開催に新型コロナウイルスの影響は皆無であり、観客動員とメディア対応に制限はなかった。

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