[無料記事]【山下コラム】東のFリーグチームよ、プレーオフに残ってくれ!
「東の覇権を取り戻せ!」
報告◆デジタルピヴォ! 山下
上位3位までを「西」のチームが占める現状
Fリーグは2巡目に入り早くも5試合を消化(数字はいずれも9月23日現在)し、上と下がほぼ見えてきた。ご存知のとおり今季はプレーオフが始めて導入され、レギュラーシーズンの上位3位までが出場権を得、その3チームが変則トーナメントでチャンピオンを決定する。ところが早くも「東」の人間である記者には、果たして関東のチームはプレーオフに残れるのかはなはだ心配になってきた。そこで終盤の“取り返しがつかない事態”を迎える前にプレーオフに関して「東」のチームの危機意識を喚起する意味でこの檄文を提示する次第です。
フットサルのメッカは関東圏=東だ。この見立てに異論はないだろう。
にもかかわらずフットサルの勢力図は「西高東低」だ。
ここで過去の1位から3位までを見てみよう。
2007年
名古屋オーシャンズ
バルドラール浦安
デウソン神戸
2008年
名古屋オーシャンズ
バルドラール浦安
デウソン神戸
2009年
名古屋オーシャンズ
ペスカドーラ町田
シュライカー大阪
2010年
名古屋オーシャンズ
デウソン神戸
バサジィ大分
2011年
名古屋オーシャンズ
シュライカー大阪
デウソン神戸
3位以上の占有率でいうと、名古屋100%、神戸80%、浦安と大阪が40%、町田と大分が20%。浦安と町田の躍進が今や懐かしいが、この2チームを除くと西の4チームが3位以上を“指定席”としている。まさに「西高東低」を絵に描いたような状況だが、その背景には、名古屋、大分、大阪といった親会社から潤沢な活動資金を獲得しているチームが西に集中している現実がある。
プレーオフ進出の可能性は浦安までの5チーム!
今季の戦況はどうか。
名古屋(勝ち点38)が15節終了時点で早くも2位に勝ち点8差をつけて首位に立っている。2番手は大阪(同30)だが、名古屋追撃の最右翼との期待感が大きいためか、オーシャンアリーナカップの不調もあって、2位につけているのにイマイチ迫力に欠ける印象を拭えない。3番手は神戸(同27)。名古屋、大阪、大分のように親会社の資金援助を受けていないチームとしては過去の実績を含めて驚異的な活躍といっていい。新人監督で開幕2連敗し不安の船出となったが控え目な監督の立ち位置と選手たちの主体性とが相まって結果を出している。4位は府中アスレティックFC(同26)。伊藤監督2季目は新加入のブラジル人2人の活躍が日本人選手のハートに火をつけ、上澤不在がうそのように健闘している。5位が浦安(同21)。代表選手5人を擁する純日本人チームは15節まで4連勝とようやく波に乗り、上位進出を虎視たんたんと狙っている。16節の名古屋戦に勝てばその実力は本物だろう。6位は大分(同19)だが、親会社のバックアップを得た資金充実度で「3強」の一角を形成してきたが、今季は元気がない。7位の“サッカー小僧”集団、北海道(適切な表現が見つかりません、すみません!/同18)。リーグの“壊し屋”としてデジタルピヴォ!は大きな期待を寄せてきたが、そのスピードに慣れ欠点も見えてきて勝ち切れないゲームが増えてきた。以下、湘南ベルマーレ(同10)、町田(同10)、アグレミーナ浜松(同1)と続く。
以上を踏まえ、ズバリ! プレーオフ進出の目があるのは浦安までだろう。
フットサルファン150万人の期待を裏切るな!!
府中の伊藤監督が「名古屋と大阪の進出は固い、肝心なのは3位にどこが食い込むか」と開幕直後にプレーオフを予想していたが、まさにそのとおりの状況になってきた。
そのなかで関東のチーム、府中と浦安のいずれかがプレーオフに進出しないと、Fリーグの火が消えるといっても過言ではないだろう。西の3チームで優勝を争われる事態になった途端に東のフットサルファンの気持ちはドン冷えする。
全国のフットサル競技人口は「370万人」(『レジャー白書2011』)といわれる。このおそよ3割に相当する150万人が関東圏に集中しているという現状を考えると、府中と浦安はその人達の期待を裏切ってはならないという大きな責任を担っていることになる。
入替戦がない現状でFリーグは責任感の希薄なリーグといわれている。
しかし、プレーオフ導入と同時に、西との戦いに勝ち抜く責任感が東に求められている。
東の覇権を取り戻せ!!!
既報のとおり、府中のゴレイロ村山選手は上記の危機感を投げかけた記者に対してこう回答している。
『僕自身、昔からやってる身とすれば東のほうが順位が低いっていう勢力図は正直、がっかりです。昔は覇権が東にあったので、どうしてもそれをこっちに引き戻したいというのは思ってます。次の神戸戦は2巡目の1つの山場なんで、さっきの話じゃないですけど、勝って東の意地を見せたいです』
求められているのは東の気概である。