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【無料記事】ワールドカップ開幕直前連載04・列強国のプロフィール『ポルトガル』(2012/9/30)

2012年欧州選手権の準々決勝でイタリア相手に敗退をしたポルトガル代表。2010年の欧州選手権決勝に進出し、初のタイトル獲得が期待されたが、早々と姿を消した。ワールドカップでの挽回が期待される。

ポルトガル代表のエース、名古屋オーシャンズ所属のリカルジーニョ。世界で観衆を最も沸かせることができる稀有な選手だ。

ポルトガル代表のピヴォ、カルディナル(右)。リカルジーニョのパスを彼が何点ゴールをに結びつけることができるか。ポルトガルの鍵をこのピヴォが握っている。ジョエル(左)は長身アラ-ピヴォで足元のテクニックが高い。ジョエルはスペインリーグのエルポソに所属していた経験を持ち、現在は母国のベンフィカでプレーをする。

 

レポート◆座間健司

 

 2008年のポルトガル

4年前、ポルトガルは1次リーグで敗退し、2次リーグに進むことができなかった。かつては1次リーグ4グループのうち上位2チームが2次リーグに自動的に進出。ポルトガルは同じグループのイタリア、パラグアイと同勝ち点ながら得失点差で3位となり、1次リーグで敗退している。

4年前のチームは母国の名門クラブ、ベンフィカのメンバーが主体となっていた。現在名古屋に所属するリカルジーニョ、ペドロ コスタに小柄なアタッカー、アルナルド、そしてレフティーのフィクソ、ゴンサロ。先発としてピッチに立つフィールドプレーヤーの彼ら4人は全員がベンフィカに所属していた。全員が所属チームが同じこともあり、意思疎通は抜群。4人が連動して動き、細かいパスワークから攻撃を組み立ていく。ボールはよく動き、ピッチにいる4人誰ひとりとして傍観者はおらず、全員がボールに絡んでいた。そのパスワークの完成度は高く、華麗だった。単純に見ていておもしろかった。

しかし、誰がシュートを決めるのか。

フットサルはスコアボードの数字を競うスポーツであり、パスの本数や観衆のときめきが多かったチームが勝つゲームではない。攻撃は仕掛けるが、誰がゴールを決めるのか。ポルトガルが抱えていた問題はポルトガルのリーグを制圧していたベンフィカが欧州の舞台で直面する問題でもあった。

ポルトガルの背番号2をつけていたリカルジーニョもシュートの場面で顔を出すが彼はチャンスメーカーであり、得点を量産するストライカーではない。魅力的なパスワークでボールは前に運ぶが決める人がいない。監督も脚本もキャストの演技もばっちりだけど、エンディングがすっきりしない。そんなもったいない映画のようなチームだった。

2012年のポルトガル

2012年のポルトガルはワールドカップの優勝候補だ。ブックメーカーの「ベットウィン」はイベリア半島の小国に対して、17.00とブラジル、スペイン、ロシア、イタリアに次ぐ数字をつけている。倍率は別にしてポルトガルが5番目に優勝の確率が高いチームというのは間違っていない。

2008年のワールドカップは1次リーグ敗退で終わったポルトガルだが、2010年のUEFA欧州選手権では同国史上初めて決勝戦に進出。リカルジーニョは負傷欠場したが、ポルトガルは確実に国際舞台で経験値を高めている。またクラブレベルでも2010年には欧州ナンバー1クラブを決めるUEFAフットサルカップでポルトガルのベンフィカが優勝。翌シーズンはベンフィカのライバルチームであるスポルティング リスボンが決勝進出を果たしている。代表、クラブ共に近年はすばらしい戦績を挙げているのだ。

2010年欧州選手権後、代表チームは大きく変わった。今までチームを率いていたオルランドが2011-2012シーズンからスポルティング リスボンの監督に就任。代表チームは今まで第2監督だったホルヘ ブラスが受け継いでいる。

現在のポルトガルにはゴールを決める選手がいる。ピヴォのカルディナルだ。4年前にもメンバーにいたが、彼が台頭したのは2010年の欧州選手権からだ。彼が前線で灯台になることにより、以前ほどパスワークは魅力的ではなくなったが、そのベクトルがより縦になり、リズムも速く、そして攻撃がしっかりシュートで終わることが多くなった。チームの柱はリカルジーニョとカルディナルの2人だ。このパスの出し手と受け手の関係がこのチームの生命線だ。彼ら2人を軸に周りの選手がいかに攻撃に絡むか。2012年の欧州選手権では前評判が高かったにも関わらず、準々決勝でイタリアに敗れ、早々と姿を消した。ポルトガルの敗因のひとつにリカルジーニョとカルディナルの周りでかき回す選手が少なかったことが挙げられる。今年の欧州選手権でそんなプレーを実行していたのが小柄なベテランアタッカー、キャプテンのアルナルドとベンフィカのレフティー、マリーニョだけだった。彼ら2人がピッチにいるとチームは円滑に動き、攻撃にも厚みと迫力が生まれる。しかし、彼らがいないとリカルジーニョとカルディナルさえ抑えられてしまうと大した攻撃ができなくなってしまう。そうなってくれるとそれはそれで日本にとってはありがたいことなのだが。

ピヴォのカルディナルとエースのリカルジーニョ。彼ら主役を生かすために、そしてポルトガルが躍進するためにも、名脇役の出現が鍵を握っている。

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