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日本がワールドカップで勝ち点を手にするために

「2-2の同点になったあと、ブラジルのフリーキックを頭でクリアするカズの写真が撮れましたのでぜひつかってください」。写真は当サイト読者のUYさんの投稿です(以下同)。

 

レポート◆座間健司

 

2点目で際立った高橋のランニング

代々木で行なわれたブラジルとの一戦。三浦知良の召集もあり、大きな注目を集めたこのゲーム。結果は3対3のドローに終わった。日本は逸見勝利ラファエルと北原亘の2得点、そしてコーナーから小曽戸允哉が決めた。

 

日本の先制点は逸見の個人技からの見事なゴールだった。左サイド、ダブルタッチで対峙するディフェンスを抜き去ると、そのままトーキックでサイドネットに突き刺した。ブラジルの下部組織育ちの20歳のアタッカーはブラジル相手でも個で違いを生み出せることを示した。

 

日本の2得点目も見事だった。パス回しから高橋健介のパスを北原が相手ゴレイロと体を入れ替わるようにトラップして、無人のゴールに流し込んだ。この得点シーンで際立ったのは高橋のランニングだ。小曽戸が相手ディフェンスのエアポケットでパスを受ける。その瞬間に高橋が左サイドを駆け上がった。高橋をマークしなければならないウィルデはボールを見てしまい、ブラジル人ストライカーが首を振ったすきに高橋が駆け上がった。ブラジルの最終ディフェンスは単独に抜け出ようとする高橋のチェックにいく。高橋はディフェンスに当たる寸前で北原にパスを送ることに成功した。北原のトラップも見事だったが、高橋のランニングがなければゴールが生まれなかったのも事実だ。

 

セットプレーは世界の強豪相手に通用する

日本の3点目はコーナーから小曽戸が決めたものだ。日本のセットプレーはブラジルよりも精度が高く、バリエーションも豊富だ。ミゲル・ロドリゴ監督の一貫した指導の賜物だ。前半の終了2秒前にも日本はコーナーからシュートに結びつけているが、日本のセットプレーは世界のどこを相手にしても通用する武器だということを改めて実証した。

 

 

当日はチケットを完売し、8,236人が日本のオフェンシブな戦いを見守った。

 

ブラジルは2日前のFリーグ西選抜の試合同様、コンディションが悪かった。ゴール12メートル前から主に選手の個人技に頼る2012年のセレソンにとって選手のドリブルに“キレ”がなければ、攻撃力は半減する。12メートル先のイメージがまだこのセレソンには2008年ほど統一できていない。ディフェンスは同じだが、攻撃力は前大会に比べると落ちている。

 

日本の守備にはすきがある

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