デジタルピヴォ! プラス

(ブラジル代表の日本遠征)セレソンを通して見えた日本フットサルの成長

セレソンの4アリはスペインリーグのトップチーム、バルセロナでプレーする文字どおりの世界一流トッププレーヤーのひとりだ。その彼が、「日本でのゲームはもっと易しいものだと思っていたが、Fリーグ西選抜戦と日本代表戦はとても難しいものでした」と語っている。それは何を意味するのか。

セレソンの集合写真の納まり方はカッコ悪いがプレーする姿は美しい。日本との違いは子どものころからフットサルをやっているかどうかだ。

セレソンの日本遠征で最後に戦ったFリーグ東選抜。このなかで子どものころからフットサルをプレーしてきたのは日系ブラジル人の6本田と、ブラジル人の9ロドリゴだけ。そこが日本の今後の課題だ。

 

 

文◆座間健司

写真◆勝又寛晃

 

 

「もっと易しいものだと思っていた」

 

ブラジルがいい判断材料になった。

ワールドカップに挑む前回王者のブラジル代表はタイに乗り込む前に欧州のクラブに在籍する選手たちとドバイで合流し、日本で約10日間ほど調整をした。その10日間の間には日本代表と親善試合を1つ、そしてFリーグの東西それぞれの選抜チームと2試合をこなした。コンディションが整わないブラジルにとって日本代表やFリーグ選抜とのゲームは非常に苦しく見えた。最後のゲームとなるFリーグ東選抜とのゲーム後、ブラジル代表のアリは日本での調整をこう振り返っている。

「日本でのゲームはもっと易しいものだと思っていました。浜松での(Fリーグ西選抜との)ゲームや日本代表戦はとても難しいものでした」

このコメントからも分かるようにブラジル代表はもっと実力が下の相手とのゲームを想定していたのだろう。もしくは日本のフットサルはもっと実力が劣るものだと考えていたのかもしれない。

時代は変わった。

Fリーグが開幕してから唯一のプロチーム、名古屋を追随するために各チームのフィジカルコンディションは急激に向上した。調整中ということもあり、セレソンは時折プレーのイメージと体が全く噛み合わず、彼らの顔は苦しそうだった。日本はそんなブラジルを運動量と俊敏性で苦しめた。以前のようなフィジカルや運動量で差ができてしまうことはコートでは起こらなくなった。また体の当たり負けもしない。体勢が整っていないときに体を当てられれば、倒れしまうが、それはブラジルも同じ。体格に大きな差はない。

負傷のためチームを離脱することが発表されたフィクソのシソは代々木での日本代表との前日練習後にこう語っていた。

「日本のフットサルのレベルはすごく向上している。特にフィジカル面だ。対戦する度に勝つことが難しくなっている」

(残り 1514文字/全文: 2607文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ