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[全日本選手権関東大会 フウガすみだ四番勝負]其の一番、『先制攻撃』で浦安セグンド壊滅

関東リーグ1位チームとして出場したフウガすみだは4戦全勝で全日本選手権の出場権を獲得した。その全日本の前に地域チャンピオンズリーグが週末に待っている。1stセットに比べて力が劣るといわれ狙われた2ndセットの若手11岡山(前列中央)は「(セグンド戦の)失点はうちらじゃないです」と口をとがらせた。

 

千葉県3位のバルドラール浦安セグンド。今季、関東リーグでフウガに2敗している。米川監督のもと、勝利のゲームプランを全員で共有してこの日まで3週間、練習に励んできた。そのゲームプランとは。

 

 

第18回全日本フットサル選手権関東大会

グループA1回戦 2013年1月13日(日)

フウガすみだ(関東リーグ1位) 5-2 バルドラール浦安セグンド(千葉県3位)

会場:千葉・東金アリーナ

文・写真◆デジタルピヴォ! 山下

 

[得点経過]

2分 1-0 フウガ 8 太見寿人

7分 2-0 フウガ 19 半田徹也 ※PK

28分 3-0 フウガ 3 金川武司

29分 4-0 フウガ 6 宮崎曉

36分 4-1 セグンド 18 渡邊裕一

39分 4-2 セグンド 31 井原智

39分 5-2 フウガ 9 神尾佳祐

 

 

フウガすみだは周知のとおり、関東大会で4勝し圧倒的な存在感で全日本選手権への出場権を手にした。その強さの秘密を戦い方の中から探っていくのがこの連載の狙いだ。そうすることでフウガが「主戦場」と位置づける地域チャンピオンズリーグ(2月22〜24日)で4連覇を目指す戦い方が見えてくる。“チーチャン”をより楽しむための参考になれば幸いだ。

 

関東大会初戦の相手は関東リーグ3位で共に地域チャンピオンズリーグへと駒を進めるバルドラール浦安セグンド。「組織力があり、Fリーグ経験者も多いチーム」(須賀監督)だけに簡単な相手ではない。この試合でフウガが見せた戦い方は、例えばワンツーとか2人の関係で崩しにいく極めてシンプルなものだった。そのことは監督の須賀も「関東の中ではこの戦い方でできると認識している」と認めている。この絶対的な自信。その背景には、「個人的にはかなり悔しい」という昨年11月の府中アスレティックFC戦(プレシーズンマッチ)の敗戦と、そこで足りなかった「ワンプレーの質、フィジカル」などを日々のトレーニングで改めて追求してきた自負があった。

 

今季、関東1部に昇格したセグンドとの対戦成績は、4-1(開幕節)、3-0(第8節)、ともに3点差勝利だ。

 

そのフウガを相手にセグンドが描いたゲームプランはこうだった。「相手の得点のほとんどが1stセット。そこをいかに抑えるかを検討した結果、ラインを下げて、(ピヴォの)太見という体の強い選手にうちの平山をあてるなどして相手の1stセットを抑えて前半を0-0でしのぐ」。そのうえで、「相手の2ndセットは(実力的に)劣るのでそこにうちに攻撃的なセットをぶつけて勝ちにいく」というものだった。ところが試合開始と同時にフウガが仕掛けた先制攻撃の前にそのゲームプランは前半7分にして崩壊するのだった。

 

『先制攻撃』

 

先制攻撃。いい古された感のある言葉だが、今回のようにラインを下げて守備的に行く方針のセグンド相手に一気に畳み掛けるその手法は極めて効果的だった。試合開始の笛と同時にフウガの1stセットはピヴォの太見を軸に得意の3-1のフォーメーションで攻め立てた。フィールドの4人全員がセグンドのハーフでプレーしているといっても過言ではなかった。

そして前半開始2分。左サイドの高い位置でフウガのピヴォ太見が鬼のキープ。後ろの宮崎へ落としてゴール前へ抜けると、リターンをシュート。ファーサイドにしっかりと決めてみせた。1-0。フウガ、先制。

太見のマークに入った平山は、太見へのリターンが自身の体に当たり一瞬ボールを見失う不運はあったものの、それ以上に太見の決定力はすさまじかった。

 

前半7分、フィクソの4諸江から8太見にピヴォ当てが入る。小柄なフィクソ諸江の巧みなパスワーク。わかっているが止められない。

 

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