【日本代表国際親善試合】新旧融合の日本、若いアルゼンチン相手に苦杯をなめる(2013/5/16)
硬い表情で試合前の集合写真撮影に臨んだ日本代表。
日本代表 1-5 アルゼンチン代表
開催日:2013年5月15日(水) 19:00Kickoff
会場:東京・国立代々木競技場第一体育館
観客数:3,946人
写真◆デジタルピヴォ! 中村
文◆デジタルピヴォ! 山下
前半5分、アルゼンチンの先制ゴール。
ゴールに縁がない一日
「日本とアルゼンチンは同じレベルにありました。違いは、アルゼンチンが得点することができて、日本はできなかった、それだけのことです」。試合後のアルゼンチンのフェルナンド ララニャガ監督のコメントだ。勝者らしい余裕にあふれた、そして多分に社交辞令に富んだものだった。一方、敗れた日本のミゲル ロドリゴ監督は「スペインには“3日続けてもゴールが生まれないゲ−ムがある”といういい方があるが今日がまさにそういうゲームだった」と肩を落とした。先のスペイン遠征によるトレーニングマッチでは上々の成果をあげたが、このスペイン人監督は“第二次政権”の船出にあたる国内デビュー戦を白星で飾ることはできなかった。
守備に頭がまわらない
先制ゴールを決めたのはアルゼンチンだった。前半5分、左サイド突破からのマイナスの折り返しをニアにダイレクトでたたき込まれた。日本はゴール前の人数は足りていたように見えたがシュートコースを切ることができなかった。このときピッチにいた日本の1stセットはGKが川原でFPはフィクソが滝田、両アラが仁部屋と逸見、ピヴォが森岡という顔ぶれ。滝田と仁部屋は去年のワールドカップに向けた最終選考に漏れるという辛い体験を経て成長した精神面が指揮官の評価を得、この日はスターティングファイブの一員としてピッチに立っていた。
このあと日本はキャプテン北原、星、稲葉、吉川という2ndセットにスイッチすると星が右サイドをからファーへ鋭いシュートパス。ファーが詰めていれば確実に1点というシーンをつくった。しかしその後、その星が相手の左サイドの突破を許してしまう。さらに前半8分、日本はバックパス違反を犯しアルゼンチンにペナルティーサークル付近からのフリーキックを与えてしまう。また前半12分には小曽戸が敵陣で不用意な横パスをカットされてカウンター。「不用意」といういい方が過激な表現であることは知っている。しかしこの日のアルゼンチンは長旅の疲れも見せずハードワークをし、なおかつクールな判断力を失っていなかった。それを読む力のなかった小曽戸の横パスは不用意というほかなかった。ジタバタが続く日本だったがこの状態をロドリゴ監督は試合後に「引いて守る相手を崩すことに夢中で守備に頭がまわっていなかった」と苦言を呈した。その小曽戸が13分には股抜きからのピヴォ当てを見せ落としに飛び込むシーンもあったが、いかんせん、日本はフィニッシュが決まらない。日本はゲームをつくる判断を選手同士がもっとやっていく必要がある。
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