デジタルピヴォ! プラス

小松竜一のフットサル戦術講座 vol.3「3:1システムの攻撃 (1)ピヴォ当て」(2013/12/7)

図1
敵が構成する守備ラインを突破するのにピヴォ当ては有効な手段だ。

 

今回からは具体的な攻撃について書きます。
3:1のようにピヴォを置くシステムの最大の長所は、ピヴォ当てによって攻撃に深みをつくり、少ないパスの本数でゴール前で数的有利をつくって、シュートまで持っていけることである。攻撃側の数的有利をつくるには、ドリブルやワンツーでマーカーを置き去りにしたり、裏でスルーパスを受けるといった方法もあるが、それらが失敗した際には瞬時にカウンターを受ける危険も多いにある。ピヴォ当てのような縦パスをカットされるほうが、まだカウンターを食らう危険は少ないし、よいピヴォとの連携があれば、数的有利をつくるための攻撃の有効な選択肢となる。
それでは、ピヴォ当てを成功させるポイントを整理してみたい。

 

(1)ピヴォ当てのパスで、守備ラインを突破する。

 

<図1>の状況で考えてみる。
<図1>では守備に3つのラインがある。第1ラインは青3の高さで、第2ラインが青2と青4、第3ラインが青1の高さである。例えば、赤1が第1ラインと第2ラインの間でパスを受けた場合、赤1は青3と青4に囲まれ、その後ろには青1というカバーがいる。しかし赤1が第2ラインと第3ラインの間でパスを受けた場合、赤1は青4と青1に囲まれただけの状況になる。赤1とゴールの間には青1とGKしかいないのでチャンスになる可能性がより高くなる。そして赤1が第3ラインとゴールの間でパスを受けた場合、赤1とゴールの間にはGKしかいないということになる。要するに、パス1本でより多くの守備ラインを越したほうがチャンスになるし、そのようなパスを出すためには、ピヴォへの縦パスを狙うパス回しの中で、パサーが一瞬でも前を向いて正確なパス出しができる余裕をつくり出し、その狙いやタイミングに合わせたピヴォの動きができればピヴォ当てからのシュートチャンスをつくることができる。また、ピヴォとそのほか3人の距離感も重要で、ピヴォ当てのパスがあまりにも長くなると、パスをピヴォの前でカットされたり、ピヴォにパスが入っても遠すぎてサポートできずにピヴォがシュートするだけという状況になってしまう。

 

(残り 2215文字/全文: 3155文字)

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