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湘南ベルマーレフットサルクラブ社長・水谷尚人「“湘南の暴れん坊”をフットサルで再現してみせる!」(2014/6/25)

image水谷社長(写真前列中央)を中心に勢ぞろいした湘南ベルマーレフットサルクラブの首脳陣と選手たち。水谷さんの同右隣が阿久津テクニカルダイレクターと奥村コーチ、同左隣が伊久間監督と横澤コーチ。

 

この人の気っぷのよさは、まさに、湘南そのものかもしれない。湘南ベルマーレフットサルクラブの運営母体である株式会社小田原スポーツマーケティングの社長、水谷尚人。折に触れて選手たちにサッカーを中心とするクラブの歴史を語って聞かせているというが、その中でひと際力が入るのがベルマーレが「湘南の暴れん坊」と呼ばれた1996年当時のエピソードだ。今季の湘南のフットサルは、水谷社長の元、現場は阿久津テクニカルダイレクター(TD)を軸に、伊久間監督らトロイカ体勢でスタートしたが、この人事の狙いこそ、フットサルでの「湘南の暴れん坊」の再現にあった。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

▼2つ目のチームを潰してはいけない

Pivo! さっそくですが、昨シーズン終盤に水谷さんに、監督はもう来季決まりましたか? と尋ねたら“もうオファーは出してます”という言葉が返ってきた。あの発言を僕は“相根澄監督3年目のオファー”と受け止めていたが、実際は新監督が就任した。僕の受け止め方が間違っていたか。

水谷 いや、初めにオファー出した相手は相根澄ですよ。実は、彼がヴォスクオーレ仙台でやるかやらないかというのと、我々と3季目もやるのかという話は、もう半年くらい前からしていました。まぁ、ご承知のとおり、Fリーグ全体のことを考えたときに、もう一回どっかのチーム潰れるわけいかないじゃないですか。そう考えたときに、もともとつくった本人であり、人間的にしっかりしてる彼が行ったほうが、リーグ全体としていいんじゃないか。そう思って彼を送りだしたんですよ。

Pivo! なるほど、そういうことだったのか。相根前監督にとって重い決断があったわけだ。

水谷 っていうふうに僕は思ってますけどね。相根澄がベルマーレに残してくれたものって実に大きいんですよ。彼はキッチリしてたんで、間違いなく。何時までには来いとか、こういう場面に来るときには絶対ネクタイして来いとか、サンダル履いて歩くなとかって、かなり細かいこといってくれたのは、僕はものすごい感謝してるんですよ。ああいうのって、最初いうけど、いい続けるのってすごいつらいじゃないですか。それに、今の若い選手って、多分いわれ慣れてないんで、響いてるか響いてないか分かんないんだけど、たぶん聞いてはいるんですよね。それでもいい続けた彼には、感謝してますよ、本当に。

Pivo! で、前監督が仙台行きを決断したことから急遽、次はどうしようかという話になった。

▼テクニカルダイレクターの採用

水谷 そうですね。ただ、その流れの中で、2年くらい前から、強化部みたいのは必要だなとずっと思ってたんですよ。でも、どのFリーグのチームもそうですけど、経費の面からなかなか人数を割けない。ですけど、そうはいっても、下から積み上げて、どうやって強くしていくかって図は描かなきゃいけないなっと思ってる中でいうと、これはもう阿久津しかないなっていうのがあって。実はもうだいぶ前から話をしていました。

Pivo! それが、阿久津TDの就任か。阿久津はロンドリーナの出身で、Fリーグ参入初期には正ゴレイロとして活躍。その後はゴレイロコーチも務めていた。その阿久津が就任したのが、チームの強化に特化した仕事に専任する立場。

水谷 そうですね。

Pivo! TD、スペインではスポーツディレクターといわれているポジションだが、Fリーグで置いているチームはある?

水谷 ないんじゃないですか? 名古屋は櫻井さんがやってるし、府中は(中村)恭平くんがやってるように、ゼネラルマネージャー(GM)兼任みたいな形になっている。

Pivo! ベルマーレでは社長の水谷さんがGM的な立場にいるわけだから、その下で、もっと特化した形でチームの強化を推進をしていく。

水谷 そうですね。僕は、NPO法人湘南ベルマーレスポーツクラブの理事長もやってるし、自分の会社もあるので、トップ以外、ロンドリーナやU18は時間的に見ていられないっていうのは、正直ありますよね。そういう意味でいうと、彼(阿久津TD)にそういうところも見てもらおうと。下部組織の選手たちにとって、やっぱり、強化責任者に見られてるっていうのは一番大きいじゃないですか。

Pivo! 大事な要素です。

水谷 見られてるし、彼らも見てるし。

Pivo! 強化責任者のお眼鏡にかなえば昇格ができるとなれば、選手たちも懸命にプレーする。

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