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[無料記事/ピヴォチャン2015全国大会チームインタビュー]ZOTTとの対戦でかちかち山が得たものとは。(2015/7/7)

あたりまえの事だから出来るだろうと、当たり前のことだからできるだろうと、大事なことをおろそかにしたしまった結果、東北リーグ1部から2部へカテゴリーを落としてしまったかちかち山。ようやくチームが一丸となって目標を見据える中で、格上との対戦から学んだZOTTの強さの根底にあるものを、キャプテン庄司が熱く語る。

 

F-CHANNEL Pivo! Champion’s Cup 2015 全国大会 予選リーグ
ZOTT WASEDA FUTSAL CLUB 1-0 かちかち山
2015年5月4(月・祝)、5日(火・祝) フットサルステージ

まとめ◆デジタルピヴォ! 萩野千絵

 

「自分たちは弱い人間だから」。これは、インタビューの中でかちかち山(宮城・フットメッセ名取代表)のキャプテンが発した言葉だ。だがしかし、その言葉からはマイナスの感情ではなく、自分たちを認めて、受け止められる者の強さを感じる。確かに、彼らが身を置くのは、上には上がいる実力の世界だ。淡々と語りながらもその言葉尻に熱く、尽きない探究心をほころばせる、かちかち山のキャプテン。その思いの丈をZOTT(大会シード/関東リーグ1部)戦を終えた直後に聞いた。

0-1。結果は敗戦だったけど得たものは大きい

Pivo! まず、ZOTTさんとの試合を終えた感想を聞かせてください。

庄司選手 やっぱり強かったです。スピード感もあるし。去年の11月の練習試合を含めて、去年は3回対戦させてもらう機会があったんですけれども、チームの雰囲気がよいチームというのは、チーム力がすごく上がっていくし、それはプレー面にも通じるところがあって、そういうチームは個人個人も上がっていくと学びました。ZOTTさんは理想とするチームです。

Pivo! 練習試合のときはどうだったんですか?

庄司選手 そのときはまったく歯が立たなかったです。今日もスコアは0-1と僅差ですが、内容はZOTTさんのほうが確実によかったですし、自分たちは去年、東北リーグ1部から降格してしまって、今年は2部からのスタートになるんです。リーグ前、開幕前に、こういう機会をもらえたのは、引き上げてもらう、いいチャンスでした。うちのチームはベテランというか、結構年齢がいっていて、自分も33歳なんですが、サッカーはやってたけど、フットサルはこれからやっていこうというメンバーもいたりします。10番の渡辺、15番の古川は、新加入の選手です。

Pivo! メンバーさんの年齢層ですが、下は20歳~上は35歳までと幅が広いですね。

庄司選手 そうですね。こういう大会は自分たちベテランが模範となるべく、若手に見せていける場になりますし、関東のチーム、県外のチームとやれるってことはとても勉強になります。

Pivo! 新加入の選手が増えてチームは変わりましたか?

庄司選手 すごく明るくなりました。同じところを見据えている仲間ということで、ひとつになれている部分はありますね。1部から2部に落ちてようやく、という感じですが、いい薬になったのかな。カテゴリーを落とすってことは、やはりすごく悔しいし、1部に戻すのはやっぱり大変ですけれども、やっていきたいです。

Pivo! カテゴリーを落としてしまった原因はなんですか?

庄司選手 フットサルの基本的なことをやらなくなってしまったからです。練習の中で、当たり前のことだからできるだろうと、おろそかにしてしまいました。やっぱりZOTTさんとかは、基本に忠実で、止めて、蹴る、ラン、その中の切り替えのところとか、本当に基本的なところを、これだけ精度を上げれば勝てるんだ。そういうところを教わったチームです。

Pivo! 試合中、絶え間なくプレッシャーをかけ続けられるチームだなと思いましたが、チーム内でここは絶対譲れないというところはありますか?

庄司選手 切り替えと、体を張るってところですね。対人においてアグレッシブにプレッシャーをかけ続ける。自分らより強いチームには、自分らよりうまい選手がたくさんいるわけで、そういうところからやっていかないと。1点獲られたら2点獲り返すというのはとても大変なことなので、まずは失点しないということは意識してますね。

Pivo! 今日それは、チームとしては出来ていたんじゃないですか?

庄司選手 出来ていたと思います。それは、ZOTTさんに引き上げてもらったことによるところが大きいです。少しでも気を抜いたら、すぐに失点につながるので。

 

次第に激しさを増していく展開の中で、次第に激しさを増していく展開の中で、強フィジカルが武器の15番古川選手の活躍が目立つ。

 

全国大会という舞台で

Pivo! 相手の選手の中で、特に印象に残った選手はいましたか?

庄司選手 8番の加藤選手とゴレイロの渡邊選手(1番)、あと4番の荒木選手は、すごく落ち着いてプレーしているっていうイメージが強くて、試合を見て、相手を見て、チームを見て、いろんなところからチームにとって今なにが効果的か? というところを的確に判断してるな。とすごく感じました。

Pivo! 多面的な視野で見られる選手が多いですよね、ZOTTさんは。チームのメンバーさんでそういった選手はいますか?

庄司選手 6番の武田、9番の矢部ですね。この2人は俯瞰(ふかん)的なイメージでピッチを見られると思います。

Pivo! ゲーム中には、相当当たりが強くなった場面がありましたが。

庄司選手 でも、こんなの当たり前なんだなと思いました。それは東北リーグでは感じられない部分でしたが、当たり前のことと受け入れて、意識を高めてやりました。

Pivo! それだけ本気でやらせてもらえる相手でしたか?

庄司選手 自分が全力でいってもいい相手なので本気で戦える。自分たちの限界以上にやらせてもらえたと思います。

Pivo! 本気でぶつかれるからこその楽しさですね。やはりそこから得るものは大きいですか?

庄司選手 大きいです。こういう機会はすごく貴重です。関東リーグのチームとワンデーながら、ガチでやれるというのは、すごくいい大会だと思います。自分たちは弱い人間なので、上に上がっていくには引き上げてくれる強いチームの力が必要だと考えています。

Pivo! ZOTTさんと交えることで、ご自身の中で一番勉強になったのはどういったところですか?

庄司選手 みなさん本当にフットサルが好きなんだな、と。だって自分らを上回るくらい走って、皆さんどこのチームよりも走っていると思うんですよ。なのに全然苦しい顔を見せないで、カウンターにも対処するし、攻めるし。それは本当にフットサルが好きじゃないとできないと思う。だから、「ほんとに、好きなんだな」って。だから、「真剣にやりたいんだな」。っていうのが、伝わってきました。

 

気合いは充分。全力で掴みにいく先にあるものを信じて。気合いは十分。全力でつかみにいく先にあるものを信じて。

 

Pivo! チームはどこを目指して活動していますか?

庄司選手 まずは、1部復帰。そして、その先の選手権の東北大会を抜けて。その中のご褒美で、次にZOTTさんとガチで当たれる機会の選手権の場に立ちたい、そこでやってみたいです。

Pivo! ひとつずつですね。

庄司選手 まずは、1年集中して、1部に上がらないとですけど(笑)。2部リーグから勝ち上がって、初の東北の選手権をとって、全国大会に出たい。

Pivo! 今日その手応えはつかみましたか?

庄司選手 全試合が終わったら撮ったビデオを観て、どれくらいつかめたか? 楽しみたいと思います。

 

関東リーグのチームに刺激を受け、チームが活性化していく様がワンデー大会のたった1試合の中でもみてとれた対戦だった。リスペクトする存在と交え、切磋琢磨する仲間たちの結束はより高まったことだろう。また来年この大会で、同じ対戦が観てみたい。全国の精鋭たちが集うこの舞台で。

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