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無料記事:ぺスカドーラ町田・森岡薫がチームに与える影響力(2016/4/4)

 

 

 

 

2016/2017年シーズン・移籍市場で一番の注目であった森岡薫(2015/2016シーズンまで名古屋オーシャンズ/フットサル日本代表)の移籍先が4月1日に発表された。移籍先は第21回全日本選手権で優勝をしたぺスカドーラ町田。決勝の相手チームであり準優勝となった名古屋オーシャンズにいた森岡薫は負傷退場をし、途中ピッチに戻れないまま、決勝戦の幕は閉じてしまう。

まとめ◆デジタルピヴォ! 古澤学

 

森岡薫はご存知のとおり、名古屋オーシャンズのリーグ9連覇の立て役者であり、名古屋オーシャンズでもフットサル日本代表でもエースであった。
個人タイトルはFリーグ最優秀選手を4回、Fリーグベスト5を5回、Fリーグ得点王 を4回受賞している。
2011年から5年連続で30点以上を記録しており、2015年はケガもありながら、26試合32得点・ベスト5を受賞している。

ぺスカドーラ町田は2015年にボラが(リーグでは)17ゴールでゴール数がチーム1位、金山友紀が(リーグで)15ゴールとチーム2位(ただし、オーシャンカップで6ゴール、プレーオフで3ゴール・全日本選手権で3ゴール)。

町田は失点の少なさこそリーグ1位であるが、得点はリーグ6位となる。その意味では待望のゴールゲッターの獲得ともいえる。
本田真琉虎洲や横江怜といったもともとのクラブのエースといい意味で争い、また、森岡自身はほかの選手のいいところは吸収しようというスタンスであるのでその意味でも相乗効果を期待したい。

前フットサル日本代表監督のミゲル ロドリゴ氏は森岡薫が名古屋オーシャンズ退団の発表の後に当サイトの質問に次のように語ってくれた。
「驚きました。クラブの決断ですので、そこは誰にもリスペクトされるべきものだろうなと思います。わたしたちの視点からすれば、まだまだ非常に大きな力を持っていて、違いをつくってくれる選手だと受け止めています。生年月日のデータではなく、この間のプレーオフのファイナルで見せたようなパフォーマンス、その質というところでわたしたちは見ますので、そういう意味ではまだまだ頼りにしたい選手と考えています。ある意味残念なことになるかなと少し予感がするのは、自分の感覚ですけども、次のシーズンは国内リーグでプレーすることにはならないかなと。そういう可能性もあるんじゃないかなと考えると、そういうタレントがFリーグで観ることができなくなるということはすごく残念なことになるのかという気がします。」と。

ぺスカドーラ町田がボラの退団を発表したタイミングでファンはSNSで森岡薫が来るのではないかと噂があがる。クラブにも森岡にもボラにもそれぞれ事情があるのでそんなに単純な話ではないとは思うが、実際に移籍先に国内でも複数クラブが候補に挙がり、海外からのオファーの話もあがっていた。

2015年で町田で17ゴールを決めたボラもケガにより出場機会は2/3に留まったわけだが、森岡も2015年はケガで悩まされた。

2015/2016 プレーオフ Final Round(2016年1月9日名古屋オーシャンズ 6-3 府中アスレティックFC)において当サイトの質問で森岡はコンディションは「100%ではないですが、85%くらいです」と教えてくれた。

その後、2016年1月27日の国際親善試合(フットサル日本代表 3-2 フットサルコロンビア代表)において、森岡薫は2ゴール。2ゴールともに振り向いてからの森岡らしいスーパーなゴールであった。心身ともにコンディションは上々であったといえるであろう。

退団が報じられた後、2016-01-11 19:00 森岡薫は自身のブログにて「僕自身、整理できていない部分もありますが今までたくさんの方々にサポートされてきたおかげで、今の自分がありこれまでの結果があると思っています。プロの世界なので当たり前かもしれませんが、このような形で通告を受けたことは時間がたてば自分の中で受け入れるかと思います。今後に関してはまだ何も決まっていません。いろいろな憶測の話もありますが、今の正直な気持ちとしてはただ複雑な心境です」と報告をする。

1月27日の親善試合の後には以下の質問にこのように答えてくれた。

Pivo!:名古屋オーシャンズの退団が決まり、気持ちの整理がやっとついたところだと思います。それも含めどのように代表の試合に臨みましたか?

森岡:退団に関しては名古屋オーシャンズが決めたことなのでリスペクトをして受け止めるだけです。ただ、それがあったから自分のプレイをしなくなるというのは違うと思いますし、それとは別のことだと思っています。まだまだやれるとアピールしていくしかないですし、今回の退団のことに関しては代表でのプレイでは全く邪魔にはなっていないです。代表は代表で別物だと思っています。ミゲル監督が僕のことを信頼してくれている以上、応えないといけないと思っています。今回の合宿の前にミゲル監督と話をしたのですが、監督は僕に「チームのことで悩んでほしくない」といってくれた。チームに合流する前から大丈夫なところまで気持ちの整理はできていたのですが、監督が背中を押してくれて、吹っ切れてといいますか、気持ちの面で楽になりました」

「チーム、環境、生活などさまざまなことが変わりますが、その中で結果を出すことが僕に与えられた使命だと思っています。これからはペスカドーラ町田のために、一つでも多くのタイトルが獲得できるよう全力を尽くします。応援よろしくお願いします」とぺスカドーラ町田のホームページで発表しているが、コンディションさえ整えば、どの環境でも活躍できる絶対的な個人能力の高さのある選手である。

戦術理解・守備意識の高さが求められる現在のぺスカドーラ町田にフィットできるかが非常に興味深いものである。
町田のよさと森岡のよさがお互いにつぶしあってしまわないことを願うばかり。

説明するまでもなく、ゴールの嗅覚という意味ではこれ以上にいない選手である森岡薫。

ぺスカドーラ町田は若手の台頭があり、中井や原をはじめとして、若手の活躍は今回の全日本選手権での優勝には欠かせなかった。
しかし、ゴールの数として物足りなさは否めない。

イゴールがチームメイトのゴレイロのレベルの向上にも関与しているのと同様に森岡加入がチーム全体のゴールの嗅覚の向上に貢献することも期待したい。

また、若手はベテランとともに成長すると思うので、森岡と代表経験のあるベテランの金山や先日のAFCフットサル選手権2016でもフットサル日本代表でキャプテンを務めた滝田学を中心にゴール以外の部分でも若手の成長・チームの底上げにも注目したい。

代表でチームメイトであった森岡と滝田、それから、室田とのコンビネーションも町田の大きな強みに今後なるのであろう。

 

以下はぺスカドーラ町田のホームページより貼り付けたもの。

 

ペスカドーラ町田は、名古屋オーシャンズに在籍しておりました、森岡薫選手と契約しましたのでお知らせいたします。新戦力となります森岡選手の今後の活躍にどうぞご期待ください。

森岡 薫(もりおか かおる)
[生年月日]1979年4月7日生まれ(36才)
[身長・体重]175cm・77kg
[利き足]右
[前所属]名古屋オーシャンズ
[代表歴]
2012 FIFAフットサルワールドカップ
AFCフットサルクラブ選手権 2011、2014
[Fリーグ記録]
通算233試合229得点
Fリーグ2007 19試合14得点
Fリーグ2008 21試合15得点
Fリーグ2009 27試合16得点
Fリーグ2010 24試合15得点
Fリーグ2011 26試合34得点
Fリーグ2012 24試合34得点
Fリーグ2013 35試合38得点
Fリーグ2014 31試合31得点
Fリーグ2015 26試合32得点
[Fリーグタイトル]
Fリーグ最優秀選手:4回
Fリーグベスト5:5回
Fリーグ得点王 :4回

コメント:
この度、ペスカドーラ町田に移籍することとなりました森岡薫です。
まずは選手として、このような環境をつくっていただけたペスカドーラ町田に関係するすべての皆様に感謝いたします。
そして、個人的には10年ぶりに関東の地でフットサル選手として戻って来れたことをとてもうれしく感じています。
10年目という節目のタイミングで移籍したことは、僕にとって新たな挑戦です。
チーム、環境、生活など様々なことが変わりますが、その中で結果を出すことが僕に与えられた使命だと思っています。
これからはペスカドーラ町田のために、一つでも多くのタイトルが獲得できるよう全力を尽くします。
応援よろしくお願いします。

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