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[無料記事/Road to 関東女子リーグ]BALLENA BLANCA 城北レディース、都1部デビュー戦で初黒星! 「これが1部の洗礼じゃないですか」(川崎監督)(2016/4/28)

前半7分、エースのゆめがドリブルで相手の中央を切り裂く。そして、

 

左足を振り抜き豪快なシュートを決めた。

 

都1部の舞台に立ったBALLENA BLANCA 城北レディースのメンバー。緊張感を微塵も感じさせない笑顔がはじけたが…。

 

対戦相手は、TOCAR jugadoras 新宿。昨季4位のチームだ。

 

SuperSports XEBIO 東京都女子フットサル1部リーグ2016 開幕節
TOCAR jugadoras 新宿 3-1 BALLENA BLANCA 城北レディース
2016年4月23日(土) エスフォルタアリーナ八王子Bピッチ

[得点経過]
1-0 3分 TOCAR 安部藍里
1-1 7分 城北 熊坂結女
2-1 16分 TOCAR 安部藍里
3-1 22分 TOCAR 布藤加奈子
(試合は15分プレーイングタイム)

 

先制点はTOCAR。左コーナーキックから20番フィクソがピヴォに当て落としを自ら決めた。

 

城北の新戦力、23番ひながサイドアタックに行く。しかし相手ベテラン選手と対峙してフットサルを始めて1か月の彼女が本領を発揮するには至らなかった。今後に期待したい。

 

10番なっちゃん(写真左奥)が再三左サイドからシュートを放つが相手ゴレイロの正面。城北にツキがなかった。

 

同点ゴールの後、鋭いフェイントで相手の選手のバランスを崩す、ゆめ。追加点の期待が膨らんだが1週間前のケガの影響は隠せなかった。

 

11番さやかがペナルティーサークル上からシュートを放つが決まらず。

 

そのさやかがサイド突破を試みるが相手のベテラン選手の対応に行く手を阻まれた。

 

4番キャプテンりかこのシュートは惜しくも枠を外れた。

 

後半7分、相手の3点目が決まった。

 

城北の詰めの甘さが相手のカウンターアタックにつながったシーン。キャプテンの懸命の対応で阻止したが苦しい場面が続いた。

 

2シーズン負けなしの実績に終止符

それは、エントランスリーグ、2部と順調にステップアップしてきたBALLENA BLANCA 城北レディース(バジェーナブランカじょうほくレディース/以下、城北)にとって初めての“つまずき”だった。城北は2014年シーズン、川崎康裕を監督に招く新体制で再スタートを切ったが、以来2シーズン、引き分けはあっても敗戦はなし。都リーグ1部昇格を決めた今季開幕節での敗退が、文字どおりの初黒星となった。チーム初の“勝ち点ゼロ”に終わったゲームはどんな内容だったのか。”城北追っかけレポーター”の僕は例によってキャプテン、エース、監督の3人に試合後インタビューを行った。それぞれの言葉で“敗戦”の理由を語っていて実に興味深いので是非、読んでいただきたい。
ちなみに、トカールの監督は試合後、勝因をこう語った。
「試合ではやりたいことができました。その1つが相手のドリブルを止めること、もう1つはエラーが起きてもピッチ上で選手たちが自発的に対応してくれたことです。カウンターアタックは昨シーズンからステップアップを目指して練習してきて、その成果が出ました」。また、2部からの昇格チームに勝ったことで1部チームの存在を示す結果になったがとの問いには、「1部の存在感を示せたという意味で負けなくてよかったです」と語っていた。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

■4番キャプテン“りかこ”インタビュー
2部でできたことが1部ではできなかった

Pivo! 厳しい結果になったが試合を通してどんなことを感じた?

りかこ ディフェンスの仕方とか、切り替えの遅さとか、そういったフットサルの基本的なところが1部と2部ではだいぶ違いました。2部だったら何となくできてたかもしれないけど、1部では何もできなかったので。そういう基本的なことをしっかりできるようになってから、自分たちの目指していることとか戦術的なことをやっていかないといけないなと感じました。

でもその中で、ゆめは本当にできてたと思うし。今日だってドリブルするときとパスするときのメリハリがついてたし。周りがその分、動きやすかったから、ほんとにゆめを目標に見本にしてやっていかなくちゃいけないし。そのゆめが今日は出れたけどやっぱりまだ少し痛むのかなっていうので(実力を)出し切れなかった。ケガをしているゆめを出さないくらいやっていかないといけないと思います。今日も無理矢理出したので。で、それでゆめが点を獲ってるわけで。結果を残しているんで。周りの選手が危機感というか、危機感は持ってるんですけど、それが変な方向に、緊張に走っちゃって試合前にうまく気持ちを高ぶらせられずに試合に臨んで緊張したまま萎縮しちゃってプレーして悩んでっていう、すごい悪循環になるので。うまくテンションを試合に向けて維持できるように。そういうところもやっていかないと1部では戦えないと思います。

 

■ケガを押して出場し貴重なゴールを決めた9番“ゆめ”
1部のチームは気が抜けないと感じた

Pivo! 1週間前(4/17)の練習中にケガをして入院。退院して4日目の試合出場だった。ケガはどんな状態だったのか。

ゆめ トレーニングでゴレイロと交錯して倒れ、骨盤の右を強打して。入院した病院ではもう少しで手術だったといわれました。病院は2泊3日で退院して今日で4日目、まだ完治していません。

Pivo! プレーしてみてどうだったか。

ゆめ 恐さとかは全くなくて。試合前は楽しみな気持ちだったんですけど、やっぱり(退院して)4日ぐらいでは治らなかったです。まだ痛みはあったんで。

Pivo! 前半、相手選手と接触して倒れ込んだときもすぐには起き上がれずつらそうだった。

ゆめ 自分の中でも立ち上がり遅いなと思ってて(笑)。切り替えが遅いんですよ。倒れて、立って、次のプレーすればいいのに、なんか“よっこいしょ!”みたいな(笑)。やっぱり、早く直したいというのが一番ですね。

Pivo! 同点ゴールを振り返ってほしい。

ゆめ サイドでもらって中に切り込んで振り切った形だったと思います。

Pivo! 得意のドリブルで中央を突破して左足シュート。キミのあのゴールで同点にしたところまではいい流れだったが。

ゆめ そうですね。今日はみんなが緊張してたのもあって、いつもどおりのプレーができてないっていうのがあって。自分たちのプレーができていれば勝てた試合だったと思います。悔しいですね。

Pivo! 今日の相手は昨シーズンの4位。戦ってみて1部のチームの印象はどうだったか。

ゆめ いや、ほんとに気が抜けないっていうのを感じました。今まで(2部)と比べたらレベルは高くなってるわけだし。ほんとに1戦1戦、勝てる試合はどんどん点を獲っていかないと上には上がれないと思います。

Pivo! ここからどう気持ちを切り替えていくのか。

ゆめ 2部のときも初戦は確か引き分けだったけど優勝できました。今回もいいスタートが切れなかったけど、ちゃんと切り替えて次の試合に挑めばいいかなと思います。自分の中ではケガを少しでもよくして万全な状態で出るっていうのが次に向けて必要な準備だと思うので。そこで、どれだけ自分のプレーができるかっていうのを考えています。今日は本当に申し訳ないプレーだったんで。

 

ベンチで選手たちに指示をする川崎監督。

■監督就任3季目で初黒星を喫した川崎監督
崩されて負けたわけじゃなくて、自滅、自爆なんです!

Pivo! 今の気持ちを。

川崎 (これが)1部の洗礼じゃないですか。今日は、みんなソワソワして昨日の夜も寝れなかったとか。楽しいからのワクワクなのか、ソワソワなのか、ドキドキなのか。子どもみたいなんですけど。でも、3年前にさかのぼったら、ここ(高いステージ)でやることを楽しみにしてみんなやってきたんでしょ? っていう話をしました。前半を1-1で終わって、このメンバーでいけるとオレも思ってたんですけどね。

Pivo! 試合を振り返ると、得意のドリブルを止められて、その後の切り替えができないまま相手のカウンターからゴールを許した、ということになるか。

川崎 切り替えですよね。カウンター食らうのもずっと練習でいい続けてきたことなんですけど。例えば、キーパーの長いボールをつながれた相手の2点目で裏取られたのはサヤカなんですけど、サヤカがバック走したんです。バック走なんて前向きのやつに追いつくわけがないじゃないですか。普段こいつら男子とも練習やってるから、それが(相手が)女性だから“平気だろう”という一瞬の判断でバック走で結局、越されちゃってスーパーゴールじゃないですけど、いいトラップされてシュートが決まっちゃった。3点目も、クリアしておけばいいところを、相手が切り替え早くボールを奪ってドン! と撃たれて。それだけなんで。ま、フットサルはお互いのすきを突き合うゲームじゃないですか。そこにうちのすきがあったということですよね。

Pivo! 読みの甘さとそれに伴う切り替えの遅さが相手にすきを与えてしまい、そのすきを相手に突かれたゲームだったと。

川崎 だから結論からいうと、3失点食らっているけど、メチャクチャ崩されたのかっていったら、歯がたたなくて負けたのかっていったら、そうじゃなくて、自滅、自爆なんです。そこがまあ、甘いというか。ま、でもオレはネガティブにはとらないようにしているので。これが1部の厳しさっていうか、それはあいつらも分かったと思うし。(どんなことがあっても)責任はオレがとるけど、おまえらは責任感を持ってやってくれと改めて伝えていきます。

Pivo! 相手の監督が、うちはピッチ上で起こったミスを選手間でうまくカバーしているといっていた。ここが大人というか、ベテランの味だ。

川崎 ごもっともです。そのとおりです(笑)。

Pivo! 次節への対策はそうすると、意識の切り替えをしていくと。

川崎 そうです、それしかないです。

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