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[ ゼビオ関東女子Fリーグ2016第1節 ]群雄割拠の時代を迎えた関東女子リーグがいよいよ開幕(2016/6/28)

 

SuperSports XEBIO 第7回 関東女子フットサルリーグ2016 powered by PENALTY 第1節
2016年6月19日(日) 茨城県常総市水海道総合体育館

まとめ◆デジタルピヴォ!記者YNG

 

第7回関東女子リーグがいよいよ開幕した。
昨季SAICOLOが初優勝を飾り、新たな時代の始まりとなる今季は全9チームによる戦いが繰り広げられる。
SAICOLOとバルドラール浦安ラス・ボニータスの2チームによる優勝争い、上位と下位リーグの差の大きさが目立った近年だったが、今季は中位チームやギリギリで残留を決めた各チームの新加入選手や新体制による戦力アップが開幕前からうかがえたことに加えて、注目度の高いチームの昇格によりまったく順位予想のつかないリーグとなった。
その第1節の4試合のまとめをお送りする(昨季の覇者SAICOLOは試合なし)。

 

[ 第1試合 ]
FOREST ANNEX 2-6 VEEX TOKYO Ladies

FOREST ANNEX(以下ANNEX)は選手の入れ替わりが多いものの関東リーグでの経験を生かしたチームづくりで奮闘が期待される。その相手は昇格組のVEEX TOKYO Ladies(以下VEEX)。
試合はVEEXが早くも先制する。前半1分、ボールをキャッチしたANNEXのGKスローが目の前にいたVEEX#7服部に当たり、そのままゴールに転がっていくラッキーなゴールであった。
ANNEXは果敢な前プレでチャンスをつくるが、そこで決められずにいるとVEEXペースに移っていき、4分に#10吉林がミドルシュートを決める。
リードを広げられたANNEXは7分、左サイドでのキックインシュートにファーサイドで#10鈴木が頭で合わせて見事なゴールを決める。しかし10分、VEEXが#15小出のシュートがポストに当たるとそのリバウンドが#13宮崎に当たって再びリードを広げると12分には左サイドを突破した#5伊藤からのパスを受けた若手の#6小村が冷静にGKとの1対1を決めた瞬間には普段以上に選手とサポーターが大盛り上がりを見せた。
それでもANNEXは13分、#22松井が右サイドを見事な突破力で抜け出してシュートまで持っていくとGKがはじくも、そのこぼれ球を素早く詰めていた#8三代がボレーで蹴り込んで追い上げる。
ここで気を引き締めたVEEXは17分、小出のパスを受けた服部がしっかり決めて再びリードを広げたがその後はなかなかゴールのない展開となる。
後半8分に小出が抜け出してゴールを決めた後はANNEXの懸命な守備を崩せずにそのまま6対2で試合終了となったが、VEEXは昇格後の初試合で快勝して見事な関東リーグデビューを飾った。

 

FOREST ANNEX。

 

VEEX TOKYO Ladies。

 

ヘディングシュートを決めたANNEX#10鈴木。

 

若手#6小村のゴールに大盛り上がりのVEEX。

 

若手の活躍は今後も必要になってくる。

 

豪快なボレーを決めたANNEX#8三代。

 

激しい攻防も多く見られて白熱していた。

 

古巣のANNEXを相手に奮闘したVEEX#16宮坂。

 

開幕戦で2ゴールと激しい守備で勝利に貢献したVEEX#7服部眞彌選手に話をうかがった。

Y:開幕戦を振り返ってください。

服部:試合はまず関東リーグに上がっての初戦で緊張もあるだろうし、今まで慣れてない雰囲気で戦うチームメイトがいる中で入り方がとても大事だと思っていましたし、関東リーグを経験したことのある自分には責任もあると感じていたので、そこが早い時間帯でのゴールにつながったのはよかったと思います。もちろん先制点は自分が獲ると思って入りましたよ(笑)。

2点目のゴールは相手のディフェンスの状況で狙えると思ったのとコナツ(小出)なら出してくれると思って信じて走りました。パスもいい所に出してくれたので撃つだけでした。

1対1の強さはすでに日本トップクラス、得点力もあるフィクソは貴重だ。

Y:大量ゴールでの快勝でしたね。

服部:まずはチームとして得点数が多いことがよかったことと、練習でやってきたことが形になったことはいいことだと思います。ミスもありますし、修正しなければいけないところも多いですが自分たちの課題をクリアできた部分と課題が出てきたことで次につながる試合ができたかなと思います。
20×40のフルピッチで20分ハーフでの試合も久々だったので楽しめました。
あとは、さきこ(小村)が点を獲ったことやメンバーに入った全員が出場できたこともうれしいです。チームで戦うことができました。

Y:今季のチームはどうですか?

服部:今季は各選手たちに責任を持たせるようにチームとしての方針もありますし、新しい試みもあって、準備してきました。それが練習以外のところでも結束力というか、団結力につながっているのを感じます。
毎年メンバーは変わりますが相変わらず誰がおもしろいか、笑いにも貪欲です(笑)。

Y:ようやく関東リーグに帰ってきましたね。

服部:関東リーグに上がってくるためにエントランスリーグから今まで本当にいろいろな経験をしてきました。
簡単な階段を登ってきたわけではないですし、何度もキツイ思いもしました。でもその過程で、試行錯誤できたことと自分たちを信じて続けてきたことが開幕戦の結果につながっていると思います。
エントランスリーグからの経験をここに出して、わたしたちにしかできないフットサルをしていきたいです。
今まで携わってくれた選手、戻ってきてくれた選手、サポートしてくれる方、そしてずっと応援してくれているサポーターさんたちには感謝です。
だからすべては結果につなげて目標は優勝です、1戦1戦チャレンジしていきたいです。

 

[ 第2試合 ]
the sunkisst 2-5 バルドラール浦安ラス・ボニータス

昨季関東リーグ参戦で4位と健闘したthe sunkisst(以下sunkisst)と、準優勝に終わり王者奪還を狙うバルドラール浦安ラス・ボニータス(以下浦安)の対戦。

開始から1分、sunkisst陣内でボールを奪った浦安#10多田が左サイドから持ち込んでシュートを決めて先制する。しかしその直後sunkisstが猛攻を仕掛けると浦安の守備を混乱させ、#10濱野が強烈なシュートを浦安GKの頭上に突き刺して同点とする。
すぐに気持ちを切り替えた浦安は3分に右サイドで相手に囲まれながらも冷静にかわして抜け出した#8和泉がGKの動きもよく見てシュートを決めると、9分には#13阿部がゴール前でボールを受けて素早い反転シュートを決めてリードを広げる。さらに18分には右サイドを突破した#17池田がシュートを決める。ケガで苦しみ、昨季復帰してから順調に調子を上げてきた大型ピヴォのゴールに長く見守ってきたサポーターからの歓声もより大きくなっていた。
後半も浦安の優勢のまま試合は進んでいくが、sunkisstはドリブル能力の高さや前線に積極的に出ていく姿勢を見せる。浦安のカバーリングにそれも封じられるが7分、勢いのある攻撃が実り浦安ゴール前でFKのチャンスを得ると#5水原が放ったシュートは浦安選手に当たってコースが変わりゴールに決まる。
しかしその後はまた浦安の落ち着いた試合運びで時間は過ぎていき、終了間際の19分には阿部が再びゴールを決めて5対2で快勝した。

 

the sunkisst。

 

バルドラール浦安ラス・ボニータス。

 

先制点を決めた浦安#10多田とGK#12本多の抱擁。

 

昨季得点王のsunkisst#10濱野が見事なシュートを決めた。

 

浦安のピヴォセットの要である#17池田。

 

フリーキックを決めたsunkisst#5水原。

 

スピードとターンの速さが驚異的な浦安#13阿部が2ゴールの活躍。

 

攻守の切り替えの早さや体を張った守備、鋭いフェイクの動きや味方をサポートする献身的な走りが印象的だが近年は要所でゴールも決める得点力まで加わり、この試合でも前プレからの先制ゴールで勝利に大きく貢献した浦安#10多田千優選手に話をうかがった。

Y:開幕戦勝利の感想を聞かせてください。

多田:個人的にもチームもいいスタートを切ることができました。個人的には、前プレでボールを奪って得点につなげられたことはよかった点です。まだまだ運動量の部分でしたり、リズムをつくっていく部分がこの試合の反省点だったのでまた次の試合までに少しでも意識できたらと思います。

攻守に献身的なプレーができる貴重な存在、日本代表で見たい選手の一人だ。

Y:見事なゴールでしたよ。

多田:点数を獲れたのは、チームみんなのおかげで、声を出して応援してくれた人のおかげです。感謝しています。 ありがとうございます。 

Y:今季は再び女王の座を取り返しにいくシーズンになりますね。

多田:チームについては、開幕なので緊張してうまくいかない部分が多くなると思っていました。しかし、キャプテンを始めみんなが声を出していい雰囲気で試合に入れたのでよかったです。わたしたちは優勝を取り返しにいくために1試合の時間やひとつひとつのプレーを大事にしていきたいです。遠い所まで、応援ありがとうございました。 引き続き、応援よろしくお願いいたします!

 

[ 第3試合 ]
Shoot anilla 2-2 FUGADORすみだレディース

上位リーグ常連となったShoot anilla(以下anilla)と昇格組のFUGADORすみだレディース(以下FUGADOR)の対戦。

新加入選手が多く、チームづくりが気になるanillaだが、ボールキープ能力の高いピヴォが多く、そこにスピードのある#15東山の突破力も加わった攻撃力はなかなかの脅威となっていた。前半6分、ゴール前でボールを受けた東山は反転して前を向き、目の前のGKの肩越しを抜くループシュートを選択するとこのテクニカルなシュートが見事に決まって移籍後初ゴールを挙げる。
反撃に出たいFUGADORだが、素早いパス回しやピヴォに当てる戦術を見せるもanillaのプレスに苦しみチャンスをつくれないまま前半を終える。
しかし後半1分、右サイドでボールを持つFUGADOR#7竹村がanillaのプレスが遅れた瞬間を逃さずに思い切りミドルシュートを放つと相手に当たってコースが変わってゴールに決まり同点とする。
これで勢いに乗ったFUGADORは4分、#9足利がドリブルで抜け出して左足でシュートを決めて逆転に成功、さらにペースを握り猛攻を仕掛けるとanillaは必死に耐え続けるしかない状況となる。FUGADORがこのまま関東リーグ初勝利を迎えると思われたが、残り1分を切ったところでanillaはFUGADORのコーナーキックを防ぎ、東山がボールを奪ってカウンターアタックで一気に独走状態でGKとの1対1を迎える。その前に2回同じような場面を外していたが、3度目の正直で今度は見事に決めて終了間際の同点劇となった。

 

Shoot anilla。

 

FUGADORすみだレディース。

 

テクニカルなシュートで先制点を決めたanilla#15東山。

 

同点ゴールを決めたFUGADOR#7竹村。

 

逆転ゴールで喜びを爆発させるFUGADOR#9足利。

 

anillaからFUGADORに移籍した#14高橋が果敢に攻め込む。

 

今季Shoot anillaに移籍後、開幕戦で2ゴールを挙げてチームを救った#15東山真依子選手に話をうかがった。

Y:開幕戦お疲れ様でした、試合を振り返ってください。

東山:今回ベンチに入れなかった選手・スタッフの分までやる気持ちで試合に臨みました。そして勝つか負けるかでこの先、どうチームが進んでいくのかそれくらい初戦は大事だと思っていました。
フウガさんはスピードもテクニックもある選手が多いので、いろいろな局面で負けないようにして先制点を獲り、早く自分たちのリズムに持っていきたかったので先制点を獲れたのはよかったと思います。
その後、逆転されてしまいましたが、焦ることなく最後までしっかり戦えたので引き分けで終わることができました。
ただ、まだまだ自分たちが練習でやってきたことは試合で体現できてないと思います。まずは目の前にいる相手と向き合って、今までやってきたこと・自分らしいプレーがもっともっとできるようにして1分1秒を楽しんでいきたいです。

Y:移籍後で早くも結果を出しましたね。

東山:2ゴールとも普通にシュートしたら止められると思い1ゴール目はループ気味に撃ったのと、2ゴール目は股を狙い撃ちました。得点できて本当にうれしかったです。

GKとの1対1を冷静に決めて勝ち点1を獲得してチームを救った。

Y:東山選手を含めて新加入選手も多く、チームづくりが気になってました。

東山:昨季からいる選手にいろいろ教えてもらって、一からのスタートでした。ひとりひとり得意なプレーは違うと思うのでそれを理解し、チームでやっていることと合わせて試合で出せたら今までとはまた違うanillaをお見せでできると思います。

 

[ 第4試合 ]
FFC Estrela NOVO川口 4-2 CAFURINGA BOYS東久留米

昨季は苦しみながらもリーグ終盤に盛り返して残留を決めたFFC Estrela NOVO川口(以下Estrela)と、こちらも下位リーグとなったCAFURINGA BOYS東久留米(以下カフリンガ)の対戦。

今季は人数も増えてチームの盛り上がりを感じさせるEstrelaが早くも試合を動かす。#9山口が開始22秒で先制ゴールを決めて歓喜に沸かせる。プレスをかけて優勢に進めるEstrelaを相手に押し込まれるカフリンガであったがすきを突いて時折反撃する場面も見られると7分、#22森岡がゴール前でボールをキープし、GKが飛び出してきた瞬間に絶妙なループシュートを狙うと見事に決まって同点とする。
しかしEstrelaは10分、カフリンガゴール前の密集した中で#13植松が味方とのワンツーからダイレクトシュートを決めて再びリードする。さらに前半終了間際には#17浅井のミドルシュートも決まっていい形で前半を終える。
後半もEstrelaが優勢でカフリンガはカウンターを狙う展開となり、8分にカフリンガ#23玉川が自陣左サイドからスピードに乗ったドリブルで一気に攻め込み、ゴールバー下スレスレに強烈なシュートを放つとこれを止めることは難しく、見事にネットに突き刺さって1点差に追い上げる。
しかしその直後、10分にEstrela#14深田がカウンターでゴールを決めて再びリードを広げてそのまま4対2で勝利した。

 

FFC Estrela NOVO川口。

 

CAFURINGA BOYS東久留米。

 

#9山口の先制ゴールで歓喜に沸くEstrela。

 

技術の高さを見せたカフリンガ#22森岡。

 

見事な連携でゴールを決めたEstrela#13植松。

 

ミドルシュートを決めたEstrela#17浅井。

 

サイドを突破してから精度の高いシュートに会場を沸かせたカフリンガ#23玉川。

 

追いすがるカフリンガにとどめを刺したEstrela#14深田のゴール。

 

今季新加入ながら出番を長く与えられ、移籍後初ゴールを挙げたFFC Estrela NOVO川口#13植松千尋選手に話をうかがった。

Y:開幕戦を終えての感想を聞かせてください。

植松:まずは開幕戦で勝利できてうれしいと同時にほっとしています。遠方にもかかわらず、たくさんの方が応援に来てくださっていたので勝ち点3を取ることができて本当によかったです。試合内容としてはわたしは今季からチームに合流して初めての公式戦だったので相手のことはあまり考えず練習してきたことを信じてプレーすることに集中しました。その中でフットサルを楽しむことができたことが勝利へとつながったのではないかなと思います。

Y:初ゴールは味方との連携が見事でした。

植松:ボールを持ったときからゴールへのイメージはできていました。あとは仲間とのコンビネーションというところでうまく落としてくれたので決めるだけでした。

Y:植松選手のアピールポイントは?

植松:個人的にはチームの勝利のために「ゲームを組み立てながら得点する」ことで貢献したいと思っています。 練習でもそこは特に意識をして取り組んでいたので結果が出たことはとてもうれしく思っています。でも、まだまだ課題はたくさんあるのでまた練習から一つずつ取り組んでいきたいと思います。 

よく走ってチームに勢いをもたらす姿が印象的だ。

Y:関東リーグは応援団も増えてきました、その方々にメッセージをください。

植松:Estrelaはスポンサーさんを始め、家族や友人、サポーターさんなどたくさんの方々の支えがあって成り立っています。いつも応援していただいていることに本当に感謝しています。わたしたちができることは応援したいと思えるようなプレーをすること。そして勝利することです。そのためにピッチでは100%の力を出しきることが絶対です。次節も全力でプレーして、勝利で恩返しができるようにみんなで頑張っていきたいと思います!

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