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[無料記事/Road to 関東女子リーグ]BALLENA BLANCA城北レディース、1部残留へ後期初戦を快勝! しかし、前途に暗雲が!?(2016/12/21)

城北がチームの成長を示す3点目を決めたシーン。

 

後期初戦に臨む城北。緊張のためかいつもより表情が硬かった。

 

対戦相手は町田。ベテランぞろいとみえて落ち着きが感じられる。

 

SuperSports XEBIO 東京都女子フットサル1部リーグ2016 第15節
ASV PESCADOLA MACHIDA Bailarinas 1-3 BALLENA BLANCA城北レディース
2016年12月4日(日) ミズノフットサルプラザ味の素スタジアム
[得点経過]
0-1 3分 城北 9 熊坂結女 ※PK
0-2 9分 城北 オウンゴール
0-3 11分 城北 10 宮崎菜摘
1-3 14分 町田 3 前田佳代子
(試合は15分プレーイングタイム)

 

▪️SuperSports XEBIO 東京都女子フットサル1部リーグ2016順位表(2016年12月17日現在)。

同リーグ表(2016年12月17日現在)。Festiloは4位に順位を上げているが一度下位リーグへ落ちると上位リーグには上がれないため、勝ち続けても5位(下位リーグトップ)にとどまる。(表はいずれも東京都フットサル連盟のHPから転載させていただきました)

 

後期全勝への第一歩で成長の跡見せた!

関東女子リーグ目指して奮闘する、我が、BALLENA BLANCA(バジェーナ ブランカ)城北レディース(以下、城北)は、東京都女子1部リーグ前期終了時点で総合7位(全8チーム)が確定した。今後は、1部残留を懸けて、5位から8位の4チームで後期全3戦を戦うのだが、その初戦、12月4日のASV PESCADOLA MACHIDA Bailarinas(以下、町田)に3-1で快勝、苦闘の末の成長をうかがわせつつ幸先のいいスタートを切ったのだった。その成長の跡を川監督はじめ選手たちのコメントで綴っていこう。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

ボール奪取からカウンターの起点に

後期3戦全勝を目指して臨んだ城北は立ち上がり、表情にも動きにも硬さが感じられた。
それでも一汗かくころには体もほぐれ、ナイスプレーも目立ち始めた。その1つが、なっちゃんのボール奪取からのカウンターの動きだった。

 

ゲーム序盤から巧みなボール奪取をみせたなっちゃん。

 

相手のトラップがわずかに大きくなったところをすかさずチェック。

 

完全に相手を置き去りにし、

 

カウンター! すばらしいプレーだ!!

 

エースのPKで先制

試合はカウンターの応酬となる。そしてスコアが動いたのは前半3分だった。
相手ゴール前に攻め入ったエースピヴォのゆめが倒されたとしてレフェリーが城北にPKを与えたのだ。

 

エースのゆめが自ら得たPKをきっちり決めて先制。チームを勢いづけた。

 

傍でなっちゃんがこぼれに備えて相手選手のブロックに入っている。

 

しかし、このPKには隠された事実があった。
「あれ、ホントは、PKじゃなくて、わたしが滑ったんです。中に食い込もうとして折り返したら滑って、転んで。で、キーパーが接触したみたいな感じになって、レフェリーから見たら完全に押されたと思って吹いたんだと思います」
なるほど、それで、町田の選手が盛んに、“ない、ない、ない!”って叫んでたのか。いずれにしても城北にとってラッキーなジャッジとなり、チームを勢いづけるエースの先制ゴールとなった。

 

ゆめ、リカコ、のん、なっちゃんという不動の1stセットに割って入ろうとしているのが23番ひな。得意のドリブルで相手ディフェンスを混乱に陥れる。

 

こちらはミドルを放つさち。体調不良もあって前回の町田戦のような鮮やかなゴールは決められなかった。彼女がチームの中心に帰ってくる日を待ちたい。

 

チームの成長を示す3点目

城北はこのあと前半9分に、町田のオウンゴールで2-0とリードを広げ、さらに同11分、鮮やかな3点目を連携の中から決める。

 

前半11分過ぎにチームの成長を示すすばらしいゴールが城北に生まれる。自陣左の深い位置のキックインからリカコ(右端)がのんにディフェンスをかわす浮き球のパス。

 

前後から挟みに来る相手ディフェンスをかわすのん。このあと、自らを追い越す動きを見せたなっちゃんへスルーパス。

 

受けたなっちゃんがフィクソをかわして左足シュート!

 

チームの縦の連携から相手ディフェンスを完璧に崩した瞬間、チーム3点目が決まった。

 

3人の連携の中間でつなぎ役を果たしたのんに話を聞こう。
「あのとき自分はベンチにいて。リカコさんがキックインやるときに(監督の指示で)交代で入ったんですよ。そしたら敵がボールに寄せてきてたので裏空いてるなと思って、自分はそのまま裏走って、で、リカコさん呼んでパスを受けて、追い越していったなっちゃんにパスして、なっちゃんが決めてくれました」
「今日はもう、なんか、今までにないくらい前に人数をかけられるようになったんで。今まではゆめが前にいたらゆめに当てて、“ゆめ、頑張って!”みたいな感じだったんですけど、4人で連動して4人で攻めていける今のほうが、みんなで枚数かけられるんで。ゆめとかさちさんとかシュート力のある人がもっと生きる流れができるなとは思ってます」

監督も選手をたたえた。
「今、クアトロ(4:0フォーメーションからのパス回し)めいた練習をやってるのは、自陣におびき寄せて、そこから相手の裏を取るっていう狙いでやってます。でも、うちは前期までずっとスタンディングフットサルみたいな感じで。そこを改善して、パス出した人に対しては、抜ける、その場で止まってんじゃなくて、出したらいなくなってください、そこに入ってくる人がいるんだよっていう決め事を練習で毎回毎回やってきたんです。それで多分、抜けてく人が多くなってっていうのはあるし、のんに入ったときに(なっちゃんが)スッと抜けてく動きが出たんで。あそこはよかったと思います」

エースゆめの突破力と決定力プラスアルファをチームとしてどう創出するか。その課題の答えが、雲間から刺す陽光のように見えてきた瞬間だった。ゆめは最近、対戦相手のマークが厳しくて動きの中からゴールを割れていない。それだけにエース抜きの貴重な連携からのゴールだった。

 

3-0としたところで川崎監督は普段出る機会のない選手をピッチに送り込む。そのひとりがこのじゅんさん。「3-0になったところで、もしかしてとちょっと期待した。出ることになったらいっぺんに緊張した(笑)」。前半終盤にピッチに立ちピヴォとして前線でのディフェンスに奮闘した。

 

相手のフリーの選手へのケアを指示するじゅんさん。チーム唯一のママさんプレーヤーで、16歳(高1)、14歳(中2)、12歳(小6)と3人の子供たちがママの精神的支柱となっている。

 

これで3-0。久々に見せる城北の快進撃だった。
監督も、
「前半の3-0までは完璧なゲームでした」
と試合後に語っている。
しかし、このあと城北がつまずきを見せる。

 

前半14分、自陣深い位置でターンして前を向こうとしたゆめがボールを奪われ失点。3-1で後半へと折り返した。

 

「3-0になったところで、オレが情で、出てない選手を入れました。“前期のjonita戦と同じミスを繰り返さないように、3-0のまま帰ってきなさいね”っていって送り出して。でも、ゆめが背負ったところでの取られどころが悪くて奪われて3-1になって」(川監督)
幸いにも1失点したのが前半残り1分のところ。その後は失点ゼロで踏ん張り、後半も失点ゼロを目標に全員が攻守に奮闘し、3-1の勝利をつかみとったのだった。

 

後半、カウンターから攻撃を仕掛ける城北。ゆめのシュートはゴレイロにセーブされた。

 

こちらも後半の決定的なシーン、エースゆめが相手ゴール正面からシュートを放つ。

 

しかし惜しくもバーに嫌われた。

 

後半は結局スコアは動かず3-1で試合終了。今季2勝目を挙げ6位に順位を挙げた城北。ベンチに戻る表情に安ど感がただよっていた。自分たちのプレーに今季初めて自信を持ったはずだ。

 

―――――――――――――――――――――

 

残留は総合5位のFestiloの出来次第か

これ以上ないリスタートを切った城北。
しかし、残留のためには、困ったことに、上のカテゴリー(関東女子リーグ)のチームとの入替戦との兼ね合いから、ルール上の難題が横たわっていることも事実。
そのルールとはどんなものか。これが実に複雑。そこで以下に、城北のばーちゃんの情報を借りて、思い切ってシンプルに問題点を整理してみた。

①関東リーグから1チーム落ちてきて、TapaZida(12/15現在、都女子1部1位)が関東へ上がった場合
最下位1チーム → 2部自動降格
7位1チーム → 2部入替戦行き
 ↓
この場合、城北は、3連勝して6位に入れば残留確定!

②関東から1チーム落ちてきて、TapaZidaが(入替戦に敗退して)関東へ上がれなかった場合
下位2チーム → 2部自動降格
6位 1チーム → 2部入替戦行き
 ↓
この場合、城北は3連勝して6位に入っても入替戦行きは避けられない。
(注:関東への昇降格によってチーム数が変更・調整されることになります)

そこで城北にとって問題になるのがFestiloの最終順位。

Festiloは勝点「12」で現在5位(上記のとおり勝ち点を伸ばしても下位リーグから脱出できない)、城北は後期1勝で同「7」で6位。この先、城北がFestiloとの直接対決に勝ち最終的に3戦全勝しても同「13」、Festiloは万一、城北に敗れても残り3試合のうち2勝すれば同「15」となり、上記の②の条件下でも残留が確定する(Festiloは後期第1試合<12/17>で府中アスレティックFCキンツェムに勝利しているためあと1勝で残留が決定する)。
城北は入替戦行きが決まっても勝てばいいだけの話だが、入替戦を回避し、残留できればそれに越したことはない。そのためにも後期全勝。その目標を粛々とこなしていくだけだ。

[城北の後期試合日程]
第15節 2016/12/04 14:30(ミズノフットサルプラザ味の素スタジアム) 
 ASV PESCADOLA MACHIDA Bailarinas 1-3 BALLENA BLANCA城北レディース
第19節 2017/01/07 18:45(葛飾区水元総合スポーツセンター体育館)
 BALLENA BLANCA城北レディース vs. Festilo
第20節 2017/01/09 18:40 (小金井市総合体育館)
 BALLENA BLANCA城北レディース vs. 府中アスレティックFCキンツェム

[城北残留最大のライバルFestiloの後期試合日程]
第16節 2016/12/17 18:40(葛飾区奥戸総合スポーツセンター体育館)
 Festilo 1-0 府中アスレティックFCキンツェム
第18節 2016/12/25 11:40(武蔵村山総合体育館)
 Festilo vs. ASV PESCADOLA MACHIDA Bailarinas
第19節 2017/01/07 18:45(葛飾区水元総合スポーツセンター体育館)
 BALLENA BLANCA城北レディース vs. Festilo

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