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[山下コラム]切れ味鋭いジャックナイフも今やバランサー兼任という名古屋の現実(2016/12/27)

名古屋で3シーズン目を迎えたセルジーニョはブラジル サンパウロ州出身の27歳。左は日系ブラジル人の宮澤孝通訳。

 

自らゴールを決めるよりもアシストでチームに貢献するのが自分の持ち味と語る名古屋の11番、セルジーニョ。ブラジル代表経験を持つ攻撃的なアラとは、これほど切れ味鋭いプレーをするものなのか。写真は2014/2015横浜セントラル2日目(26節)の湘南戦でチーム3点目を決めた直後のシーン。

 

“ジャックナイフのような切れ味”。そんな見出しの記事を覚えていてくれている読者も多いことだろう。それこそが2014年12月13日、横浜セントラルで初めて見たセルジーニョの印象だった。当時、得意のドリブルでサイドを切り裂く姿は“攻撃的なアラ”そのものだった。2014/2015シーズンの途中に名古屋オーシャンズ入りした当時25歳のブラジル人助っ人はこのシーズンと翌シーズン、2季連続でリーグ制覇を経験している。そのセルジーニョが足掛け3シーズン目の今季、チームのこれほどの変ぼうぶりを予想しただろうか。名古屋の“若年層化=弱体化”はすでに多方面で語られているが、元フットサルブラジル代表ドリブラーのコメントを通して名古屋の変化を観察するのも一興だろう。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

[Fリーグ第25節]名古屋オ-シャンズ・セルジーニョ「ドリブルからのアシストが自分の持ち味だ」(2015/1/14)
https://www5.targma.jp/pivoplus/2015/01/14/post13100/

 

今季第5節湘南戦の後半17分34秒、パワープレーから右サイドで酒井と2対1をつくった11セルジーニョが決勝ゴールを決めた。

 

試合終了のホイッスルと同時にセルジーニョと酒井はその場に倒れ込んだ。それほど1点を死守するために死力を尽くした2人であり名古屋だった。昨シーズンまで見られなかったシーンだ。

 

大物の移籍と引退と

これほどの実績のある選手たちの移籍と引退は見たことがない。
名古屋の9連覇を支えてきた森岡薫の退団→ペスカドーラ町田への移籍と北原亘の現役引退。そしてペドロ コスタの
現役引退と監督就任。監督力はさておいて、その戦力の低下がもたらした結果は、年内最後の試合(第26節/シュライカー大阪と名古屋は1試合未消化)終了時点で首位・シュライカー大阪に勝ち点で「7」離されて2位となっている。過去9年間というものすべての年でリーグ優勝し、プレーオフ制度が導入されて以後も、優勝=1位のアドバンテージ(1位チームはFinal Roundへシードされる)を手にチャレンジャーを破って“絶対王者”と呼ばれるに至った。それが今シーズンはすでに自力優勝が消えているのが現実だ。

このチームの変わりようをセルジーニョは、どう受け止めているのか。第24節ペスカドーラ町田戦後に彼とこんな話をした。

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