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無料記事[Fリーグ2016/2017第33節]シュライカー大阪・木暮賢一郎監督「対名古屋でいうとリーグ戦のほうが僕は大事かなと思っています」(2017/2/20)


今節のオービット賞は粋なはからいで村上選手と木暮監督に贈られた。

 

SuperSports XEBIO Fリーグ2016/2017 第33節
シュライカー大阪 11-2 ヴォスクオーレ仙台
2017年2月19日(日) 住吉スポーツセンター 観客数:1,201人
[得点経過]
1-0  00分35秒 大阪 11 チアゴ
1-1  00分45秒 仙台 24 松木裕功
2-1  02分53秒 大阪 5 アルトゥ―ル
3-1  03分28秒 大阪 12 小曽戸允哉
4-1  08分11秒 大阪 11 チアゴ
5-1  09分51秒 大阪 5 アルトゥ―ル
6-1  18分52秒 大阪 8 永井義文
7-1  27分10秒 大阪 10 ヴィニシウス
8-1  28分02秒 大阪 8 永井義文
9-1  31分28秒 大阪 12 小曽戸允哉
10-1   32分43秒 大阪 10 ヴィニシウス
11-1 35分06秒 大阪 24 村上哲哉
11-2 35分38秒 仙台 18 藤山翔太

 

 


写真は今シーズンで引退をする村上哲哉選手・奥田亘選手とそのご家族。

 

特別な意味のある日であったこの試合。
1つ1つの質問にいつもにも増して丁寧に気持ちを込めて木暮監督は回答をした。

まとめ◆デジタルピヴォ! 古澤

 

以下は、木暮賢一郎監督の記者会見と質疑応答。

試合を振り返って。

木暮賢一郎監督
プレーオフは残っていますが、リーグとしては今日が最終節でした。今日のゲームに関してはいろいろな意味ある日。意味の詰まったゲームでした。村上・奥田という長くシュライカーを支えてきた選手がリーグで選手として戦う最後のゲームというのもそうですし、1番の目的であるプレーオフでチャンピオンになるということに向けていいプレーをして、強さもそうですが、フットサルの魅力とか、プレーオフの決勝に本当に多くのファンの方の力が必要なので、そういうものにつながるにはいいゲームをして、勝つ。そういうストーリーをつくっていかないとというところも目的の1つでした。
シーズン歴代最多ゴールというのもオフェンシブなチームをつくってきた自分のスタイルとしては、できることならばそういうところも成し遂げられればと思っていましたし、これも1年目からいってますけど、ホームゲームは大切にしたい。ホームでは負けない。勝つというのをつくりたいのは常々いってきました。引き分けはありましたけれど、1年間通してホームで1度も負けることがなかったということも今日はかかっていました。いろいろな大事な要素が詰まった位置づけの中で、そういう目的を果たすことができるようなゲームができる選手。今日だけではないですけれども、こういうすばらしいゲームを33試合送ることができた全選手をたたえたいなと思います」

 

以下は質疑応答。

 


この写真は村上選手のゴール時のシュートシーン。自らゴールを決め、会場は最高の盛り上がりを見せた。

 


写真は奥田選手が得意とするボレーシュートのシーン。村上選手に続いてゴールを決めさせようと木暮監督はチャンスを与え、チームメイトは試合終盤、奥田にボールを集め、ボレーシュートの場面を演出した。

 

Pivo!:引退する村上選手・奥田選手に対するねぎらいの言葉と印象深いエピソードをお願いします。

木暮:村上・奥田ともに現役のときから当然よく知っている選手ですし、シュライカー大阪にとっても日本のフットサル界においても長く引っ張って来た選手です。関東中心の時代というのは僕の現役の時代からありました。村上はファイルフォックスで一緒でしたが、奥田に関しては関東主導であった、シュライカー大阪の前身であるマグというチームにいたときから知っていますし、2年前、奥田に関しては大きなケガの後に復帰をして、彼も先ほど(セレモニーで)話していましたけれど、プレーオフの決勝でああいう結果を出せた理由としては彼が途中で復帰をして来て非常に大きな役割を果たしてくれたというのを覚えています。ただ、そのプレーオフ後の全日本選手権の前に2度目の手術をして、当然練習中でしたし、リハビリを一生懸命して、復帰をしてまた表舞台に立つ活躍をした矢先にまたケガをしてしまってという彼にしかわからない苦しい思いをしたと思いますし、そのときに彼に話しましたが、モチベーション高く復帰したいのであれば自分としては待ちたいなという話しもしました。なんとか(昨シーズンの全日本選手権で)復帰をしていい時期悪い時期あったと思いますけど、僕の思うベテランのいい姿勢というのは試合に出る出ないとか、結果を出している。出せない。うまくいっていないにかかわらず、日々のトレーニングの姿勢であったり、若い選手の見本となるような、それが僕にとって必要なベテランであって、ベテランは何歳からかはわからないですが、僕の中の定義としては、逆にいったら必要のないベテランもいると思っています。その逆ですね。試合に出れないからふてくされるとか。モチベーションが下がる。気持ちは理解できますけど、それは若い選手にはありがちなことですし、そういうのを乗り越えていい選手になると思っていますけど、ある程度のベテランの選手は自分にとって行動する選手はいいベテランではなかったので、大阪にいるベテランというのはそういうことがベテランと思って一緒に戦っていますから。奥田というのはそういうところを非常に全うしてくれた選手だと思っていますし、しばらくメンバー外の時期も今シーズンあって苦しかったと思いますけれど、今また非常にいいパフォーマンス・いいコンディションというのは取り戻していますから2年前のときのように彼のそういう活躍というのを自分としても期待している1人でもありますのであと少し最高のプレーをしてほしいなと。チームの力になってほしいと思っています。
村上に関しては僕がスペインに行く前、ファイルフォックスのときに、僕はあまり覚えていませんが、彼がよくいうのは僕がスペインにたつ前のラスト1試合一緒に戦ったといってますけど、その出会いよりも代表で自分がキャプテンをやっているときに一緒にワールドカップにも行きましたし、約4年弱くらいですか。ミゲル前監督が来た2008年のワールドカップ終了後から2012年までの間、一緒に代表でプレーしましたし、一緒にやっていた身としてはピッチの中でも外でも貢献度はすごい高い選手だと思いますし、今年引退する小宮山選手と、同じファイルフォックスだからというのもあるのかもしれませんが、僕と小宮山との関係と似た空気感がありました。キャラクター的にも小宮山選手と似ていたりとか。同じチーム出身なので似てきたのかもしれませんが、彼にもいったように。これは愛情持っていいますけど、選手としては決してうまい選手ではなかったと思いますし、技術的には下手くそ。そういうタイプの選手だったと思います。ただ、そういったものを上回る気持ちの強さであったり、チームプレーの大切さであったり、努力することの大切さであったりと。口でいうと当たり前のことかもしれませんが、そういったことを大事にできる選手というのは本当に少ないです。才能とか技術があってもメンタルがついてこなくて日本代表で定着できなかった選手も選手としてたくさん見てきましたし、惜しいなという選手もいましたし、今のFリーグにもいると思います。ただ、そういうのと真逆で村上選手・小宮山選手は下手かもしれないけど、そういうチームとして必要なピースとしての役割をしっかりと理解してもしかしたらときにはやりたくないようなこともね。率先して、ピッチの内外でも戦ってくれた本当にすばらしい選手だったなと思います。監督として3年間彼とは今までの選手同士の関係から監督選手という関係・立場が変わったので昔ほど深く話すことはしていないですから。あくまで監督と選手としてシビアなジャッジを下すことが今シーズンは多かったですけど、目標を達成するための自分自身の決断でしたし、先ほどの奥田と一緒に、それでも、本当に誰よりも早くグランドに来て、声を出してという姿勢にチームは助けられたと思いますから彼ら2人の貢献度というのは高いと思いますし、そういう彼らの姿勢を見て、シュライカーの若い選手はもっともっといい選手になっていくのだろうなと確信しています。同様にこれで終わったわけではないです。プレーオフ(ファイナル)まであと2週間ですから彼らの思いというのをチーム全体のパワーに変えてもう1度ホームで喜べるように期待していますので、お疲れさまというのはまだありますから、その言葉は取っておきたいなと思います。

Pivo!:永井選手の現在のコンディションと今日の評価について。

木暮:永井に関してはもともとのケガがなければもっともっと活躍をしたシーズンになっていただろうし、彼自身もそういう意味ではケガで苦しいシーズンを送っていると思いますけど、最後のゲームに関して違った形で加藤未渚実の代わり。個のタレントとして、プレースタイルは違いますけど、補えるところの位置づけとして期待していますし、今日ある程度のプレー時間を確保できて、まだ2週間ありますからもう1つ2つコンディションを上げてもらって、プレーオフのファイナルでは違ったオプションとして必要になってくるので。今日のプレーに関して。まだビデオは観てないですが、プレー時間とゴールを奪えたことに関しては非常にポジティブな要素かなと。

Pivo!:まだ万全ではないということですね。

木暮:休んでいた期間とゲーム数・プレーイングタイムでいえば、本来のあるべきところに関してはまだまだというのは当然あると思います。まあプレーオフに関してだけいうと、1試合2試合。それはほかの選手にもいえますけど。次のことを考える必要のない戦いですから僕も選手だったので、どこが痛かろうが、苦しいときがあろうが、これだけにチャンスを目に前にした選手は持っているポテンシャル以上の力が出ると信じていますし、各チームにいろいろなストーリーがあると思いますが、大阪には大阪にしかないいいこともつらいことも、引退する選手・チームとしても個人としても。そういう歴史を変える本当にストーリーを持ったチームだと僕は思っていますから。そういう物語を完結するにはすごくいい状態で迎えるのではないかなと。最後は僕が思う戦術よりは思いがあるほうが勝つと思っていますから。もちろん相手にもそういう思いはあると思いますけれど、僕らには僕らにしかないストーリーがあると信じていますのでそこに向けていい準備をしたいと思っています。

Pivo!:仙台についてですが、点差は開きました。圧倒的な差。順位どおりの差がつきましたが、細かいところでいくと仙台の選手の個の能力が大阪を圧倒するところもありました。そこについてはどう分析していますか?

木暮:他のクラブは各クラブ監督は環境面・戦力であったり、順位であったりいろいろな要素がありますから、全チームの監督のスタイルを基本的には僕はリスペクトしていますし、いつもスカウティングはしてますけれど、若い選手が力をつけているという印象はあります。今回もしっかりとスカウティングをして臨みましたし、そういったものが効果的にスコアを動かせた戦い方というのはスカウティングを持ってはまった時間もありましたので。ただ、今日に関しては間違いなく僕らのほうが。選手個人の能力の部分であったりとか、環境面でのアドバンテージはあると思いますが、僕らにはすごく思いを持って戦う理由がありました。そこの差というのはここまでの差に広がったと思いますし、それは仙台だからではなくて、ほかのチームが来ても、リーグ最終節で順位が決まっていて、というと、こういう僕らにとってはここまでの差が出る可能性は強かったと思います。大阪の日だったのは自然かなと思います。

Q:10年目でリーグで歴史を変えた点について。最終節になり、改めて。

木暮:名古屋の強さは自分も在籍していましたからその強さの理由は一応熟知していますし、彼らの持っているプライドは監督や選手が変わろうとも理解していますので彼らを上回ってリーグ1位になることがどれだけ覚悟が必要で、どれだけ大変でっていうところはよくわかっているつもりです。それは自分が率いたチームだからということではなくて、名古屋以外のどこかのチームがね。リーグ戦で上回る日が来ると思っていましたけど、それはいつなのかとか。どのチームなのか。というところで、どのチームが成し遂げても偉大な結果だと思っていますし、それをなんとか自分たちが実現したいと思ってこのクラブに来ましたし、実現しようということを選手にもしつこいくらいそういう話をして、3年かけて。僕がというよりはクラブと選手には本当におめでとうといいたいですし、それくらい努力と覚悟でやり続けてきました。いい日も悪い日も。もしかしたら、1年だけではなくて、僕が来てからの3年だけでもなくて、1年目にいた選手の想いももしかしたらあったかもしれません。それはクラブの伝統だと思っていますから。クラブの思いと、いろいろな思いを引き継いだ野心を持ってきた選手。いろいろな世代の選手が集まって、全員が同じ目的を持って、そういう大きな壁を乗り越えたというのは僕は本当に全選手誇りに思っていい結果だと思っていますし、名古屋との差はそれだけ大きいと思っています。そういったものを乗り越えるという意味ではいろいろな方に与える勇気であったり、ポジティブなパワーであったり、リーグであれば、ほかのチームもできるんじゃないか。やろうとか。そういうふうに注目されて。胸を張れる結果だなと思っていますので本当におめでとうと。それぞれ選手・スタッフの人生の中でも自分を誇れるような結果なんじゃないかなと。ただ。プレーオフというレギュレーションある以上はもうひと踏ん張りしないといけないと思っていますしね。
喜べていないですから。喜びを爆発させて。というのはまだできていないですから。それをするには3月3日のプレーオフファイナルで死に物狂いで誇りを持って戦う。もう1度チャレンジャーとして僕らが受けるのではなくてチャレンジャーとして上がって来たチームに対してぶつかっていく以外ないと思っていますから。
まだすべての歴史を変えたとは思っていないので。年前はある意味、プレーオフで上がって、歴史を変える寸前まで行ってると思ってますので。以前違うところでもいいましたが、今年のJリーグのスタイルでいえばね。あのとき、チャンピオンになっていたと思います。1分けと1勝でしたから。それは競技もルールも違いますけど、Fリーグの歴史において、近づいたのが2年前だと思っています。
その悔しさがあったからこそ、プレーオフで1位に行かないと難しいなという印象もありましたし、ただ、そういうことは今度、逆に起こりえますから。僕らは決勝で待っている状況かもしれないですが、あとの4チームというのは2日間で2勝して、そういう強い思いを持って、チーム力も上げて、大阪に来るわけですから2年前と同じことが起きると思っていますし、僕らはまだチャンピオンではないと思っていますからどこのチームが来ても岸和田で40分間ぶつかっていくというスタイルをもう1度つくりあげたいなと思います。
ただ、リーグという1シーズンに関していえば、すばらしいシーズンを選手・スタッフ・クラブとすごい仕事を成し遂げて、もっともっと評価されることを祈っています。彼らの頑張りを見て来たので。

Pivo!:プレーオフ1st ROUNDにて名古屋オーシャンズ(以下名古屋)と府中アスレティックFC(以下府中)が戦います。名古屋は名古屋で大阪に勝ち自信を取り戻しました。少なくともあの試合の後は。一方で府中は府中で名古屋に勝ちましたし、分があります。谷本監督も自信を持ってモチベーション高くいます。そういう意味では名古屋が敗戦する可能性もあるとは思いますが、やはり可能ならばプレーオフでは名古屋を倒して1位になりたいですか? それとも、やはり、1位が目的なので、どこがとか。そういうことではないのでしょうか?

木暮:今のリーグのレギュレーションで行くと、リーグとプレーオフは別物の大会だという認識でいます。目標としてはリーグで名古屋を上回るというのは重要視していたのは事実なので。
そういう意味で33試合終わった時点で、名古屋を上回ったシーズンとして自信を持っていいと思います。プレーオフは別の大会なので。
ただ、2シーズンプレーオフに出た経験・データでいうと2位のチームはここ2年間上がって来ていないですから。当然、一発勝負なのでどこが来るかは想像がつかないです。リーグ戦ではなくてトーナメントなので。僕らも2年前、5位から上がりました。誰も大阪が来るとは思っていなかったと思います。昨年は府中は5位で上がっていますし、僕らは2nd ROUNDで引き分けでも決勝に行けるというアドバンテージはありましたけれども、負けてしまいましたし、そういう意味では本当にリーグとは別物のフラットな状態での一発勝負という認識のほうが強くありますから。そこはそこで。決勝まで上がって来たチームというのは1番リスペクトに値するところだと思っていますから、名古屋だから。とか。今の順位が何位。だとか。そういうことは一切関係なく、来週しっかりとスカウティングをして、決勝に上がって来たチームをリスペクトして全力で倒しにいきます。名古屋に来てほしい。とか。ほかに来てほしい。とかそういう思いは一切なく、上がって来たチームにリスペクトして臨みます。対名古屋でいうとリーグ戦のほうが僕は大事かなと思っていますので。
そこは僕個人の認識で臨んでいます。肩書きとか、見え方というのは、優勝がどっちかというのはおそらくJリーグでも議論があったと思いますし、人によって、どちらを重要視するか、いろいろな意見があると思います。リーグ1位がすごいと思う人がいれば、いやいやプレーオフがあるんだからという。そういう意味で僕らが両方取ることは誰にもいわれることなく胸を張れることが間違いないので当然そこを目指していきたいと思いますけど、プレーオフで今の質問に答えるとすれば、別の大会という認識です。

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