[山下コラム]アスレの底力(2017/2/21)
第31節、名古屋相手に2点ビハインドから反撃ののろしとなるゴールを決めた12小山を仲間がたたえる。ラストパスは25完山。ベテラン勢の力が名古屋を上回った。プレーオフはこの展開の再現になるのか。
5位でのプレーオフ進出が未確定の第29節の段階で「プレーオフ1st Roundで(リーグ2位の)名古屋さんと当たるのは大歓迎!」と語っていた谷本監督(写真は31節)。気合は十分だ。
試合中に選手とコミュニケーションをとる谷本監督。プレーオフでは高い対応力が問われる。
「『アスレの底力』って書いてくれてるじゃないですか、いいですね!」。取材を始めようと近づいた僕の取材ノートの書き込みをいち早く見つけて、谷本監督はそういうと、にっこりと笑った。第29節、アウエーのすみだ戦後のことである。そうなんだよ、これをテーマにキミにインタビューしようと思っていた矢先に…、「負けちゃった(笑)」。そんな雰囲気の中で取材はスタートした。
まとめ◆デジタルピヴォ! 山下
相手ゴール前にピヴォを置く形で本来の力を取り戻したアスレ。第31節のホームで、プレーオフ1st Roundの相手、名古屋に逆転勝利を決めた。
後半、渡邉の同点ゴールに沸き立つベンチ。カメラアングルを完全にふさがれた。
柴田がマークをかわして右隅へチーム2度目の同点ゴールを決めた。名古屋相手に全く臆する気配が感じられない。
このシュートが決まりアスレはついに逆転した。名古屋を恐れるどころか真っ向勝負を挑んで勝利した。この結果、名古屋との今季通算成績は1勝1分け1敗となった。いい形でプレーオフに突入する。
リーグ5位は飛躍のポジション?
[プレーオフ結果ほか]
2012-2013 優勝・名古屋(リーグ1位) 準優勝・大阪(同2位) <府中>
2013-2014 優勝・名古屋(リーグ1位) 準優勝・大分(同5位) <浦安、大阪>
2014-2015 優勝・名古屋(リーグ1位) 準優勝・大阪(同5位) <浦安、北海道>
2015-2016 優勝・名古屋(リーグ1位) 準優勝・府中(同5位) <大阪、すみだ、町田>
2016-2017 ※リーグ1位大阪、同2位名古屋、同3位町田、同4位すみだ、同5位府中がプレーオフ進出
※<>=Finalに進めなかったプレーオフ出場チーム
Fリーグがプレーオフ制度を導入して今季で5回目になる。
上の表のとおり、昨季までの過去4回のプレーオフで、2007-2008のリーグ開設から2015-2016まで9連覇している名古屋を別にすると、Final Roundに進出している回数が多いのは大阪が2回(今回を含めると3回)、大分と府中(アスレ)が各1回。しかも、Final進出チームは、4回のうち3回がリーグ5位である点は注目に値する。2位から5位のうち、5位はプレーオフ優勝に最も近い躍進のポジションといえるかもしれない。ちなみに、リーグ5位から2季連続でFinal進出する権利を有するのは、もちろんアスレのみだ。果たして2季連続でアスレはFinalへとコマを進め大阪を脅かすことができるのか。関東圏のチームの優勝こそFリーグの隆盛につながると信じてやまない僕の、その信念の裏付けを探るのがこの記事の狙いだ。
まずは、昨季5位から勝ち進んで準優勝したアスレの足跡を振り返ろう。
[2015-2016プレーオフ]
1st Round(2016/1/5) すみだ 2-5 大阪、町田 2-5 府中
4/5位決定戦(2016/1/6) 町田 3-4 すみだ
2nd Round(2016/1/6) 大阪 3-4 府中
Final Round(2016/1/9) 名古屋 6-3 府中
アスレがオーシャンカップ2015で名古屋を倒して優勝した“一発に強いチーム”とはいえ、僕は昨季プレーオフ1st Roundで、ホームチームの町田(リーグ2位)に勝てるとは思っていなかった。ところがこの試合を3点の大差をつけて勝利すると、2nd Roundでも、同スコアですみだ(同3位)を破った大阪(同4位)を1点差で撃破。初のFinal Roundへとコマを進めたのだ。結果は、1勝のアドバンテージを持つ名古屋に第1試合で敗退したが、その健闘はたたえられてしかるべきだった。
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