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[山下コラム]デフフットサル日本代表は世界最新システム『スリーライン』で世界王者イランをぶっ倒す!!(2017/9/5)

アジア=世界のライバルに先んじて新戦術を導入している川元剛監督。

 

8月の候補合宿最終日、トレーニングの指示を出す金尾コーチ。左手前の小柄な選手はデフフットサル界期待の星、中1の本多将起くん。今回から合宿に参加した。

 

トレーニングマッチに臨む1stセットに『スリーライン』の動きの確認をする川元監督(右手前)と、その右隣、監督の指示を手話で仲間に伝えるのが東海林キャプテン。

 

後発の2ndセットにはピヴォを使った3:1を指示した。左列中央はデフフットサル界を長く支え続ける船越選手。

 

3つの攻撃パターンを持つ代表チーム

デフフットサル日本代表は8月11~13日の3日間、神奈川県・MFP藤沢で候補合宿を行った。そこで日本代表が導入したのが世界最新の攻撃システム『スリーライン』だ。
・この『スリーライン』に加えて、
・流動的な4人のパス回しから相手の裏を突く『クアトロ』、
・相手ゴール前にターゲットを置くことで攻撃に深さを出す『ピヴォを使った3:1』と、
この3つの攻撃的戦術を駆使する唯一のナショナルチームとして、日本代表は来年開催されるアジア選手権(開催日も開催地も未定)に挑む。そこには世界王者イランという巨大な壁が日本の行く手を阻もうと待ち構えているが、デフフットサルのイラン代表はまだ『スリーライン』を導入していない。日本はこの戦術に関して世界王者に一歩先んじているのだ。
デフフットサル日本代表という存在について正直にいうと、僕は、聴覚障害者の中ではうまい人が集まったチーム、ぐらいに考えていた。ところが研究熱心な監督の熱意で最新の戦術を導入し、選手もまたその熱意に応えようと働きながらプレーし世界有数の代表チームになろうとしている。僕にとって今や、固定観念をぶち壊してくれる貴重な存在だ。
その川元剛日本代表監督が『スリーライン』をデフフットサルに導入したのは6月の三重県合宿。その後、8月の神奈川県、9月(1~3日)の福井県と合宿を重ねる中で『スリーライン』の熟成を図っている。
では、『スリーライン』とはどんな動きからどんな狙いを持って導入された戦術なのか。川元監督へのインタビューと解説から明らかにしていく。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

この日行われた桐蔭横浜大学フットサル部とのトレーニングマッチ、立ち上がりから攻勢を仕掛けるデフフットサル日本代表。

 

船越を中心とする2ndセットがカウンターを仕掛ける。今も関西リーグ2部で健常者に混じってプレーする船越には安定感がある。

 

3:1の軸となる身長182cmの大型ピヴォ土屋(写真手前)が確実にゴールを決めた。

 

キャプテンの東海林が相手ゴール前にドリブルで仕掛ける。

 

川元監督によるとこのシーンが『スリーライン』からアタックに行く1stセットの選手。

 

ピヴォの土屋が反転シュートを鮮やかに決めた。現時点では、採用して間のない『スリーライン』に比べて年季の入っている3:1のほうが確実性が高い気がした。ただその壁を乗り越えなければ新戦術の価値は見出せない。

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