デジタルピヴォ! プラス

無料記事:皆本晃のフリーキックでの緻密な駆け引き(府中)[Fリーグ第20節](2017/10/7)

 

DUARIG Fリーグ2017/2018 第20節
府中アスレティックFC 3-2 バサジィ大分
2017年10月7日(土) トッケイセキュリティ平塚総合体育館 観客数:353人
[得点経過]
1-0 05分25秒 府中 8 上福元俊哉
1-1 09分48秒 大分 23 石関聖
1-2 21分52秒 大分 4  田村龍太郎
2-2 25分31秒 府中 5  皆本晃
3-2 30分23秒 府中 13 渡邉知晃

 

例年とは違い、リーグの序盤戦で連敗をせず、よいスタートダッシュをとれていた府中アスレティックFC(以下府中)。渡邉知晃の活躍も大きいと思うが、皆本晃の存在もいうまでもなく大きい。今シーズン府中が負けたのは4試合。しかし、今シーズンは連敗がなく、負けた試合の後の試合は勝つというサイクルを繰り返している。今節もそのサイクルのパターンの例に漏れずに勝利を手にした府中であったが、今節はリードを許した時間帯もあり、連敗の危機もはらんでいた中での大きな勝利を手にした。谷本監督・皆本キャプテンは負けたあとの試合の難しさを感じた中での勝利であった。数字をさらっと見て流すのとは訳が違う。負けたあとの試合に勝つことは簡単なことではない。しかし、今シーズンそういった難しい試合を落とさずにいるからこその今の結果といえる。

まとめ◆デジタルピヴォ! 古澤

 

以下は谷本俊介監督皆本晃選手の記者会見と質疑応答となる。

試合を振り返って。

 

 

谷本俊介監督
「お疲れさまです。今日は技術や戦術は置いておいて、気持ちの勝利だったのではないかなと思います。リーグ戦はどれだけ波を上下させずにフラットに戦えるかが大事で、勝つとき、負けるときは当然ありますが、その中で一喜一憂をしていたら、よいクオリティのプレーはできないと思います。前節では湘南さんに負けて、前々節も浦安さんに引き分けていて、勝てていない中で、よいプレーをするのは難しいのですが、今日はそういう意味で、まずは気持ちをしっかり持ってゲームに入ってくれたことで最低限の質が出せたと思いますし、相手にリードをされながらも勝てた要因だと思います。試合の質に関しては自分たちが攻め込む時間が長く続きましたが、そこで決めきれなければ、相手にチャンスが回ってしまい、カウンターをしっかりと沈められて、注意したセットプレーも決められてしまっては、自分たちが優位に試合を進めることは難しいのかなと感じました。集中すべきところで集中して、ミスが起こらないことはないと思うので、流れを読んでいかないと、シーズンの終盤で、体力的にもきつくなっていく場面で勝ち切っていくことは難しいと思いますので、今日勝ったからこそ、気を引き締めなおして来週のゲームへ臨みたいと思います」

 

 

皆本晃選手
「前節湘南に負けて、負けた後の試合は改めて難しいものだなと感じました。内容は決してそこまで悪くはなかったのですが、点が入らず、気持ちを持って試合に臨んでいても点が入らないと雰囲気的には難しいゲームになってしまって、自分たちでそういう状況をつくってしまい、苦しめてしまった。そういったところからチームは連敗していくものだと思っていたので、今日はみんなでひとつになって、みんなで乗り越えようというテーマのもとに勝てたのは大きな分岐点だったのかなと思います。これを乗り越えたことで次のステップに進める感覚はあります。プレーオフや優勝争いについてはまだまだ先は長いですが、苦しい中でのゲームに勝ち切る。こういうことに立ち返ってこれからも臨んでいきたいと思います。今日は難しいゲームでしたが、自分たちには大きなゲームだったかなと思います」

 

以下は質疑応答となる。

Pivo!:皆本選手は1ゴール1アシストでした。得点シーンについて振り返ってください。

皆本:1点目のフリーキックは同じシチュエ―ションが前にありました。僕はフリーキックで上を狙うようにしています。キーパーが前に出て来たときはキーパーと壁の間であったり、キーパーの顔の横を狙ったりするのですが、キックのフィーリングが合わず、キーパーの真ん中に行ってしまいました。2本目は今度こそその位置を狙おうと思い、助走をしたら、相手が下がったので、下がったときは下が空くと思っているので、上を狙っていたのを即座に下に修正しました。そこの駆け引きがありました。壁が2枚なのか、3枚なのか、余っている選手がどこに立つのか。そういう小さな駆け引きはありますが、駆け引きに勝てたゴールでしたし、1回目の布石があったからこそのゴールだったかなと思います。アシストに関しては前半からずっと1対1を仕掛け続けていましたが、なかなかシュートが入る感じではなかったのです。ただ、セグンドまでにはボールを送れていたので、続けていけば、点は入るかなと思っていたところ、よい時間帯に入ってよかったです。決勝ゴールになりましたし、ああいう時間帯で仕事をするのが自分の1番の持ち味だと思っています。今日は仕事ができてほっとしています。

Pivo!:マルキーニョ選手についてです。加入当初はコンディションやフィットの関係もあり、遠慮しがちであったり、凡ミスも見られましたが、最近では1対1(守備)で強さを見せたり、前よりもアグレッシブなプレーも見られるように思います。現状のマルキーニョ選手について、監督として、チームメイトとしてどのように感じていますか?

谷本:彼はコンディションのところに関しては、スペインリーグが終わってから日本に来て、プレシーズンがない中でシーズンに入ってしまったので体力的なところで難しいところはありましたし、チームメートと合わせるところと相手選手の特徴を知るまでに時間がかかりました。1巡目の途中から入り、1周ちょっとしたところで戦い方が見えたと思うのでプレーしやすい状況になっていると思います。

皆本:僕の率直な感想としてはもっとできると思います。練習で一緒にプレーをする中、選手同士で感じるものはあります。球を蹴り合った感覚の中では彼はまだ実力の半分くらいしか出せていないのかなと思います。日本ではシュートが強いとか、1対1が強いとかそういう選手が助っ人っぽい感じでもてはやされてしまいますが、彼はそういう選手ではないので。選手と連携しながらできる選手で、逆にそういう選手は少ないと思います。スペインリーグで彼はやっていたんだなと練習の中で感じます。彼のもっとよいところを上げられるようにと思っています。仲間の選手のプレーも上がってこないと彼のよさも上がって来ないので、お互いに合わせていければ、プレーオフ、シーズン終盤ですごいプレーを彼はしてくれるという感覚はあります。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ