無料記事:「大徳政博、単身世界(ブラジル)への挑戦」Ver.2 フットサルブラジルトップリーグの環境
今回ブラジル代表に選ばれたチームメートのDaniel(左)とGianと、パラナ州のスポーツ功労賞の式典にて。
FOZ CATARATASのホームアリーナ。プレーオフでは観客が6,000人を超えた。
DAITOKU Masahiro
1992.1.18 生まれ
1996~2004 浦安ワンダーキッズF.C
2004~2007 市川学園中学校
2007~2010 市川高校
2010 バルドラール浦安セグンド
LUFT
2011~2013 府中アスレティック
2013~2015 バサジィ大分
2015~2017 湘南ベルマーレフットサルクラブ
専用アリーナを持っているからできること
僕がブラジルに来て1か月以上がたちました。
リーガナショナル(ブラジルトップリーグ)は準決勝まで駒を進めたが、
準決勝で惜しくも敗れ、このチームはベスト4でリーグを終えました。
今日は、僕が参加しているリーガナショナル所属のチーム、FOZ CATARATASにおけるフットサルの環境について日本と比べながら書いていこうと思います。
まず体育館。
上に掲載した写真のとおり、ホームアリーナは規模こそそんなに大きいわけではないが、
チームが所有しているアリーナです。
なので選手はいつでもボールを蹴っていいし、更衣室は選手専用。
ひとりひとりに写真入りのロッカーが備えられています。
そして練習着は靴下まですべて畳んでロッカーに用意されています。
選手は家から手ぶらで来て、
練習が終わったら脱いだものはすべてバケツにポイです。
タオルまで用意されている。
そしてホぺイロ(用具係)の人がすべて洗濯して干してまたロッカーに畳んで置いてくれるのです。
試合のユニフォームなどもすべてチームが管理しているので、
遠征のときも選手はかなり身軽です。
日本では、練習着やユニフォームも自分管理のチームがほとんどだと思います。
それはまずチームが持っているホームアリーナというのが少ないし、
ホぺイロ(用具係)という役回りの人が日本には少ないからだと思う。
選手は、みんなホームアリーナの近くに住んでいます。
家族がいる選手はそれぞれチームの紹介された家に住むが、
独身の選手などが入れる寮みたいな家があります。
平屋の4LDK。
そこに基本的には1人1部屋与えられていて、
そしてホぺイロ(用具係)の人もそこに住み、選手のサポートをしています。
あとチア(日本語訳:叔母)という寮母さんみたいな人が毎日来て昼ご飯と夜ご飯をつくってくれます。
なので僕はこの家に住み始めて1か月以上たちますが、
料理はもちろんしていないし、
洗濯や掃除も1回もしていない。
部屋も気づいたらきれいになっているし、
私服ですらすべて洗濯して干して部屋に畳んで置いてあるのです。
日本の環境とはなにもかもが違う。
もちろん全員がプロで、
フットサル以外なにもしていません。
なので、練習の予定も当日まで来なかったりする。
これはブラジルだから適当なんだねっていう話ではなくて、
毎日フットサルをすることが仕事なので、
基本的にフットサル以外の予定はないからできることだと思うのです。
朝にいきなり午後練の予定が入っても、
選手はなにも問題ないのです。
そして専用アリーナだから朝もゆっくり準備できて終わった後も時間を気にすることなくゆっくりと過ごすことができます。
いずれも、プレーオフでカルロスバルボーザに勝って準決勝進出を決めた試合後のチームメートとの写真です。
チームは準決勝で惜しくも敗れたもののベスト4という結果を残しました。
これがプロスポーツクラブの環境だ
ここまで書いてきたとおり、
環境はかなり違います。
ブラジルはすべてこんなふうではないと思うし、
これはほんの一例ですが、
この環境だったら、もっと選手がフットサルに集中できて、
何をすればもっとうまくなるのかそれぞれが考えると思うのです。
時間があるのだから。
僕は日本で仕事をしながらフットサルをしていました。
午前に練習をして、午後にスポンサーの会社で仕事をする。
十分な環境だと思っていました。
労働時間もかなり短いし、融通も利く。
でもやはり一番はプロであることだと僕は思います。
うまくなるにはたくさん練習しなければいけない。
でもたくさん練習するにはそれなりのケアをしなくてはやっていけないと思うのです。
練習すればするほど、ケアの時間も必要だし、
フットサルの映像を見て研究する時間だって必要。
僕は日本にいるとき毎日時間がありませんでした。
人より早起きして何かをしても全然足りない。
仕事が終わってご飯を食べたら寝る準備をしなければいけない環境でどうしたらうまくなれるかを考えていました。
今は語学を勉強する時間だってあるし、昼寝をする時間だってある。
これがプロスポーツ選手だ。
と思える環境がここにはあります。
日本と世界の差はなにかと考えたときに、
環境のせいにしたくない自分がいましたが、
やはりこの差は大きいとここに来て感じています。
まだまだ書きたいことはたくさんありますが、今回はここまでにします。
また次の寄稿を楽しみにしていてください。